弥勒降臨
彩 明日迦・著 KKベストセラーズ
1997年刊

 「選ばれし者」の恍惚と不安と幻想と

 「終末」の不安と恐怖、その裏返しとしての期待と希望、そして好奇心‥‥。
 「ハルマゲドンの戦い」を世界の「終末」と結びつけ、それを世界最終戦争と捉えるのは、その戦いにおいて自分、あるいは自分たちだけは最後に勝利を得て、「終末」を乗り越えようとする願望と欲望を託してのことであり、単にエゴイズムである。
 そして、予言や黙示録が恐怖と不安を煽り立てれば立てるほど、それを乗り越える「選ばれた者たち」の希望=幻想を高揚させるものとなる。
 実際、ヨーロッパに最初の千年期末であった999年は、終末の年として不安と恐怖、期待と希望をもって迎えられた。
 世界の終末が紀元1000年を期して到来するとの信仰は、もともと1世紀末に遡る。最終期のキリスト教徒の間では、自分たちの生存期間中に世界の終末が到来すると堅く信じられていたのである。
 彼らにとって「終末」は単なる破滅の時ではなかった。
 破滅するのは今の悪しき世界であり、これに代わって新しい完成された世界が実現する。自分たちを苦しめている今の世の悪人たちは裁かれ、断罪され、自分たちは本来あるべき勝利と栄光の座に着くであろう‥‥。
 彼らにとって、「終末」は希望の時だったのである。
 しかし、999年にしろ1999年にしろ、それは誤謬に満ち満ちたキリスト紀元とされる暦法上の計算にすぎないものである。
 破壊願望が渦巻いている。
 その結果、「ミロクの世」「千年王国」が訪れるなら、生き残った人は万々歳というところだろうか?

 反弥勒の神話  [TOP]

 アーリマンはこの世界を離れたが、少し後にさらに多くの仲間をかき集めて戻ってくるであろう。今いる人間たちが最悪の混沌状態を作り出そうとしているこの危機の時代に、これが十分起こった時に、アーリマンは世界政府を作ろうと、苦しむ人類の救世主を装って再び戻ってくる。これは元々、オリオン帝国が惑星侵略の際に使っていたパターンである。そうした目的のためにこれらの者たちが使ってきた手であり、より進んだやり方が同じ方法で一つ一つ惑星上で使われている。
 これらの勢力に屈する以外の選択をも認識できるよう、人類に今働きかけつつある力の性質を理解するために、これらの否定的勢力を見つめる必要がある。惑星地球は混沌状態に向かっている間、同時に霊的に成長しつつある。暗黒の地の間に光が芽生えつつある。世界には暗黒世界のばらまく虚偽を受け付けない、もっともっと多くの光を広げようとしている人々が沢山存在するのである。
 ――ポール・ショックレー・リーディング(『アクエリアス革命』)


 予言推進者という名の愚者とその愚かな結末

 黙示録的世界観では、この世は悪が支配しているという。ゆえに、信徒は苦難の中で生きることになる。しかし、やがてこの世が終わり「善=信徒」は救い出される‥‥というドグマを信仰する。
 戦乱や天変地異、異端の出現はその前兆である。
 そして、彼らはいう。
 「終末の日が近い」――と。

 しかし、預言(予言)は当たったり、外れたりする。
 預言が成就するとは、受動する側にとっては預言された通りに歴史が運んでいくことをいう。
 が、神の計画の推進者からすれば、預言された形に歴史を導くことである。
 〈彼ら〉にしてみれば、それが神の意志に適った、賜与された役割に基づく行動原理となる。
 神の意図するところをことごとく、完全に成し遂げること。
 神の意志の具現はつねに最高の状態で成さなければならないのであり、その神の行為の一部を代行できる自分たちの使命が、〈彼ら〉にとってはこよなき光栄なのであり、また生への意欲のすべてでもある。
 預言――それは、アーリマン(=666、オリオン帝国)の精密な地球支配計画によるもの。
 すべてはそれに従い、時を定めてプログラムを追わねばならないものだ。これを天の命という。神意というのはただ人間の精神が生み出した抽象概念ではないのだ。
 あたかもすべてが予め定められているかのように、それらは起こる――起こされるが、その背後には預言を推進し、達成させる組織と勢力がつねに存在しているのである。
 〈彼ら〉が、自らを歴史の作り手と自負する気持ちもわからなくはない。
 しかし、そのシナリオを用意した者たちの思惑を超えて、預言された事象のエネルギーは一人歩きに進行し、やがては暴走し、世界と人類を巻き込んで現代にそのクライマックスを迎えようとしている。
 〈彼ら〉はその結末をどのように収拾するというのだろうか?

