夢をかなえる「そうじ力」
舛田光洋・著 総合法令 2007年刊 

  人生を成功に導くゴールデンルール
  最高に輝くあなたを世の中に与えましょう。宇宙があなたの味方になります。

◆人に与えよ

  あなたの夢をかなえるための、この世界のしくみを説明したいと思います。
  「ゴールデンルール(黄金律)」というものを知っていますか?
  ゴールデンルールとは、「自分がしてほしいと思うことを人に与えよ」ということです。これは、私たちの人生に幸運と成功を引寄せるためには、絶対必要な法則(ルール)なのです。なぜなら、この法則だけが、宇宙に遍満する「繁栄のエネルギー」を流し込むことができるからです。

◆宇宙に遍満するエネルギー

  実は、あなたの周りには、目には見えませんが、宇宙に遍満している繁栄のエネルギーが、至るところに充満しているのです。
  この宇宙の繁栄のエネルギーを流し込むことができたなら、どんな望みも手に入り、人生をあなたの思うように動かせるのです。そんな、とてつもないエネルギーなのです。
  では、「自分がしてほしいことを人に与える」とは、具体的にどんなことでしょう?
  個人レベルで考えてみましょう。自分がやさしくしてほしいなら、人にやさしくしてあげる。手伝ってほしいなら、人の手伝いをしてあげる。話を聴いてほしいなら、人の話を聴いてあげる。
  これをもっと広げていきましょう。社会レペルで考えてみましょう。それは、「最高に輝く自分」を世の中に与えるのです。
  「最高に輝く自分」とは、自分の強みです。もっと深く言うならば、あなた自身しか持っていない、個性からあふれ出る才能を世の中に与えることです。
  自分の強みの発見は、「マイナスを取り除くそうじ力」を繰り返し、繰り返し実践している中に見えてきます。

 夢の実現のキーワード「感謝」
  周りがいるから、世の中があるから自分がいるのです。
  小さなことにも感謝してみましょう。


◆自己犠牲では意味がない

  さあ、あなたの夢の実現と、成功のために、ゴールデンルールである最高の自分を与えていきましょう。
  その時に、お願いがあります。自己犠牲的であってはいけません。偽善でやってもつらいだけになってしまいます。
  これでは、宇宙の繁栄のエネルギーとつながることができません。

◆つながるためのプラグとコード

  しっかりつながるために「プラグ」を繁栄のエネルギーに差し込みましょう。
  このプラグとは「感謝」なのです。このプラグをしっかりと差し込んだ状態ではじめて、ゴールデンルールは自動的に発動し始めるのです。
  あなたと宇宙の繁栄のエネルギーとをつなぐ「コード」がゴールデンルールにあたります。その「プラグ」が感謝なのです。
  「感謝」がなければ、「与える」ことも、「やってあげる」ということにしかなりません。周りの人がいるから、世の中があるから自分がいる。それに感謝をして、最高の自分を与えていってほしいのです。

 ありがとう空間は幸運を引き寄せる
  場所に感謝の気持ちを乗せて、感謝の磁場をつくりましょう。
  「類は友を呼ぶ」で、より善きものが引き寄せられます。


  夢をかなえるために、「感謝」というブラグを、宇宙の繁栄のエネルギーにしっかり差し込み、ゴールデンルールに基づいて最高の自分を人に与える。これを、もっとも効率よく、もっとも効果的に、そしてカンタンに、あなたが使える方法が、「プラスを引き寄せるそうじ力」なのです。
  部屋に悪い磁場ができれば、同質の悪いものを引寄せます。よい磁場であれば、よいものを引寄せます。「類は友を呼ぶ」という法則のとおりです。
  そこで、「マイナスを取り除くそうじ力」で、フラットな状態に戻したあなたの部屋に、「感謝」という磁場をつくり上げるのです。つまり、プラスがプラスを呼ぶ、「プラススパイラル」を起こすのでず。そうすれば、常に「宇宙の繁栄のエネルギー」に「感謝」のプラグが差し込まれた状態をつくり上げることは可能なのです!
  この状態で、あなたの意識は自動的に、最高の自分を与える貢献のエネルギーヘと変換されます。そして、自動的に宇宙の繁栄のエネルギーを流し込むゴールデンルールが発動され、あなたが思い描いた夢を、グイグイと現実へと引寄せることができるのです。

