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 日本をダメにした売国奴は誰だ!
前野徹・著  講談社+α文庫
 
 「日本は国家ではない」という発言

 平成7年、当時、中国の首相だった李鵬氏の発言をご存じだろうか。
 オーストラリアを訪問し、ハワード首相と会談した折、「中国はこれから、日本がお手本になるのでは」とのハワード首相の言葉に、李鵬首相は即座にこう答えた。
 「日本は国家じゃない。20年後には消えてなくなっているだろう」
 この発言は李鵬首相の思いつきなどではない。私は華僑のある有力者から、中国のCIAとも呼ばれている社会科学院の綿密な調査に基づいた発言ではないか、という話を聞かされた。
 事実、李鵬首相の予言が決して絵空事でなかったことは、現在の日本の衰退が示している。
 日本は国家ではない――この李鵬発言は私には十分に納得がいく。私から見ても、日本は外見上、国の体裁を整えているが、独立国とはとても言いがたいからだ。
 国家の大原則は、一に国土を守る、二に国民の生命を守る、三に国民の財産を守る。私はこれに加えて、伝統と文化を守ってこそ、独立国だとはじめて言えると考えている。
 ところが、近年の日本の政治家はこの四大原則をことごとく守ってこなかった。
 一番目の原則、「国土を守る」。竹島問題に対する政府の対応が象徴的だ。
 竹島は日本と韓国のほぽ中間に浮かび、東島(女島)、西島(男島)と呼ばれる二つの小さな無人島と周辺の数十の岩礁からなる。総面積は約0.23平方キロで、東京の日比谷公園とほぼ同じ大きさ。日本では古くから松島の名で知られ、江戸時代初期に伯耆藩(鳥取県)の大谷、村川両家が幕府から拝領し、経営していたという記録があり、現在でも島根県隠岐郡隠岐の島町の一部として登録されている。
 歴史的にも、国際法上からも明らかな日本固有の領土が、韓国の実効支配下に置かれている。
 明治38(1905)年2月、閣議決定およびそれに続く島根県告示により、日本政府は近代国家として竹島を領有する意志を再確認した。これによって国際法上でも、竹島は日本の領土として認められ、以後、半世紀近く何の問題もなくきた。
 ところが終戦後、昭和27年発効のサンフランシスコ講和条約で日本が朝鮮の独立を承認し、朝鮮でのあらゆる権利を放棄したとたん、韓国政府が竹島の領有権を宣言した。
 この暴挙を行なったのは、韓国の李承晩・初代大統領。
 李大統領は天然資源や水産物の確保のためとして、一方的に領海水域を日本よりに設定した。これが悪名高き李承晩ラインで、竹島(韓国名・独島)も、そのなかに組み込まれた。
 以後、韓国は着々と既成事実を重ね、実効支配に乗り出し金泳三政権時代の平成9年、日本では橋本内閣時代、接岸施設を建設。周辺海域を国立公園に指定し、郵便番号をつけた。現在では、韓国によってつくられた五百トン級船舶の接岸施設や灯台、ヘリポートなどができあがっている。そして、平成16年1月16日には、記念切手まで発行してしまったのだ。
 実は50年前の昭和29年にも、韓国は同様に竹島切手を発行したことがある。このときは日本政府が「万国郵便連合」(UPU)に問題提起し、「二国間の紛争となるようなデザインはUPUの精神にそぐわない」との決議の採択を得た。
 だが、韓国はこりない。確信犯的に今回も竹島切手を発行してきたというわけだ。
 切手発行の予定を日本政府が知ったのは平成15年秋。政府は水面下で処理を試みた。
 9月、総務省は韓国に切手発行中止を求める書簡を送ったのち、外務省にバトンタッチ。外務省は何度も抗議を行ったとしているが、公にしなかったのは、北朝鮮をめぐる六カ国協議を控えて、外交問題に発展することを避けたかった、という本音があるようである。
 小泉総理も「波紋を広げるとか、荒立てる働きはしないほうがいい」とおよび腰で穏便にすまし、結局、韓国は切手の発行に踏み切った。
 これに対して立ち上がったのは、元東京学芸大学助教授の殿岡昭郎さん。2月初旬、対抗措置として東京中央郵便局に竹島の写真付き切手一万シートを発行したい旨、打診した。だが、日本郵政公社は切手としてふさわしくない、外交上の問題を起こす可能性があるという理由で、発行は認められないと回答した。
 自民党の有志議員の「国家基本政策協議会」が殿岡さんの支援活動を行っているが、小泉政権は対抗手段としての竹島切手の発行を拒否する日本郵政公社の見解を、事実上、支持している。
 領土を乗っ取られる側の日本政府が、相手に気兼ねして抗議らしい抗議もしない。対して、侵略を企てる韓国政府は強気一辺倒だ。
 盧武鉉・韓国大統領は年頭の記者会見で「独島は韓国が実効支配している」と語り、日本の切手発行中止の要求に応じなかったばかりか、「自分の妻のことを、妻だ妻だと何度も繰り返さないのと同様、論争も必要ない。この問題が韓日の他分野の友好関係に影響を与えないよう無益な騒ぎは避けたい」とまでしゃあしゃあと言ってのけた。
 韓国の最高責任者である大統領が日本の領土をわが領土だと明言したのだ。本来なら宣戦布告ものの重大な侵略行為である。
 ところが、この無法行為に対して、日本国の最高責任者、小泉純一郎総理をはじめとして政治家は抗議らしい抗議もしない。与党内で大問題に発展することもなければ、野党が国会で追及することもない。なんとあきれ果てた政治家たちなのだろうか。
 島根県の澄田信義知事は「日本の領土が侵されている」と政府に何度か陳情したものの、なしのつぶてだった。
 小泉総理も「いつかは取り上げるけれど、いまはまずいよ」と言ったという。私は正直、日本は半分崩壊したなと感じた。
 一方、韓国はあくまでも強硬姿勢で、日本側が少しでも竹島の領有権に触れると、政治家、国民、マスコミが一丸となって猛抗議が巻き起こる。
 たとえば、澄田信義知事が、「わが固有の領土である竹島が韓国に不法占拠され、主権が行使できない状態はまことに遺憾だ」と述べたところ、島根県と姉妹自治体関係を結んでいた韓国・慶尚北道が反発、交流事業を即座に中断した。
 平成14年春、日本の高校教科書検定に合格した明成社の日本史Bに、「わが国固有の領上が他国の脅威にさらされている現実をみのがしてはならない。……韓国が島根県の領有権を、また中国などが沖縄県の尖閣諸島の領有権を主張している」との記述があった。
 それを知った韓国政府は、「一部日本の高校歴史教科書が近隣国家との歴史を正しく記述せず、正しい歴史認識が欠如した内容をふくんでいることを憂慮する」と即座に抗議声明を発表し、在韓国日本大使館を通じて日本政府に通達した。かたやごり押しで領有権を主張し、既成事実を積み重ねる韓国。かたや自国の教科書に口をはさまれる内政干渉を許し、領土の不法占拠を見て見ぬふりをする日本の政治家たち。竹島が名実ともに韓国にかすめ取られる日もそう遠くはない。

