解体される日本
ベンジャミン・フルフォード・著 青春出版社

 世界はひと握りの人間が動かしている

  自分たちに有利なルール変更を行ない、不公正なグローバル化を推し進めている勢力のことを、私は便宜的に「闇の権力」と呼んでいる。
  このような言葉に対して、抵抗を感じる読者が少なくないこともわかっている。だが、私は長年の金融業界でのジャーナリストとしての活動や、9・11テロのねつ造問題の調査を通して、この世界には表と裏があり、ごく少数の人々の意図によって政治、経済が動かされている証拠に行き当たってしまった。
  「フォーブス」時代、日本の裏社会を追及していた時には見えていなかった、より大きな裏の仕組み。世界の経済、金融を操り、政治を動かす限られた数の人々がいるのだ。
  では、そのごく少数の人々とは何者なのか。
  簡単に言ってしまえば、アメリカによる世界支配を狙うエリート層によって結成された秘密結社だ。彼らは石油産業、国際金融資本、軍産複合体に強い影響力を持ち、政治家、官僚、学者、メディアにもネットワークを広げている。
  そして、その中核にいるのが、婚姻関係で結ばれ、相互に自社の取締役を務めている一族たち……ロックフェラー、ブッシュ、ハリマン、ウォーカーらの一族だ。
  そう、秘密結社といっても、彼らは怪しげな術や魔法を使うわけではない。
  かつて貴族たちが城に集まり、少数の選ばれた人間だけで国のかじ取りを行なっていたように、彼らもまた相互に協力し合い、自分たちの目指す世界を作るために会合を重ねている。ひとつの企業に置き換えれば、取締役のようなものだ。
  問題なのは、闇の権力が持つ力は一企業のものとは比べものにならないという点だ。
  なぜなら、彼らはドルと石油をほぼ手中に収めている。
  みなさんは、この話をハリウッド映画やエンターテインメント小説のようだと感じているだろうか。しかし、こうした知識は日本人にとって縁遠いものであるだけで、今も貴族社会が残っているヨーロッパの知識層にとっては、世界情勢を考える際の予備知識として当然のものとなっている。
  まずはドルについて説明しよう。最初に知ってほしいのはFRBについてだ。
  これまで私の著書で何度も指摘してきたが、FRBとは、JPモルガン・チェース銀行やシティバンクなどの大資本が半数以上の株を所有する私的な法人であり、単なる民間企業だ。
  日本のメディアは「アメリカ中央銀行」と紹介するが、FRBはその成立以来、現在に至るまで一度も官公庁的な組織であったことはない。
  つまり、ドルの発行権を握っているのは、一部の大資本が運営する一企業であるということ。日本に置き換えれば、日本銀行を三井、三菱といった旧財閥系の資本が運営しているようなものだ。

 
あの暗殺事件はFRB改革の阻止が目的だった!?

  この連邦準備制度という仕組みがスタートしたのは、ウッドロー・ウィルソン大統領時代の1913年。ジョン・D・ロックフェラー、J・P・モルガン、ポール・ワーバーグ、エドワード・ヘンリー・ハリマン、ロスチャイルド家の代理人であったヤコブ・シフといった財界トップたちは、1907年にロンドンで起きた金融恐慌を見て、アメリカにも金融政策を統括する中央銀行が必要だと提案。世論の理解を促しながら、その実、中央銀行を自分たちで経営できる法律を作ってしまおうと暗躍し、実現してしまった。
  ロックフエラーは法案成立後、「このお金の出る蛇口があったら、大統領の席も議会もいらない」と言ったと伝えられている。
  一方、深刻な事態であると気づいたアメリカ政府は、その後、何度かFRBを公的な機関に作り替えようと働きかけてきた。
  たとえば、ケネディ大統領は連邦準備制度の廃止を考えていたといわれ、実際、暗殺される半年前には財務省が銀行証券を発行するよう行政命令を出していた。これはFRBからドルの番人の立場を奪う決定だったが、ご存じの通りケネディは何者かの手で暗殺されてしまう。その背景に闇の権力が絡んでいる可能性は当時から指摘されているが、今も確たる証拠はあがっていない。
  現在のところはっきりしているのは、FRBが今もロックフェラーら一部の巨大資本の代表者たちの強い影響下にあるということである。アメリカの、そして日本や世界に重要な影響力を持つ通貨政策は、民意とまったく関係ない巨大資本の代表者たちの会合によって決められているのだ。
  バビロニア時代から現代まで、人間を管理するのに必要なのは穀物の貯蔵庫の鍵を握ることだった。一刻も早くお金の蛇口を取り戻さなければ、この不平等は広がり続けていくだろう。

