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 トーチェ氏の心の法則
 
C・トーチェ夫妻=著 長岡俊治=訳
  日本教文社
 
 意識を変えよう

 私たちが意識を変えたときにのみ、嫌いなパターンを永久に取り替えることができるのです。では、意識を変えるにはどうしたらよいのでしょう。それは当人に、自分の過去の経験の、動機とか理由を理解させることから始めます。彼の古い信念を取り除くのは、一歩一歩行なわなければなりません。私たちをコントロールしている信念のほとんどは、幼児の頃私たちが受け入れたものなのです。

 好ましいパターンと一致するように目標を定めて努力すれば、強い力で新しい意識を創り出すことができます。積極的な言葉は、特に効果的です。
 「私にはできない」とか「それは不可能だ」とか「足りない」とか「疲れた」とか「いつも‥‥で困っている」などという言葉は、私たちの意識に否定的な暗示を与えます。まじめな表現であろうと、ふざけた言い方であろうと関係ありません。
 それらの言葉が、将来、私たちがまったく予想もしない時と場所で、失敗や、困難や、疲労の状態を創り出す助けとなります。なぜなら、私たちの意識は休むことを知らず、日常生活のあらゆる分野の働きや経験を決定するからです。

 どんな場合でも、想念や、言葉や、行為のかたちで与えられた命令を、心は公平にそのまま実行しています。そして、努力して反対の方向に行動しない限り、心は単純に印象づけられたアイデアや経験によって固められたパターンを、くり返し創り出しながら、私たちを支配し終わるまで休むことを知りません。

 私たちが、他人について否定的に考えたり話したりするだけでも、その結果は私たちにふりかかります。なぜなら、前に説明したように、潜在意識は私たちの言葉のあやとは無関係だからです。言葉はすべて客観的に、正確に記録され、潜在意識のなかへと包摂されて、その性格をますます強めていきます。
 「彼はだめな人間だ」という言葉は、「私はだめな人間だ」と訳されて、話す当人の上に必ずはね返ってくるでしょう。まったくのところ、話しかける相手はただひとり、自分自身だけなのです。

 私たちの人生を変える力としては、一時的な想念が無力であるということは容易に想像できます。必要なのはまったく新しい心の状態であり、それは、ある一定の期間にわたって努力を続けることによってのみ得られるのです。
 たゆまず、集中的に暗示を行ない、新しい環境に触れていくことによって、特に若い頃には、意識を完全に変化させることができます。日頃の教育手段、つまりテレビや本や、そして異なった信念を持つ人々と交際することも、意識変革の一助となることがあります。
 もちろん、逆もまた同様です。否定的な性格の人々や教えに触れ、またそうした経験にさらされると、意識自身の純粋な力が、その人にとって不利な方向に汚されていきます。
 たとえば生まれてくる子供は皆純粋な心の状態にありますが、その子の生涯のパターンを決定する意識の心構えというものは、両親や遊び友達や学校から、そのまま学びとるということになります。
 宣教師たちが、まったくの善意から原住民に不衛生な状態を意識させてやった結果、そのことによって病気を誘発させることになるというのも明らかな事実です。中世において伝染病が急激に流行したことも、明らかに意識に関連した問題に原因があります。西部の荒くれ男たち、テレビの犯罪映画、ロックンロールの熱狂、スポーツカーやその他の気違いじみた流行の反乱についても、同じことが言えます。

 交通安全運動の場合、警告の標語が発表されると、それは不注意でいることや、殺されることを命令しているように働きます。なぜなら「注意しなさい」という言葉は、心によって「あなたは不注意です」というふうに翻訳され、さらに心の再生力によって「もっと不注意でいなさい!」というように強まっていきます。もちろん、宣伝・広告物――たとえば、衝突現場やズタズタにちぎれた人体の写真等――を見たときに生じる二次的な暗示の効果も見逃すことができません。
 
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