◆ありがとう空間に必要なもの

  用意するものは2つあります。ひとつは、感謝をあらわす「ありがとう」という言葉。
  もうひとつは、そうじで必ず使うもの「ぞうきん」です。いたってシンプルですね。
  この、ありがとうという言葉とぞうきんを用いてつくる感謝の磁場を「ありがとう空間」と名付けました。

●以下、「心と磁場の整え方」「実践!ありがとう空間」「部屋のヨゴレであなたの問題点がわかる」「「玄関はすべてに影響がでる場所」「リビングのヨゴレは家庭不和の素」「キッチンは愛情・恋愛に影響」「洗面所が汚れている人は人間関係に悩みがでる」‥‥と実践編が続きます。関心のある方はぜひ書籍を購入して「そうじ力」を確かめてください。(なわ・ふみひと)

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 特別寄稿   浅岡夢二

 そうじ力は「場」と「心」のよい共鳴を生み出す

◆心と場所からの画期的なアプローチ

  最近、「そうじ力」がブームだそうです。もちろん、舛田さんの一連の「そうじ力」本が火付け役だと思いますが、以前から「そうじをするとよい効果がある」ということは、鍵山秀三郎さん、斎藤一人さん、小林正観さん、浅見帆帆子さん、最近では、佐川奈未さんもおっしゃっています。また、風水からの視点で、ある場所をキレイに保つと運がよくなる‥‥というのも人気のようです。
  しかし、そうじ力が画期的なのは「心の力」と「場所の力」を併せた効果で、幸運を呼び込むという解釈をもちいている点です。

◆物質の「波動」が磁場をつくる

  磁場というのは、エネルギーに満たされた場所のことです。欧米での精神世界の書物の中では、「エネルギー・フィールド」という言葉で表現されます。
  例えば、瞑想をする場合に場所を決め、また時間も決めると瞑想に適したよい磁場ができ、瞑想に深く入っていくことができると言われます。そこの磁場に入っただけで、実践者と場所の相乗効果が生まれるのです。また、教会や神社などパワー・スポットと言われる場所は、信仰心をもった人達が集まるために、その場所に入るだけで、世俗から隔絶されたような清浄な気持ちになることがあります。このように、磁場は人の心と場所との相互作用によって生み出されると考えられています。
  この磁場をつくる人の心、場所の持つ力は、「バイブレーション」・「波動」という言葉によって表すことができます。「気」も波動の一種と言えるでしょう。
  地球上の人間や動物、植物を含むすべての物質は、「原子」の集合体「分子」で構成されています。原子を構成する電子の「回転運動」が波動を起こします。そのためすべての物質は、それぞれ固有の波長を持つ波動を発しているのです。もちろん自然の光や音、人口の電波やX線などの電波もすべて波動を発しています。
  また、波動は音のように共鳴現象によって伝わります。共振・共鳴というのは、わかりやすく言うと、楽器のトライアングルを2つ並べて、ひとつだけ叩いて鳴らすと、もうひとつも鳴りり出すということです。振動が空気を通して伝わるのです。
  つまり磁場というのは、人の心のバイブレーションと、場所(もの)の物理的なバイブレーションが共振・共鳴してつくられているのです。
  そうじ力では、まず、換気をしてゴミを捨てヨゴレを取り、塩で浄化しますが、これは、場所のバイブレーションを変え、心に変化を与えるということです(マイナスを取り除くそうじ力)。
  そして、今度は「ありがとう」と言って感謝のバイブレーションを場所に染み込ませます(ブラスを引き寄せるそうじ力)。心のバイブレーションで、場所のバイブレーションをさらに高いものに変えるのです。そして、この心と場所のバイブレーションの相互作用によって、成功を実現するということなのです。