 
形骸化しつつあるアメリカの民主主義

  アル・ゴア元副大統領が選挙について語った興味深いコメントがある。
  「アメリカで大統領や政治家になりたいなら、テレビの30秒CMが絶対に必要だ」
  世界で最も長時間テレビを見る(アメリカ)国民の票を得るには、選挙活動でのテレビCMが欠かせない。しかし、30秒のテレビCMを打つにはお金がかかる。では、誰が気前よく政治献金をしてくれるのかといえば、それはお金持ちしかいない。
  今や一般市民は生活に追われており、政治に関心を持ったり、市民同士の連帯を深めて募金活動をし、それを政治献金するような時間的余裕は失われている。日本でも同じだが、政治資金の多くは数少ない大資産家から主要な政党に流れ込んでいくのだ。
  すると、民主主義は形骸化していく。
  政治家は選挙に勝つために、市民の声よりもお金待ちの要望に従い始める。志は棚上げにして、より多くの票数を得るために必要だと言い聞かせ、金になびいていくのだ。
  しかし、現実に多くの票数を持っているのは一般市民のほうだ。そこで、選挙が近づくとお金持ちたちは民意を都合のいい方向へ動かそうと、傘下にあるメディアに影響力を行使してプロパガンダを流す。一方、政治家も口先では庶民にやさしい政治を……といったソフトな口約束をしていく。
  そのうえで、当選後にはお金持ち優遇の政策を推し進める。それがあまりにも行きすぎ、市民の怒りが大きく膨らんだ時だけ、「羊ども」にちょっとだけ餌を配る。とても悲しいことだが、アメリカや日本で「民主主義」と呼ばれている政治の実態はこんなものだ。
  アメリカの直近の中間選挙では、下院、上院ともに民主党が共和党に勝利し、日本でも自民党が後退し、民主党が大きく議席を伸ばした。しかし、この動きもまた単なるガス抜き現象にすぎないのかもしれない。
  というのも、2008年1月の国会で民主党の藤田幸久議員が日本の国会議員として初めて公の場で9・11の同時多発テロの真実を話した。ところが、この画期的な出来事を大手マスコミは報道せず、逆に批判記事が出るというお粗末な事態になっている。
  かつてFRB議長だったユージン・メイアーがロックフェラーの意図を汲んで、通貨の発行権を押さえたあと、次の標的としてワシントンポストを乗っ取ったように、闇の権力は長らくメディアを支配することを重要視してきた。この支配はインターネットの普及と技術的な発展で徐々にほころびが生じているものの、まだまだ強固なものだ。
  実際、藤田議員が国会で指摘した内容は、9・11の同時多発テロについて独自に調べようとすれば、誰もが簡単にインターネット上から情報を取り出せる範囲のものだった。ところが、大手マスコミはこれを「陰謀論」のレッテルを貼ってやりすごそうとする。
  その背景には、これ以上対テロ戦争の発端となった事件の真実を知る人を増やしたくないという権力者たちの思惑がある。すでに藤田議員の元にはいくつかの脅迫めいた連絡があったようだが、真実を語ろうとする人が抑えつけられる一方で、権力者にとって都合のいい「真実」を作り出すセンセイには金が流れる。

