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 スパイ“ベラスコ”が見た
広島原爆の正体
 日本と世界を支配する見えざる帝国
高橋五郎・著  学研
 
 日本の運命は決まっていた

 原爆投下を命じたトルーマン大統領は、フリーメーソン第33階級の地位にあった人物だ。彼は太平洋戦争を勝利させた勲功として、結社からミドルネーム「S」を与えられている。Sは聖書に語られているソロモン王の頭文字Sだ。
 トルーマンは、かつてアメリカはミズリー州にあるメーソン・ロッジの統括責任者を務め、同州判事を経て議会に進出、物資防衛計画を調査する上院特別委員会の委員長から副大統領に当選。その直後、ルーズベルト大統領の急逝を受けて大統領に就任。広島、長崎への原爆投下を命じている。
 トルーマンは投下直後の大統領声明で、「米将兵の徒死をひとりでも減らすためだった」と原爆投下理由を正当化した。だが、広島長崎への原爆投下のタイミングは、先にも述べたように結社の戦争スケジュールに沿って決定されたものだ。スチムソン陸軍長官もトルーマンと同じ結社員同士である。
 ところで、トルーマンの結社員仲間デビッド・ナイルズにはふたりの娘がいた。この姉妹については、少々触れておいたほうがいいだろう。娘のひとりはイスラエル政界の有力者として活躍。もうひとりの娘も、クレムリンの政策決定に関与する重要人物としてそれぞれ活躍したことで知られる。姉妹は結社員として、後のクレムリンとワシントン、ならびにパレスティナとイスラエルのそれぞれの調整役を果たしつつ、結社の目的推進に貢献している。
 姉妹は「束の間の和平の和平時間」を挟みながら、日清、日露、満州、太平洋へと続く日本の戦争を、中国、ロシア側からお膳立てをしたメンバーである。彼女たちは日本を誘導して、結社の利益を連続させる闘争管理方式を行ないつづけた。朝鮮、中国、ソ進と連合軍とのさらなる対決の連鎖の陰には、ナイルズ姉妹の活躍があったといわれる。日本の財閥会社も、結社の国際戦略活動に便乗して経済利益を追った。
 結社の悲願(アジェンダ)実現のための方法論ともいうべき戦術は、世界中に向けられている。つまり、アメリカ大統領とイギリス首相に恭順の意を表す世界諸国の政治、経済、学術、軍事ほかの社会活動を結社が規範づけているのである。
 アメリカの大統領が原爆投下先を日本に決定した時期は、1943年5月5日。先述の公式資料にそう書かれていた。この日付は結社がナチス・ドイツに投下する意志など最初からなかったことを明かした日付でもある。ベラスコのいうナチス原爆が、ロンドンやリバプールに投下されることは絶対になかったのだ。
 そも、ドイツ(ロンドンも)は秘密結社の誕生の地であり、結社のメンバー企業の本拠地でもある。そこに死の灰をまき散らすわけにはいくまい。自宅に放火する人はいないからだ。ペラスコのいう原爆の投下先が、ロンドンでもリバプールでもないのは、こんな単純な理由からだ。
 投下目標を日本に決めたのは、秘密結社の決意を世界に明かすためだ。日本は開国以前から、自民族の運命を自身で決めたがっていたと結社は考えていた。だが、結社には日本に自らの運命を決めさせる気など毛頭なかったのである。
 にもかかわらず、日本は独自の道を歩こうとした。
 結社は、かつてイエズス会の宣教師フランシスコ・デ・ザビエルを派遣して、1549年に日本最南端の小島に首尾よく上陸させている。目的は日本を支配するためだ。だが、それから400年後の1945年にようやく日本を完全支配したつもりになる。武力に頼る必要はなかったが、原爆の力、つまり結社の凄みだけは見せつけておく必要があったから、原爆を投下した。ただし、一義的にはアメリカの納税者のために、原爆の製造責任を果たし、そしてソ達に対しては威力を示すためだったのだが……。
 
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