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 あの世で幸せになる話
 丹波哲郎 / 池口惠觀 青春出版社
 
 霊格を高める生き方

 そこで最後に、これまでに書いてきたことを総括しながら、私たちが死者に対して取るべき態度、自分自身の死に対して取るべき態度などについて、書いておきたいと思います。
 私たち人間界の感覚では、一人の人間が死ぬと、家族や周辺の人たちが嘆き悲しむのは当然です。しかし、霊界研究者の立場から言えば、
残された者が嘆き悲しむことは、死者にとって何の役にも立ちません。役立たないどころか、足手まといになり、霊界において死者の魂を不利な状態に追い込みかねないのです。
 愛する家族や友人を亡くして悲しみに暮れる気持ちはよく判ります。判っていながらこんなことを言うのは、私には霊界のことが判るからです。死者がどのような送られ方をしたら、霊界で幸福になれるか、あるいは不幸になるかが判るからです。
 『チペットの死者の書』には、「そのとき死体は乱されてはならない。このために守らねばならない規則がある。動物が死者のために斬り殺されてはならない。親族は死体の近くで泣き、あるいは嘆き悲しんではならない。可能な限り家族に有徳な行為を行なわせよ」と書かれています。
 なぜ、残された者が必要以上に嘆き悲しんではならないのかと言えば、死者の魂が人間界の家族に未練を残して、なかなか霊界に渡れないからです。
 繰り返しになりますが、死者の魂は人間界からストレートに霊界に赴くのではなく、まず人間界と霊界の中間にある精霊界に行きます。そこで人間界のアクやしがらみを洗い流して、「素」の状態になってはじめて「三途の川」を渡って、霊界に行けるのです。
 残された者が必要以上に嘆き悲しむと、死者の魂は精霊界でなかなか「素」の状態になれず、「三途の川」を渡ることができません。死者の魂にとって最大の目的であり、幸福な状態というのは、霊界の故郷の村に一日でも早く帰ることですから、それが妨げられるのは迷惑なことなのです。残された家族の“エゴイズム”が死者の足を引っ張ってはなりません。
 むしろ、残された者は、喜んで死者を送る気持ちが必要です。お祭りのように楽しく賑やかにとまでは言いませんが、心から喜んで送ってあげることが、死者に対する思いやりなのです。
 これに関連して、気をつけなければならないことは、死を間近にした人が、どこか遠くへ行ってきたとか、病院の天井に星が見えたなどと言っても、バカにしてはいけないということです。それは、頭がおかしくなったからではなく、霊能力者が幽体離脱をして霊界を見てくるように、死を間近にした人は、往々にして、行きたいところに行ったり、見えないものが見えたりするのです。それを否定することは、死に逝く人に対して、まさにこの世の最後において、礼を失した態度を取ることになり、厳に戒めなければなりません。
 
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