◆ゴールデン・ルールを磁場に落とし込む

  「自分がしてほしいことを人に与える」という、成功と幸運を引き寄せる法則である「ゴールデンールール」が出てきますが、これは普遍的な法則です。宇宙にもともと存在している法則ですが、イエス・キリストやブッダのような人類の先生のような方が言語化してくれています。
  イエスが聖書の中で述べているのは、「人にされたいと思うことをしなさい。されたくないことはしてはいけない」ということです。また、「求めよ、さらば与えられん」ということも言っています。その時に自分のエゴでやってはいけないのです。
  一方、ブッダの教えの中に「縁起の理法」というのがあります。これはジェームズ・アレンで流行った「原因と結果の法則」です。よいことをすればよいことが起こって、悪いことをすれば悪いことが起こるということです。
  舛田さんはこのゴールデンールールと、磁場を結びつけたのが非常に画期的だと思いました。ありがとう空間をつくる際に、ます呼吸を整え、一定の決まった拭き方をします。そしてカタチから入ってもいいと舛田さんは言っています。これは、気功と同じ原理でしょう。太極拳や盆踊りと同じだと言えます。呼吸を整えながら単調なゆっくりした動作を繰り返すことで、人は変性意識に入っていくのです。つまり瞑想状態です。
  通常、人の表面意識というのはエゴに支配されています。このエゴは物質世界を生き抜くため、「自分がよければいい」という利己主義が強いのです。しかし、深層の変性意識では、人はみんなつながっていると考えられています。これは、心理学者・精神医学者ユングが提唱する「集合的無意識」でも説明されます。ちなみに、最近よく言われる「意味のある偶然の一致」であるシンクロニシティ(共時性)もここから出てきています。
  このように変性意識では、自分と他人の区別がなくなるため、利他の想いになるのです。つまり、ゴールデン・ルールである「自分がしてほしいことを人に与える」という法則が自然に発動されるということです。
  この想い=波動・バイブレーションの心が、場所に伝わり、繁栄のエネルギーを引き寄せる磁場ができるということです。
  このように、そうじ力というのは、とてもよくできた成功法則だと思います。マイナスを取り除くそうじ力で、場所から心を変え、そして、プラスを引き寄せるそうじ力で、心から場所を変える。心と場所の相互作用により人生を好転させるという、もっともカンタンで誰にでもできる方法なのです。
 
 ★ なわ・ふみひとのコメント ★
  いま、聖書などに著されている「世の終わり(終末)」を迎えていると思われる状況が私たちの身のまわりにあふれています。異常気象が世界中に蔓延し、悪化する一方の地球環境。不穏な世界の政治・経済情勢。国内においても、次々と明らかになる行政や大企業の不祥事。また異常な犯罪が多発し、治安や社会秩序の乱れは目を覆うばかりです。そのような状況認識に立ちながらも、「自分の身のまわりをきれいにして夢をかなえましょう」という一見「我善し」ともとれるような内容の書籍をご紹介しました。その心は、「浜までは 海女も蓑着る 時雨かな」ということです。
  終末のカタストロフィーを目の前にして、いまだに自らの幸運を乞い願う気持ちからはそろそろ卒業すべだと思いますが、「感謝」の実践として「身のまわりをきれいにする」ことは素晴らしいことです。「最高の自分を発揮する」ことで世の中に貢献する――という著者の考えにも賛同できます。乱れの進むこの世界を嘆くのでなく、広い意味での世直しの一環として、「そうじ」を通じて自らの心の浄化をはかることは意味のあることでしょう。
  「掃除」と「運」の関係を処方する本はたくさん出版されていますが、私は、類書の中でも舛岡氏の一連の書籍がもっともお勧めできると思っています。
 
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