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「ありがとう」について

村田 あゆみ
 
姫路市立大津中学校 1年生 
  
  私には、心の中では思っていても、なかなか素直に「ありがとう」と言えないところがありました。
  小学3年の時、自転車に乗っていて自分の不注意で大けがをしてしまい、2カ月間の松葉杖生活をした事があります。この時、口に出して「ありがとう」と感謝の気持ちを表す事、相手に伝える事の大切さを学びました。
  冬の寒い時期だったにもかかわらず、いつも笑顔を絶やさずに登下校時の手伝いをしてくれた先生、自分の荷物だけでも重たいのに私のかばんまで「よいしょ!」と、いやな顔もしないで持ってくれたクラスメート、一から十まで手のかかる子供になってしまった私のそばにずっといてくれた両親、みんなの助けがあったから、励ましてくれたから、あの痛み、つらさを乗り越えることが出来たのだと思います。
  でもその時は、なぜだか気はずかしくて「ありがとう」と素直に言えなかったのです。今、とても後悔をしています。
  今回のけがは、「ありがとうの言葉」と「思いやりの心」が少し欠けた私への、神様からの贈り物だったのではないかと思います。
  この素晴らしい学びを忘れることなく、これから大人へと成長していく中で、「ありがとう」の言葉を大切にしていきたいと思います。

 
いのちを、ありがとう』 (クレリ20周年記念作文 入選作品集)より