 バーコードは666(ミロク)の刻印

 バーコードには3つの6――666(ミロク)が隠れている。
 現在あらゆる商品につけられているバーコードを観察すると、両端と真ん中にバーの形で必ず6が入っているのが確認される。つまり、パーコードには666が隠されているのである。
 鬼塚五十一氏によれば、「バーコードには、黙示録の獣の数字“666”がはめ込まれており、世界支配をもくろむマイトレーヤと、それを背後で支援するフリーメーソンは、全人類を管理すべく、バーコードによる総背番号制を実現させようとしている」という(『悪魔の世界支配戦略』)
 666(ミロク)とはバーコードであり、「国民総背番号制」の象徴である。
 現在、アメリカでは電子マイクロチップ識別装置が開発されているが、これは長さ1センチ、直径2ミリほどのガラス管でできていて、中にアンテナコイル、キャパシター、マイクロチップが入っており、すでに動物用に実用化されている。
 この電子マイクロチップ識別装置は人間の親指と人差し指の柔らかい部分にも埋め込むことができ、そこにその人の預金残高や身分証明、運転免許などの個人情報をインプットできるという‥‥。
 1996年11月1日、「国民に10桁番号」法案化のニュースが報じられた。
 住民台帳をもとに年金の個人番号制をとることはすでに施行されてしまったが、是を全国に拡大し、全国民の氏名、住所、性別、生年月日から税金、年金、諸免許などの個人情報をコンピュータで管理するという。
 国民総背番号制である。
 これはやがて全国民をバーコードで管理・識別する第一歩となる。
 これによって、そう遠くない未来(自治省は2000年の導入を画策している)にカードがなければ食料も物も買えない日が訪れることになった。
 この後、天変地異や凶悪犯罪が多発し、危機管理のために必要だと説明されれば(あるいは強制的な処置がとられるか?)、その時、私たちが愚衆のままなら支配者たちの意図にまんまとはまってしまうことになるだろう。
 やがてカードがマイクロチップに、そしてマイクロチップがレーザー刺青に取って代わられる。
 これが弥勒(666)の刻印である。

 1974年、霧のブリュッセルにて‥‥

 第二の獣は、獣の像に息を吹き込むことを許されて、獣の像がものを言うことができるようにし、獣の像を拝もうとしない者があれば皆殺しにさせた。また、小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分の者にも奴隷にも、すべての者にその右手から額に刻印を押させた。そこで、この刻印ある者でなければ、物を買うことも、売ることもできないようになった。この刻印とはあの獣の名、あるいは数字である。ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は666である。
 ―― ヨハネの黙示録 13章15〜18節


 「獣が右手か額に刻印し、その刻印がなければ物も買えない」というのは、国民総背番号制を敷くバーコードで管理国家(コンピューター支配国家)を意味する。
 世界中の人々は、右手か額に獣の数字666を刻印され、この刻印のない者は、物を買うことも売ることもできないようになる(額は知性と理性を、手は自由意志を象徴する)。
 すべての人間は、666の数字からなる番号によって、がんじがらめに管理される。
 マイトレーヤは、世界中の一人ひとりに番号(パーソナル・コード)を付して、超大型コンピュータで管理、独裁世界政府を築き上げる‥‥。
 このコンピュータにより世界人類を管理するというプランは、1974年、EECの本部ベルギーのブリュッセルにおいて、EECの指導者、オブザーバー、科学者を召集した重要会議で決定されたという。
 その目的は、地球上のすべての人間に番号付けをするというもので、その管理に選ばれたのが「セルフ・プログラミング・コンピュータ」である。
 それは、EECの行政管理ビルの「コモン・マーケット・アドミニストレーション・ビルディング」の1階から3階までを占拠しており、その巨大さゆえに“獣(ビースト)”と呼ばれている。
 そして、この時よりEECのヨーロッパ共通市場に出回る商品マークには、すべて666の数字が刻印されるようになった‥‥。
 諸外国ではすでにIDカード(身分証明カード)が導入されて久しいが、それはやがて国家単位を超えて、世界IDカードとなるという。
 カード犯罪は現在世界で激増している。もし、世界IDカード制度が実施され、このままカード犯罪が続けば、カードの機能を一人ひとりの皮膚に移しかえるという動きに導かれることになるだろう。
 その技術はすでにIBMによって開発されている。
 IBMが開発した人間の皮膚細胞にコードを刻印することが出来る機械をレーザー・タトゥ・ガン(レーザー刺青銃)というが、これは元々は魚類に印をつけるためにワシントン州立大学のR・K・ファールレール教授が開発し、IBMが実用化したものである。
 このレーザー・タトゥ・ガンでバーコードを打ち付けると、目には見えないばかりか、皮膚には何の支障も与えない。
 すでにこの技術は革新的に進み、後は稼働を待つばかりだという。

