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 改癖術
伊東明・著  マガジンハウス
 
 新聞やテレビを無防備に見る癖を改める

 テレビや新聞が報道するニュースは、世界中で起こった出来事のなかから、悪い事件をピックアップし、絞りに絞って選ばれた最も強烈にネガティブな事件が多いです。なぜなら、人は恐怖のメッセージに一番反応するからです。
 人間も動物です。そして動物は身を守るため、本能的に恐怖に敏感になります。身の危険を感じさせるような情報には意識を向け、耳を傾けるのです。当然、視聴率重視のマスコミは、この習性を利用しない手はありません。
 では、恐ろしいニュースを、心理的に無防備な状態で受け取ってしまうと、人はどうなると思いますか?
 たとえば、殺人事件のニュースを見たら「世の中って怖い。いつ殺されるかわからない」という心理が植え付けられ、リストラのニュースを見ると「安定はいつ崩れるかわからない。警戒しなくては」という心理が起こります。そして、これらは、すべて無意識下のことであり、本人はそれに気がつきません。
 さらに問題なのはテレビや新聞は恐怖のニュースを扱いはしますが、「これから経済危機が起こるので、みなさん警戒してください」とか「殺人事件が多発しているので注意してください」とダイレクトなメッセージを伝えるわけではないということ。
 ただ「こんな問題がありますよ」と紹介するだけなので、それを受け取ったほうが、自分で自動的に恐怖感を作り出し、自分に植え付けてしまうのです。
 特に、心理的に無防備になっている状態では、これが顕著になります。
 大切なのは“予防接種”をしてからテレビや新聞を見ること。まったく見るな、というわけではなく、恐怖のニュースというウイルスに対抗する免疫力をつけてから見るのです。
 たとえば、朝、寝起きにニュースを見るのを減らすのもいいでしょう。朝は頭がぼーっとしていて理性が働きにくくなっているので、心理的にひどく無防備です。
 その代わり、ハッピーな気分になれる本を読んだり、美しい自然や風景のDVDなどを見たりするのがおススメ。テンションの上がる音楽でもいいでしょう。とにかく、ストレスにならないもので、「人生は素晴らしい」「今日も頑張ろう」という気持ちを作ることが大切です。
 また、寝る前にネガティブなニュースを見たり、恐ろしい小説を読んだりすると、脳が反応して悪夢を見たりするので要注意。ネガティブなニュースは、最も気を張っている仕事中などにチェックするのが一番です。
 どうしても朝や夜にニュースを見るときは、5分だけ、10分だけと時間を区切って見るようにしましょう。チャンネルをあちこち切り替えて、ダラダラ見るのが一番危険です。
 さらに頭の中で、ニュースの情報が世の中の特に悪い部分を抽出したものであることを、しっかり意識しながら見ること。思考を働かせながら見ることで、ネガティブなものによって心が汚染されるのを防げます。
 もし、ニュースを見ながら怒りが湧いてきたり、不安にさいなまれたりしたときは、汚染が進んでいる証拠です。チャンネルを変えるなりして、情報を遮断してください。
 世の中の流れは、無害なものを躍起になって規制し、そのくせ本当に危険な暴力描写には寛容ときています。人殺しの映画がエンターテイメント、と言われるくらいです。本当に危険なものが見過ごされている以上、自分たちで防御するしかないのです。

   ★なわ・ふみひとのコメント★
 
マスコミが囃し立てて誕生させた民主党政権は、国民の期待を見事に裏切る政権でした。マスコミは今度は国民の怒りを巧妙にそらすため、自民党の復権という形で「アベノミクス」を演出しています。円安と株高を実現させたことで、いまや安倍内閣の支持率も非常に高いところで安定しています。しかしながら、安倍政権が好ましくない政策を実行するようになれば、すぐにスキャンダル暴きをして内閣支持率という意味のない調査をもとに政権基盤を揺さぶっていくのです。
 これがマスコミの「力」であり「技(テクニック)」です。そのことに早く気づく必要がありますが、毎日習慣的にテレビのスイッチを入れ、ニュース番組の内容を受動的に受け入れる癖を身につけてしまっていると、潜在意識の中がすっかり洗脳されてしまいます。多くの国民はそうやって、羊のように断崖へと導かれていくのです。そのようにマスコミに飼い慣らされることを避けるために、まずは「習慣的にテレビのスイッチを入れる」癖を改めることから始めたいと思います。
 
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