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 神の理性
ジナ・サーナミラ・著  たま出版
 
 人類は軍隊を持ち、軍事的破壊、環境破壊、産業公害、化学的汚染、大気汚染、水質汚染、海洋汚染、土壌汚染、人口爆発、過度の機械化等々のことを、科学技術を駆使して行なっており、全生物の生存が危ぶまれるほど地球を荒廃させているのだ。
 この危機的状況を救うためには科学と宗教の観念を逆転させることが必要かつ緊迫していることだと宇宙の訪問者は思うだろう。
 しかし、宇宙の訪問者である彼が意味したのは、狭い宗教宗派の独善的で非理性的な宗教的観念や価値観ではない。彼が意味したのは最も基本となる永遠普遍の大自然界の真理法則である。全宇宙に普遍妥当性のある洞察や視点である。
 例えば、キリスト教で黄金律と言われている「
自分が他の人からしてもらいたいことを、他の人にせよ」というようなものである。愛の観念の未発達である人間の性格や利己主義に凝り固まった性格を考慮すれば、「自分が他の人からしてもらいたくないことを、他の人には絶対するな」と言ったほうがより効果的かも知れない。
 ショーペンハウエルやシュヴァイツァー博士によれば、この宗教的ルールは人間だけではなく全生物や全存在に当てはめることが必要であると主張する。植物・動物・魚類・鳥など生命ある全ての存在と、さらに大気・水・海洋・土地など全ての存在に対してである。なぜなら、全宇宙の全存在は大自然界の大いなる生命力(生命エネルギー)によって構成されているからである。大自然界の大いなる生命力の営みがなければ、全宇宙・物質現象界そのものが存在しない。すべてはこの大自然界の大いなる生命力によって創造されているのだ。
 海も山も川も大気も全てが、本質的には私たちと同様に生命ある存在なのだ。地球・太陽系・銀河そして宇宙全体が、本質的には生命ある存在である。
 
他に与えたものは、やがて自分に返ってくる。したがって、他から自分がしてもらいたくないようなことを他に与えれば、やがて自分に返ってくる、というこのルールを「循環の理法」という永遠普遍の真理の次元まで高めて理解・認識したらよいだろう。大自然の全ては「循環の理法」によって成立している。大気・海洋・水・地球・銀河など全てが循環し、大宇宙全体が循環している。
 「循環の理法」は大宇宙の全てに通用し、全ての現象や存在に当てはめることができる永遠普遍なる真理なのだ。新しき理性の時代には、人類が大自然界の真理法則を基に生存のあり方を考える必要があるだろう。なぜなら、私たち全生物は大自然界の力と働きによって活かされて生きているからだ。
 大自然界の「循環の理法」によって、蒔いた種は必ずその通りに循環して生えてくる。麦を蒔けば麦が生える。麦の種からは麦しか収穫できない。黄金律もこの「循環の理法」に基づいた訓戒であるのだ。人間がもし大気を汚染したら、汚染した大気が人間を汚染する。「循環の理法」である。
 この大自然界の真理法則を知らずに、地球人類は今大気や海洋や土壌を汚染し続けているのだ。人類は必然的に自分たちが行なった種の結果を受けることになるのだ。
全生物に対して人間がマイナスの行ないをすれば、その結果は必ず返ってくる
 生命とは力と働きそのものである。生命はエネルギーである。生命エネルギーは「エネルギー保存の法則」によって永遠になくならないものである。したがって、私たちの生命は永遠普遍に循環を繰り返すものと推論することができる。古今東西のさまざまな宗教で言われてきた
輪廻転生という観念は、大自然界の「循環の理法」に立脚した考えである。このことを黄金律と考え合わせて、今後の人類の科学技術の使い方や行動を考えるべきだと思う。
 
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