 神様が降りてくる夜

 イルミナティは現在、国際経済システムを破壊し、世界のすべての強力な政府の混乱や失墜を引き起こそうと企んでいる。そして、カオスが最高潮に達した時、外宇宙の高次生命体とのコンタクトが告げられるだろう。
 〈彼ら〉は、地上に超人や恵み深き救世主的存在として出現する。
 大衆は〈彼ら〉を救済者として受け入れ、〈彼ら〉の悪の本性については認識しない。〈彼ら〉は一見、私たちの世界を救うためにやって来るように見えるが、実際は新しい権威と支配の形態をつくり出すことがその真の目的である。
 そもそも混沌――あたかも救済が必要であるかのような状況――を作り出そうとしているのが〈彼ら〉なのである。

 天界で争いがあるんだよ。高次知性体が誰であれ、彼らはみな同じチームに属しているわけじゃないんだ。
 ある者たちは、あなたたちの進化をより高いレベルへ導こうとしているし、またある者たちはあなたたちが今いるところから動かないままでいることを望んでいるんだよ。
 いくつもかのスピリチュアル・グループやロッジ、および個人が、人類の進化の加速を望む知性体と共働している一方で、他のいくつかのスピリチュアル・グループやロッジは、あなたたちの覚醒レベルを動物程度に止めておきたいと願う知性体と共働しているんだ。
 それぞれのチームにはそれぞれの目的があって、それぞれが相互に関係し、影響しあってるんだ。

 宙の周期――オクターブの法則

 宇宙は螺旋構造を描いている。それが時空――時間と空間を現している。
 螺旋は無限の象徴である。
 螺旋状の1回転は1つの周期の完結であり、同時に新しい周期の出発点である。
 宇宙にはこの螺旋運動の繰り返しによる壮大な「宇宙暦」が存在すると神秘学者たちは主張する。
 すべての存在(意識)は“7”という数を基本にして、螺旋状に進化の階段を昇っていく。
 この1サイクルを「周期」という。
 それはドレミファソラシ(ド)――オクターブの法則である。
 これまで人類は三次元地球の物質密度という周波数帯で生存してきたわけだが、その周波数が現在加速的に上昇している。
 周波数が上昇していき、それがある臨界まで達すると、そこには1オクターブ高い世界――今まで見えなかった宇宙(ハイヤー・ユニバース)が存在している。
 そこに私たちの地球が調和して接近していき、ある時に共鳴(周波数同調)すると、一瞬にしてポーンとジャンプして1オクターブ高い周波数帯に移行する。
 
 1989年7月9日のハーモニック・コンバーション(調和的転換)の時に地球を覆う密度波のヴェールが取り払われて以来、銀河の中心から高次のエネルギー――高次元の光が絶え間なく地球に注がれてきている。
 そして、その光は私たちの意識の目覚め、私たちの意識の進化の度合いに応じてそのエネルギーを絶えず増大させ、錬成させている。
 その光は創造と変革のエネルギーを地球にもたらし、私たちの肉体と精神を貫いて、私たちの内部に飛躍的な進化と覚醒を引き起こす‥‥。
 が、その臨界点に達するまでは共鳴は起こらないので、一見何の変化もないように見える。今までと同じ(ように見える)世界が続く。