 
世論形成を目論む「外交問題評議会」

  サブプライムローンひとつをとってもそうだが、闇の支配者たちは自らの利益を生み出すためには躊躇しない。そして、都合の悪い指摘をする相手の声には耳を塞ぎ、しつこいようなら相手の口を塞いでしまう。
  こうした権力構造について知るための近道として、次は外交問題評議会(CFR)とビルダーバーグ会議について紹介したい。
  CFRは1921年、ニューヨークで発足。第1次世界大戦後、アメリカによる新世界秩序構築への関心を高めるため、J・P・モルガンやロックフェラーが中心となって立ち上げたシンクタンクだ。
  創立以来、この組織から政界、財界、官界、学界、メディアの支配者たちが生み出され、何人もの歴代大統領も輩出している。
  ざっと挙げるだけでも、ハーバート・フーバー、ドワイト・アイゼンハワー、リチャード・ニクソン、ジェラルド・フォード、ジミー・カーター、ビル・クリントン、ジョージ・ハワード・ブッシュ。
  また、CFRは40年代から70年代にかけてのアジア政策にも深く関与していたとされ、その当時のメンバーにはロックフェラー、アレン・ダレス、ヘンリー・キッシンジャーらが名を連ねていた。
  そのほか、FRBの前議長アラン・グリーンスパン、米日財団理事長のジョージ・R・パッカード、J・P・モルガン会長のデニス・ウェザーストーン、ヘッジファンドの大物で事業家のジョージ・ソロス、ワシントンポストの社主キャサリン・グラハム、ABCテレビのキャスターであるバーバラ・ウォルターズらもそのメンバーだ。
  このように、CFRは財界トップ、政権に近いジャーナリスト、有力研究者など、エリート層約3000人をメンバーとしており、今もアメリカの外交政策に対して強い影響力を発揮している。
  その考えは、年間5回「フォーリン・アフェアーズ」という出版物の中で明らかにされ、世界中の知識人に向けてアメリカによる新世界秩序の正当性をアピールしている。もちろん、かつてロックフェラーが議長を務めたことからも明らかなように、闇の権力者の意図を時の政府、世論に向けて発信する組織でもある。
  現政権の中枢で言えば、コンドリーザ・ライス国務長官、ロバート・ゲイツ国防長官らもCFRのメンバーであり、その影響力がいかにホワイトハウスの中にまで食い込んでいるかがわかるだろう。
  このCFRの3000人のエリートたちが、事実上のアメリカの支配者であるといっても過言ではないのだ。

