白い人が仕掛けた黒い罠
高山正之・著 WAC
 
第8章 奴隷のいた国、いない国 

 『ヨーコ物語』の顛末

 我々日本人が「正しい外交関係」のための視点をもつには、むしろ“ルーズベルトの目”をもたねばならない。やたらと日本に入ってきている、韓流をはじめとした「韓国情報」に惑わされてはいけない。
 こんな話もある。ベトナム戦争時に、韓国軍がベトナムで何をしたか、「ニューズウィーク」が、ベトナム支局のレポートを載せている(2000年4月12日号)。
 韓国がベトナムに派兵していた1965年〜73年の問、韓国軍は理由なき無差別殺人を行ったという。立ち退きを拒否したベトナム人住民たちを、生きたまま井戸や防空壕に押し込め、手榴弾を投げ込んで殺す。残忍なやり方で女性をレイプしてから殺す。「韓国兵に会ったら、死に出会ったも同然だった」という証言がある。
 そして、もうひとつ『ヨーコ物語』(原題So Far From The Bamboo Grove)がある。
 この本の筆者、ヨーコ・カワシマ・ワトキンスさんは米国人と結婚して、現在はアメリカに住んでいる。
 彼女は朝鮮半島で終戦をむかえ、家族とともに日本へ引き揚げる際に、多くの同胞が朝鮮人に襲われ、強姦され、虐殺される場面に行き合わせた。その事実を、11歳の少女たった著者が淡々とつづった作品だ。状況は違うが、日本版『アンネの日記』といってもいい。
 この本は、アメリカのほぼ全州の中学校で副読本として採用されていたが、2006年に在米韓国人が「歴史の歪曲」と騒ぎ出した。朝鮮人を残忍な民族のように偽って描いたというのだ。騒ぎは全土に広がり、ついには73歳(当時)たった筆者が、「記者会見に引きずり出され、怒号の中で吊るし上げられ謝罪を求められた」と『ボストン・グローブ』紙が伝えている。会見場に、韓国紙の特派員、韓国領事はいたものの、日本の外交官、特派員は姿を見せなかった。
 その後、在米韓国人たちのボード・オブ・スクール(教育委員今)への圧力によって、この本は副読本から外されてしまった。
 
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