フツーの人が書いた黙示録 〈カルマ編〉
身魂を磨くカルマの法則 
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プロローグ 

 ダイパニック号はいつ沈むのか?

 1億2千万人の乗客を乗せて、いま「ダイパニック号」は目的地のない航海を続けています。というより、荒波の中を漂流しているという方が正しいでしょう。
 かつては世界でもトップクラスの高性能を誇った船でしたが、いまではすっかり老朽化して、波にもまれてよたよたと揺れています。海はますます荒れ模様です。はたして乗客の安全は大丈夫なのでしょうか。
 よく見ると、船から次々と人が海に身投げをしています。病気や生活苦のため命を絶つ人が増えているのです。一方、船の中ではカジノやスポーツ、芸能やゲームなどに興じて、結構楽しそうに過ごしている乗客もいます。カジノで儲けた人たちの中には、一般の乗客とは別仕立ての豪華な個室を持って優雅な暮らしをしているようです。
 ところが、最近一部の乗客の間で「この船は海賊に乗っ取られているらしい」という噂が流れるようになりました。船が海賊の手に渡っているのであれば、彼らは乗客のことなど考えず、これから船内を好き放題に荒らし回るつもりかも知れません。抵抗する乗客は、否応なしに連行され、船底の暗い船室に監禁されるか、ひどい場合は海に投げ込まれることになるでしょう。
 はたして、この船は本当に海賊に乗っ取られているのでしょうか。
 なかなか信じてはもらえないでしょうが、この船はとうの昔から、世界の海を股にかけて荒らし回っている海賊の一味に乗っ取られていて、船長をはじめ航海士の大半は海賊のいいなりになっているのです。
 そして、間もなくこの船を、映画になったタイタニック号のように氷山に衝突させて乗客ごと沈めてしまう計画が、いま着々と進められているのです。
 それなのに、残念ながら大半の乗客はそのような恐ろしい事実に全く気づいていません。その原因は、海賊にコントロールされている船内の大道芸人や賭博師たちがさまざまな芸を披露したり賭場をひらいたりして乗客の関心を巧妙にそらしているからです。このままでは、あの映画「タイタニック」と同じように、乗客が救命ボートへと殺到する状況が訪れるのは避けられないでしょう。甲板に上がってみれば、大きな氷山が目の前に迫っているのがわかるのですが……。

 乗客は船内の遊戯施設で無邪気に遊んでいる

 とっくにおわかりのことと思いますが、「ダイパニック号」とはこの国・日本のことです。まもなく大パニックに陥ると思われるこの国のことを、タイタニック号をもじって「ダイパニック号」と表現してみました。ここで船名を普通の呼び名に戻して「日本丸」とします。海賊に乗っ取られた「日本丸」は、海賊たちの指令によって、大きな氷山に向かって航行中です。
 その「氷山」とは何を意味しているのか、あるいは「そもそも海賊とはどういう連中なのか」ということについては後ほど詳しく説明します。
 船が氷山に衝突しようとしているのに、「日本丸」の乗客である国民は、まだ間近に迫った危機に気づくことなく、毎日のどかにテレビのスポーツ番組を初めクイズやお笑いなどの娯楽番組に興じています。テレビでかくも低俗な番組が大量に放送されている国は、先進国のどこにもないといわれています。それはまさに日本国民の意識を低俗化させることを狙いとして、海賊の一味が民族浄化(家畜化)のために計画的に洗脳してきた結果なのです。
 子供の頃からテレビによって洗脳され続ければ、目の前の餌(ゲームやスポーツ、お笑い、音楽、グルメ、旅行など)のことしか考えられなくなります。日本の国全体のことや、将来のことを考える知恵はなくなってしまうのです。
 ですから、本当に怖いのは船が沈んでしまうことよりも、多くの国民がこの国の安全のことなど気にすることもなく、ただ自分の現在の幸せだけを追求する動物的な人間になりつつあるという現実こそが怖いのです。
 銃口に頭を突っ込んでいるのも知らず、無邪気に遊んでいる――今の日本国民をイメージするとこのような哀れな姿が目に浮かびます。
 銃の引き金を握っているのはアメリカだと思う人が多いでしょうが、実はそのアメリカも同じ海賊一味に乗っ取られているのです。アメリカという国を裏で操作している強大な勢力があるのです。それを仮に「世界支配層」と呼んでおきましょう。黒幕の裏にいる彼らは決して舞台の上に姿を見せることはありません。表舞台に出ているのは常に「操り人形」だけです。
 陰の世界支配層の前では、アメリカの大統領といえども、単なる操り人形でしかありません。アメリカという国は、すでに完全にその勢力の支配下に入っているからです。
 そして、かの国にとどめを刺したのが、2003年9月11日の「同時多発テロ」でした。
 あの事件を口実として、「テロ防止」という名目で国民を監視するカメラが国中のいたるところに設置され、テロの疑いをもたれた人物は無条件に拘束できる法律が施行されて、恐怖社会が完成しました。
 「9・11」はアルカイダの犯行に見せかけて、アメリカを裏でコントロールしている「陰の世界支配層」が仕組んだ自作自演の犯行であることが明らかになっていますが、当のアメリカでは、自らの足元で起こったあの事件の真相を暴く自由は全くありません。多くのアメリカ国民はその真相を知っているはずですが、それを自分の国で口にすることはできないのです。
 「平和ボケ」したのどかな日本に住んでいると、そのようなことは作り話だと思われるかもしれません。毎日、テレビでスポーツ番組やお笑い番組を見て疲れを癒している多くの日本人にとっては、どうでもいい話に思えることでしょう。その状態を、私は「銃口に頭を突っ込んでいるのも知らず、無邪気に遊んでいる」と自虐的に評しているのです。
 
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