 
世界の方向性を決める「ビルダーバーグ会議」

  一方、ビルダーバーグ会議はCFRよりもさらに少人数で構成される組織で、欧米の政財界、メディアの有力者を集めて年に一度、非公式に会議が開かれる。ここでもデイヴィッド・ロックフラワーは創設メンバーのひとりであり、運営委員を務めている。
  その名称は、1954年にオランダのビルダーバーグ・ホテルで最初の会議が聞かれたことに由来する。以来、年に一度だけ極秘裏に行なわれるこの会議は、その参加メンバーと討議内容から「陰のサミット」とも呼ばれている。
  参加者は約100名。アメリカやヨーロッパの歴代大統領、首相、閣僚経験者、有力国会議員をはじめ、国王や貴族といった特権階級、さらにはゴールドマン・サックスやドイツ銀行などの金融機関、多国籍企業や石油メジャーの経営者など。また、毎年大手メディアの首脳も参加しているが、討議内容を絶対に公開しないという条件を飲まない限り招待されないという。
  では、そこで何が話されているのかといえば、今後の世界運営についてだ。
  それを多国籍企業の経営者と、主に欧米の政治家が話し合うのだからきな臭い。
  たとえば、イラク戦争の前に行なわれたワシントンでのビルダーバーグ会議では、アメリカ軍によるイラク占領のロードマップの策定、戦後の処理と、そこで発生する富の分配についても話し合いが行なわれたと見られる。このように、世界のエリート層はビジネス上の儲けのために戦争をするという選択肢についても俎上に載せるのだ。
  ちなみに、かつてロックフェラーは増大する日本の世界経済への影響力を考慮し、ビルダーバーグ公議に日本人の有力者を招こうと提案。ところが、この案はヨーロッパ、アメリカ、カナダからなるほかのメンバーによって拒否された。以来、今までにアジアからの参加者は皆無。当然、世界2位の経済大国でありながら、日本人の参加も許されていない。
  これを受けて、ロックフェラーは日米欧三極委員会なる会合を立ちあげた。
  こちらは1973年から毎年開かれており、宮沢喜一をはじめとする政治家、ソニーやトヨタなど財界の有力者も参加している。現在は三極委員会(トライラテル・コミッション)という名に変わり、その概要は財団法人日本国際交流センターのサイトから誰でも確認できる。
  しかし、この三極委員会よりも上位に位置しているのがビルダーバーグ会議での決定事項だ。特権階級のみが参加を許されたこの会議は、まるで根回しをするためかのように必ずサミットの前に開かれる。
  そして、その影響力はG7や世界経済フォーラムをしのぐといわれており、毎年ビルダーバーグ会議で決定した事柄はサミットでの重要議題となり、政策決定の背景となる。2004年の会議ではアフリカの超過債務を取り消すという内方が議題になり、その後、サミットでも同じ内容が議題となっていた。
  アジアが切り離された場所で、極秘裏に彼らの思う「世界の進むべき道」が語り合われている……。それだけでもビルダーバーグ会議への違和感を感じる人は多いだろう。民意とは切り離され、分断された場所で闇の権力に連なる人々は、次なるルールをどう変えようかと話し合っているのだ。
 
なわ・ふみひとのひとくち解説 ★ 
 元「フォーブス」記者のベンジャミン・フルフォード氏はカナダ生まれですが、現在は日本国籍を取って、この国に対して警鐘を鳴らし続けています。基本的なスタンスとしてはアメリカのロックフェラーを世界の黒幕の中心人物として、その批判をくり広げていますが、ある筋から強力な働きかけを受けているのが見て取れます。要するに「百の真理に毒一つ」のお手伝いをさせられているということです。
 『世界と日本の絶対支配者ルシフェリアン』(B・フルフォード・著/講談社)の本の帯に「世界の支配者はユダヤ人ではない」と書かれていますので、この人物に働きかけている勢力がどういう性格を持っているかが読み取れます。もちろん世界支配層はイスラエルに住むユダヤ民族でないことは確かでしょう。一般的に「国際ユダヤ」と呼ばれていますが、ユダヤ民族をも隠れ蓑に使っている得体の知れない集団ということが言えます。
 そのほかにも「イルミナティ」や「フリーメーソン」「ロスチャイルド」「ロックフェラー」「三百人委員会」など、世界の真の支配層はさまざまなレッテルを貼られていますが、本当の支配者は見事に姿を隠してしまっていると見るべきです。
 表面に出ているのは、会社組織で言えば取締役会までです。会社のオーナー一族がその会社の株を独占していますので、取締役会などの経営陣には有無を言わせぬだけの権力を持っているのです。オーナー自身は決して姿を見せませんが、その息のかかった人物を社長や会長の椅子に座らせて、取締役会を完全に牛耳っていると思われます。
 「CFR」や「ビルダーバーグ」などは、オーナーの意向を伝える取締役会といったところでしょう。オーナーの意向を受けて、増えつづける世界の人口をどうやって削減するかという方策を考え、実行に移している機関と言えます。
 フルフォード氏の情報によれば、日本を初めアジアの代表はその取締役会の中にも加えてもらえないということです。そういう意味では「世界はひと握りの白人が動かしている」という方が正しいでしょう。

 
 
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