 Gの光線――フォトンの流れの中で‥‥

 私たちの太陽系は現在フォトン・ベルト(光子帯)と呼ばれる銀河のエネルギー領域を運行している。これは地球科学でも観測されている天体現象である。
 フォトンは特殊な光――高次元のエネルギーである。それは人の進化――人の身体の変容と意識の覚醒に影響し、それを促進する“光”である。
 フォトンは少しずつ、徐々に、静かに私たちの内奥部――核にまで浸透していく。
 そして、私たちの肉体を原子のレベルで変化させ、変容を促進させる(人の細胞の変成)。
 銀河の中心から訪れる光によって、現在地球の三次元世界の密度が薄らみつつあり、これまで私たちを束縛していたあらゆるものがより解除されやすくなっている。
 自己と他者を隔てていたすべての障壁がどんどん薄くなって、根元の光に向かって一つに融合しつつある。

フォトン・ベルト
 銀河の中心から発せられる黄金の光の帯。地球と太陽系は26000年(正確には25860年)ごとに訪れる水瓶座時代にフォトン・ベルトに入り、その影響で新しい進化の段階を迎えるという。

 黄金の水瓶座時代の到来

 新しい時代がはじまろうとしている。
 近い将来、政治や経済などの社会制度に先んじて、科学や芸術などの分野において、人類は「意識の共時性」を呼び覚ますことになるだろう。
 地球人類の思考とその選択の結果としての行為が、コスモスに存在する無数の生命現象にも影響を与えている。
 私たち一人ひとりの覚醒が地球の進化(意識の覚醒と変容)に参与し、太陽系の進化に参与し、さらには銀河系宇宙の進化にも影響する現れとなる。
 人類の精神構造が、春分点の在泊星座との深い関係があり、気分や情緒が惑星の動きに感応している事実も、いずれ科学的に証明されることだろう。
 私たちの潜在意識はすでに、確実に、新しい時代――黄金の水瓶座時代と到来をキャッチしている。
 それは同時に、遙かな太古にプログラムされ、ある理由によって封印されてきた遺伝子の情報が目覚め、起動することを意味する。「進化」とは、遺伝子の歴史的展開なのである。

 完全なる自発性の覚醒による意識の進化。
 新たなる次元宇宙への展開。

 陰陽のベクトルは二重螺旋を軋ませながら、光の極性は分離から統合へ向かい、そして位相の転位・完結を見る。
 こうして、進化のスパイラル(螺旋運動)は一つの周期の完成の時を迎え、人類はスパイラル・アップしたステージに上昇し、再び新たなる進化と創造がはじまる。
 陰陽の二重螺旋エネルギーはこの後さらに加速し、人心を軋ませながらも新しい時代の扉を開くことになるだろう。

 一体、これから何が起こるんだ?
 素晴らしいことだよ。

 今、地球に生きているということ

 宇宙からのエネルギーは常に地球にやって来ており、地球のエネルギーもまたつねに宇宙に向かって発せられている。
 宇宙から注がれるエネルギーと地球のエネルギーは私たちの肉体と精神の中で融合・錬成され、私たちの内奥に眠る光(核)を目覚めさせる。
 光は電磁波の一種だが、同時に粒子としての性質をあわせ持つ。原子を構成する素粒子も同じようなものであると量子力学は教える。つまり、波動が粒子を構成しているということである。
 そして、その振動周波数が上昇し、地球そのものが進化するというわけである。
 今、地球は次なるステージに静かに移行しつつある。それは私たち人類にとっては意識の進化の次の段階を意味する。
 今、人類は個人意識を超越して地球意識という進化の段階に差しかかりつつある。
 それは「地球ガイア論」を単なる知識ではなく、実感として認識することを通して、血肉として体現することを通して達成される意識である。
 が、意識の進化が人類の集合レベルで起こるには、一人ひとりの意識の覚醒が進み、それが人類全体の意識としてある臨界点に達することが必要である。
 その移行期には様々な摩擦が生まれる。すべての人がおしなべて同じ速度で意識転換をしていくわけではないからである。
 そのプロセスにおいて、個人・法人・地域・国家‥‥のあらゆるレベルで短期的視野に基づく反動的動きが起こってくるだろう。
 地位・権限・利権・既得権・余録‥‥など、ありとあらゆる権益確保のための利己的・保身的行動や組織の自己防衛行動がそれにともなわれて現れてくるだろう。
 それがますます移行期の混乱を大きくすることになる。
 移行をスムースに進めるには、各個人レベルでの意識の目覚め、一人ひとり全員の意識の変革と調和が不可欠である。人類という総体は個人を通して現れる。全体の成長は個人を通してこそ達成される。一人ひとりの成長こそが(結果として)地球と人類の、ひいては銀河系宇宙の進化に貢献することになる。
 やがで新しい意識が人々の心の中に目覚め、観照の領域が深まり、思考と感性の水準が新たな次元へと飛翔するだろう。
 こうした進化のプロセスの一環として、私たちは今、地球に存在している。
 そのプロセスに参与する者として、私たちは今、地球に生きている。

