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 ホワイトホール・イン・タイム
ピーター・ラッセル・著
山川紘矢・亜希子・訳 地湧社
 
 
 黙示録が指しているのは今か

 多くの歴史上の予言者たちが、私たちがいま直面している危機について予告しています。たとえば、北アメリカのホピ・インディアンによって何世紀も前に行なわれた予言があります。彼らは、東から白人がやってくるのを、それよりもずっと前から知っていました。「白人が馬のいらない乗り物を発明し、空の道を伝わって旅する能力を持つ」と予言していました。
 “ホピの予言”の中で、第二次世界大戦と国際連合の設立を予言していると思われる箇所もあります。別の部分では、白人がもたらすであろう大量死と破壊、土地への冒涜について詳しく語っています。
 また、核兵器をほのめかしているのではないかという箇所もあります。
 「“灰色のひょうたん”が空から落ちてきて、海を沸騰させ、地を焼き尽くし、何年も草一本だに生えないだろう」とも言っています。これは、最終段階が近づきつつあることを示しているのでしょうか。「人は月に旅し、空に都市を建設するが、その後はそれ以上は行かない」とも記されています。
 愚かさの頂点に達した時、偉大なる知恵が東方より戻ってきます。もし、人がその知恵に耳を傾ければ、意識改革が起こり人類は生まれ変わります。もしそうでなければ、すべての命にとって終わりが来るでしょう。
 この最後の部分には特に注目する必要があります。ホピの予言は、決まった未来を予告しているのではなく、私たちが選択権を持つ未来を語っているのです。そして、その選択には、精神的な変革が絡んでいるのです。
 「東方より知恵がやってくる」という考え方は、チベット仏教にも見られます。8世紀、パドマ・サムババは、「鉄の鳥が空を飛び、馬が車輪の上を走るとき、ダルマ(教え)が西へと伝わってゆく」と予言しています。
 ユダヤ・クリスチャンの伝説にも、同じような予言があります。旧約聖書の多くは苦難の時代と到来を予告しています。その中のイザヤ書、ヨエル書では、「大地はあれはて、空は闇となって、月も太陽も見えなくなる“神の日”の到来」について書かれています。これは核による大量殺りくや、油田火災、あるいは何らかの自然破壊のことを言っているのかもしれません。
 新約聖書では、イエスがオリーブ山で行なった予言があります。そこでは多くの戦いや戦争の噂、飢饉、疫病、地震の時代と、女神ウラニアの力が危うくなることが予言されています。こうした出来事は、この時代が終わろうとしているサインになるでしょう。地震の回数が最近増加しているかどうかは明らかではありません。しかし、年ごとの戦争の数は以前より増加しています。また、各地を以前よりひどい飢饉が襲っています。新しい伝染病が広がって、人々の心と保険会社を恐怖に陥れています。そして、ウラニウムの力は野放しにされていて、確かに危険が増しています。
 このような現象を、“裁きの日”が近い、あるいはイエスの言葉を引用すれば、「これらのことがすべて起こるまで、滅びることはない」というサインであると信じている人はたくさんいます。
 他の言葉で言えば、物事が熟し始めたときには急激にそうなるだろう、ということです。しかし、イエスが、将来の困難や宗教的な迫害、にせ予言者、にせキリスト等について警告したとき、彼はこの世の終わりについて語ったのではなく、“産みの苦しみ”について語ったということを思い起こすべきでしょう。その向こう側に光がある、と彼は言ったのです。
 
 
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