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 運命のしくみ 成功のしくみ
ダン・ミルマン・著 尾崎清一・訳 徳間書店
 
 あなたの期待があなたの現実を形作る

 ‥‥ぼくは坐って、彼女の言うことを聞いた。「どんなものでも、この世に現れる前には、まずだれかの心のなかに思考やイメージとして現れます。あなたの思考はあなたが世界を見る窓に色をつけます。あなたの信念は、あなたの体験を形作る素材となります。言い換えれば、前向きな思考はひとつひとつが祈りであり、すべての祈りはこたえられます」
 「あなたはそれを本当に信じているのですか」と、ぼくはたずねた。
 「たったいま大切なのは、私が何を信じているかよりも、あなたが何を信じているかですよ」と、彼女は言った。「あなたが何を信じていると考えているか、ではなくてね。そのような表面的な信念はほとんど影響力がありません。あなたのもっとも深い基本的な思い込みだけが、あなたの現実をつくるパワーをもっています」
 「それを聞くと、ある古い詩を思い出します」と、ぼくは言った。「牢屋の格子をとおして、外をながめるふたりの囚人。ひとりには泥が見え、もうひとりには星が見えた」
 「そうです」彼女は言った。「あなたが何を見るかは、あなたがどこを見ることを選択するかによってちがってきますし、あなたがどこを見るかは、あなたが何を見ることを期待するかによってちがってきます。たとえばあなたが『人は信用できない』と信じているとしたら、あなたはこの期待のフィルターを通して世界を見て、それを支持する証拠を見つけるでしょう。あなたの信念は、あなたの選択に影響し、あなたが進む方向に影響し、さらにはあなたが出会う友人、敵、そして運命にも影響します。あなたの信念は、あなたの内なるプロセスと内なる行為を始動させ、それはあなたの動作、行動、感情に影響します。もっと微細なレベルでは、あなたの思考はあなたのエネルギーの拡がりの大きさと色にも影響を及ぼし、他の人たちはそれに対して反応します。たとえばあなたが、まわりの人たちは自分に好意をもつ友人ばかりだということを感じ取ったとしたら、あなたはリラックスして解放感を感じます。そのあなたのエネルギーと態度が、彼らをあなたに引き寄せます。これは、あなたの期待があなたの現実を形作るさまざまな方法のひとつにすぎません」

 
新しい期待が、新しい選択肢を生み出す

 「もしぼくが、自分は飛べるという期待をつくったとしたらどうなるんですか」
 「あなたの熱意に水をさしたくはないのですけれど、旅人よ、私たち人間の信念よりも、この現実次元に現れた『スピリットの法則』のほうが優先されることになっています。たとえば、重力は、あなたが信じていてもいなくても働きます」
 「じゃ、もしぼくがすべての疑いを消し去ったとしても、やはり飛ぶことはできないんですね」
 「でも、あなたは飛べます」と、彼女は言った。「あなたは空を舞うことができ、宇宙に飛び出すこともでき、月の上に立つことだってできます。膨大な疑いと『科学的事実』を乗り越えることによって、人間は不可能を可能にして空を飛べるようになりました。『スピリットの法則』の範囲内であれば、私たちの信念のほかに限界はないんですよ。私たちひとりひとりの未来も、人類の未来も、『期待の法則』を理解して応用する私たちの能力にかかっています」
 谷間に向かって降りていく道を歩きながら、賢者はつづけた。「『期待の法則』で特に大切なのは、あなたの古い信念や思い込みを調べて、自滅的な疑いを生き生きとしたイメージに置き換え、明確な意図に基づいて新しい信念をつくるということです」
 「その信念を支持する証拠が何もないときには、どうしたらいいんですか」と、ぼくはたずねた。
 「それこそが、私があなたに伝えようとしてきたことですよ」と、彼女は言った。「とにかく信じること!  その期待が証拠を引き寄せてくれます」
 「最善をつくします」と、ぼくはこたえた。「でも自滅的な疑いについて言えば、新聞を読んでいると、ときどき落ち込んでしまうことがあります。環境問題や、望まれずに生まれてくる子供たちや、犯罪や、貪欲さなどのことを考えると、人類への希望は簡単に失われてしまいます」
 「私は希望に満ちてはいません」と、賢者は言った。「ただ、私は信頼に満ちています。問題は現実に存在します。だけど、泣き叫んで助けを求めているような問題に対処する場合でさえ、もっとも賢明なのは、前向きな結果と人類の潜在的な力に焦点を合わせることです。『期待の法則』は、私たちが焦点を合わせるものは拡大します、つまり、問題と戦えばそれにエネルギーを与えて強くするだけ、ということを私たちに教えています。だから問題にではなく、解決に焦点を合わせてください」
 頭上では、タカが、風に載った凧のようにゆっくりと飛んでいた。賢者はそれを一瞬見上げてから、期待の法則についての最後の言葉を伝えた。「古代の錬金術師のように、旅人よ、あなたは疑いを信頼に、恐れを勇気に変えることができます。新しい期待が、新しい選択肢を生み出します。体験による裏付けを持たないことです。あなたがだれになるかという、新しいビジョンを創造しなさい。そうすれば必ずあなたはそれになります」

   ★なわ・ふみひとのコメント★
 
主人公が賢者(女性)との出会いによって気づきを得ていくプロセスを物語風に綴った本です。ここではスピリットの法則が次の12項目に分けて紹介されています(各項目に続く「─の法則」は省略)。@バランス、A選択、Bプロセス、C存在、D思いやり、E信頼、F期待、G高潔さ、H行動、Iサイクル、J降服、K一体。本日はこの中の「F期待の法則」の内容を抜粋してご紹介しました。
 大変読みやすい本ですが、賢者の言葉遣いが尊大な感じに翻訳されているのが残念です。ここにピックアップした部分は私のほうで丁寧な言葉遣いに改めました。一例を挙げますと「私は信頼に満ちている→私は信頼に満ちています」「それこそが、私があなたに伝えようとしてきたことだよ」→「それこそが、私があなたに伝えようとしてきたことです」。スピリットの世界では、悟りを開いた人ほど謙虚であり、尊大なものの言い方はしないからです。当サイトで紹介しているシルバーバーチの霊界通信にそのことが述べられています。
 
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