★なわ・ふみひとのコメント★
 
数少ない憂国の士のひとりであった著者・前野氏は既に鬼籍に入ってしまわれ、このような主張をするオピニオンリーダーはこの国からいなくなりつつあります。また、NHKや朝日新聞を初めとする主要マスコミには、既に中国や韓国あるいは北朝鮮を日本以上に大切に思う勢力の息がかかってしまっていますので、もはやどうすることもできません。
 もしいま日本の首相が「韓国は(あるいは中国は)国家じゃない」といった発言をしたらどういうことが起こるかは容易に想像できます。猛烈な抗議を受けて、日本は平謝りをさせられることになるのは間違いないでしょう。もはやマスコミだけでなく、有力な政治家といえども、命を賭けることなしにはこの現実を覆すことができないほどに、外国の勢力によってがんじがらめにされてしまっているということです。このまま行けばこの国は、領土はもちろん、国民の財産も、そして国民の命さえも守ることができなくなるのは目に見えています。中国の李鵬元首相が予言したとおり、もはやわが日本は「国家」ではなくなっているのです。
 この悲しい現実を直視したうえで、これから起こることに対しての心の準備はしておきたいと思います。残念ながら、マスコミに洗脳されてしまっている日本人の多くは、このような問題には全く無関心で、テレビのスポーツ番組や娯楽番組、はたまた計画的に作られた韓流ブームに踊らされている有様です。まさに「銃口に首を突っ込んで(いるのに気づかず)笑い転げている状態」と言うべきでしょう。「国を滅ぼすにはその国の国民を劣化させればよい」という世界支配層の謀略が見事に実を結びつつあるのを感じます。

 
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