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 迷ったときは運命を信じなさい
ディーパック・チョプラ・著 住友進・訳
サンマーク出版
 
 関係の鏡で自分を見つける

 「わたしは、それである」とは、世界のなかのあらゆるものを観察して、自分のもうひとつの姿がそのすべてのなかに映し出されていると気づくことなのです。誰もが他者を映し出している鏡です。わたしたちは他人のなかに自分の姿が映し出されていることに気づかなくてはいけません。これを「関係の鏡」と呼びます。関係の鏡を利用して、「すべて」である自己を見つけ出すのです。
 人間関係は魂を進化させる手段でもあります。この進化の究極の目標は、宇宙との一体感を肌で感じとることです。人間はひとり残らずこの宇宙の意識に含まれていますが、日常生活のなかで宇宙とのつながりに気づいたときにしか、わたしたちは大きく飛躍することができないのです。
 親、子供、恋人、同僚など、自分が築き上げた人間関係の網の目をいつも意識しましょう。心の奥深くでは人間関係のすべてがスピリチュアルな体験なのです。
 人を愛しているときは、時が止まったように感じるものです。その瞬間、あなたは不確実なものとも調和しています。あなたは最高の気分を味わいつつも、傷つきやすくなっています。親密さを感じつつ、危険にさらされたような気持ちを抱えています。この状況のなかで、人は変容していきますが、そのことに不安はなく、むしろ驚きの念を抱いています。これがスピリチュアルな体験なのです。
 あらゆる人間関係の鏡を通し、わたしたちは自分の知覚が拡大されていくのに気づきます。あなたが好きな人も、嫌いな人も、同じように自分自身を映す鏡です。あなたはどんな人に魅力を感じますか?  おそらく自分と似た性格の人でしょうが、同じというだけで好きになることはありません。その人と仲良くなりたいのは、付き合うことでその人物の特徴を自分でももっと表に出したいと潜在意識で思っているからです。
 魅力を感じる人が現れたなら、なぜその人物に心を引かれるのか、自分の胸に問いかけてください。魅力を感じたのは、その人の美しさ、気品、優雅さ、影響力、権力、知性のいずれでしょうか? 理由が何であれ、その人物の性質が、あなたのなかでまだ開花していないことを確認してください。そうすれば、自分のほんとうの姿にもっと近づくことができます。
 もちろん、嫌いな人にも同じことがいえます。自分が否定している性格を映し出している人物に対して、人は嫌悪感を覚えます。しかし、とことん見つめれば、あなたが嫌いな人物があなたと共通する性格をもっていることにきっと気づくはずです。ほんとうの自分の姿に近づこうとするとき、あなたは自分自身の嫌な面に気づき、その面に対処していかなくてはなりません。対立している価値が共存しているところに、宇宙の本質的な性質があります。心のなかに臆病者がいなければ、あなたは勇敢にはなれません。内面にけちな人間が住んでいなければ太っ腹になることはできません。悪の才能がなければ、徳の高い人間にもなれないのです。
 わたしたちはマイナス面がないかのように振る舞い、嫌いな性質をほかの人間に投影しています。知らないうちに、「ふさわしくない」人間を自分のまわりに引き寄せている人がいないでしょうか? なぜ繰り返し、そんなことになってしまうのか、彼らは気づいていません。そういった人は嫌いな人を引き寄せているのではなく、自分のなかにも彼らと同じ性質があることを認めようとしていないだけなのです。
 不愉快な人間と出会ったなら、対立するものの共存という逆説を受け入れ、あなた自身の新しい面を発見する機会として利用してください。あなたのスピリチュアリティ、自己はそれで一歩成長します。進んで自己の光と影の部分を認められた瞬間、わたしたちは自分自身、そして人間関係のどちらも改善していくことができるのです。他人のなかに自分の姿を見いだせることがわかれば、すべての人間関係が自分の意識を進化させる手段になります。
 世の中に存在するすべてのものが、あなたの心にも存在しています。このような自分のもつさまざまな面を受け入れたとき、宇宙の意識とのつながりに気づき、あなたの認識は拡大されていきます。
 
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