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 波動の真理
江本勝・著 PHP研究所
 
 
 宇宙との交信について

 最近、いろいろな人が「天の声」とか、「宇宙との交信」とかの表現で、われわれ人間の過去、あるいは未来についての物語を具体的な固有名詞まであげて、特定化され、お話をされる方が目立ってまいりました。
 多分、過去にも、そのような方がおられたのではないか、とも思いますが、最近の超常現象ブームのせいで、今まで、そのような能力を持っていることを隠されていた方々が、われもわれもという感じで、表面に現れてきたのではないかと、推察しております。この超常現象ということについて、私の考え方を述べてみたいと思います。
 基本的には、このような現象の存在そのものについて、私は肯定しています。波動のレベルでこれを捉えれば、それほど不思議なことではないからです。
 このような研究をやっていると、いろいろな人達が私の所に訪ねてこられます。その中には、生まれつき、あるいは、ある日突然、ある種の能力を持ってしまって、いろいろなことが見えたり、宇宙の彼方からメッセージが送られてきたりする。自分はひょっとしたらおかしいのではないか、というようなことを、相談に来られる方もいらっしゃいます。さらに、その能力を信じて社会的に活躍されている、表現は悪いのですが、その道のプロと称される方々ともお会いして、波動測定をさせていただいたことも何回かあります。そして、それらの体験の中から、私は彼らの脳のある部分が、一様に、波動的に大変センシティヴなものを持っていることを発見いたしました。それは、第三脳室と呼ばれる部位だったのです。
 医学書によれば、この第三脳室なるものの役割は、まだあまり解明されていないようですが、第三の眼と言われる松果体と関連のある部位であることは、間違いありません。これらの人達は、一様にこの部位の波動数値が高いことが判ったのです。波動数値が高いということは、別な言い方をすれば周波数が高い、あるいは波長が細かいということになります。
 いつも申しあげているように、AB間において、同周波数もしくは、極近似のもの、あるいはその約数、もしくは倍数同士のものとしか共鳴しないのですから、
いくら超能力をもっているからといっても、彼等が交信できる相手は、その人の持つ周波数によって、おのずと決まってくるわけです。
 一般の現代人は、どういうわけか、宇宙の何かと交信できるアンテナ基地、すなわち、第三脳室の波動レベルが、それほど活性化されていません。ですから、彼等のような体験を持ち得ないため、超常現象という言葉となってしまうわけです。
 しかし、本質的には、どんな人間も、そのようなことのできる資質を持っています。これを理解し、常に思考をその枠組みの中に置くことさえできれば、何も難しい訓練も必要なく、
いつかは己の波動レベルが引き上がり、それに見合った交信が自由にできるようになる、と私は信じています。
 問題は、
現在の時点で、いろいろある、そのような現象をどう評価し、どう自分に反映させるかという点にあります。
 結論から申しあげると、
必ずしもすべてのことが正しいというわけではないはずだ、というのが私の意見です。以前にも書いたように、「クォークとは意識のことなり」という仮説を提言しました。これを別の言葉で言えば、この宇宙は、無限に近いくらいの人々の意識によって満たされていて、それらのエネルギーによって守られているとも言えます。そして、その無限に近い人々とは、われわれのご先祖様たちであり、われわれ自身であり、場合によっては、未来のわれわれ自身であるかもしれません。
 現世において、第三脳室に宇宙と交信できるアンテナを持つ、いわゆる超能力者と呼ばれている人達は、それの持つ波長の範囲において、宇宙に浮遊する意識エネルギーと交信できることとなりますから、すべての情報と交信できるわけではないのだ、ということになります。すなわち、ある情報交換が実際に行なわれたという事実については、全く疑う必要はないのですが、その情報が真実のものであるかどうかは、現代の人間社会の場合と同じようなものとして扱うべきだと、私は考えます。もっと言えば、
宇宙にある意識エネルギーといえども、それは、われわれ個々の意識エネルギーも含まれているのですから、サタンや、罪深き人のそれも当然存在しているものと思われます。仮に、そのような意識エネルギーと同調してしまって得られた情報は、われわれを陥れるためのものである場合もあり得ると思うのです。
 以上のような見解から、
超常現象と言われている事柄のなかで、宇宙からの情報というものについては、私達はそれをすべて正しいものとして無条件に認めてしまうことは、やはり問題があろうかと思います。そして何よりも、自らの波動レベルを高めることにおいて努力されるべきでありましょう。
 
 
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