 地球が静思する日

 だが、人は切迫しないと危機感を持たないようにできているのだろうか?
 その一歩手前で悲観する人と楽観する人に分かれ‥‥その一方で地球はそんな人々を棲まわせながらただ黙々と自らの道を行く。
 できることはした方がいいけれど、悲観も楽観も表裏一体、紙一重。だから、どちらに溺れようとも、それはそれでとても人間らしいことだとも思う。
 しかし、2001年までに、人類の意識に大きな変革が起きなかったならば、環境破壊や人口爆発によって、地球のそのものが非常に苦しい状態に陥ることはもはや明白である。
 その場合、地球の問題は人類の思惑を離れ、地球自身の問題となる(母子ともに危険な場合は、母体の安全が優先される)。
 その時、地球は自ら人類に関して最終的な選択を迫られることになるだろう。
 バーバラ・アーシニアックは、プレアデスの意識体からのメッセージとして、次のように伝えている(『プレアデス+かく語りき』)。

 もしも、人間が変わらなければ、すなわち、人間が価値観を転換し、地球がなければ人間は存在できないのだということを悟らなければ、地球は自らの通過儀礼のために、またより高い周波数を求めて、大掃除することになるでしょう。この大掃除によって、地球のバランスが再び回復されることになるでしょう。
 ある日の午後、非常に多くの人々が一挙に地球を離れることになる可能性があります。たぶん、そのようなことがあれば、人々は、現在地球でおきつつあることに目を開くことになるかもしれません。これまで、あなた方に刺激を与え、励まし、地球的な変化を起こさなければならないことを悟らせようとさまざまな出来事がありました。さまざまな草の根の運動が非常な勢いで広がることになるでしょう。地球で何が起きるかは、一人ひとりの人が変化する気持ちがあるかないかにかかっています。

 地球が変化をとげる時期に地球を離れていく人々は、もはやここには適さない人々です。彼らは地球の調和を乱している人々です。一度に2千人の人々が地球を去るときがくると、地球にとどまる人々の意識に非常に大きな転換が起きるでしょう。多くの人々がなくなると、それは残された人々の意識に衝撃を与えます。

 地球がシフトするとき、すべての人が同じ体験をするということはありません。破壊を体験する必要のある人たちは、地球のシフト、ないし地軸の転換を破壊によって体験するでしょう。それは、彼らが新しい周波数に適合していないからです。より高い周波数を保持する用意のできている人たちは、周波数のシフトを体験するでしょう。
 したがって、ある人たちにとってはそれは生命の終わり(彼らの理解しているところでは)であり、破壊そのものの体験であるでしょうが、ある人たちにとっては素晴らしい喜びに満ちた体験となるでしょう。全ての可能性があります。
 思い出してください。あなた方は思考の結果として現れる象徴的な世界に住んでいるのです。外に現れる世界は、あなたの内部で進行していることをあなたに現してみせてくれているのです。ですから、世界が破滅するとするならば、それは何を現しているのでしょうか。新しいシステムとエネルギーを勃興させるために、内部にあるものを崩壊させているという意味にほかなりません。


 すべてが崩壊しつつあるように見えながら、真実は、世界そのものがより高次の次元世界へと進化しているのである。

 進化した地球はアストラル存在となり、さらに‥‥

 地球がアストラル的な存在になる。
 それため、地球はアストラル的存在にそぐわない物質的な部分を自らの外へ放出する。重い衣を脱ぎ捨てるわけだ。
 この意味において、現在の状態の、物質的地球はその時には存在しないのである。
 これが「終末」の真義である。
 「終末」とは、「古い終わり」の終わりであり、「新しいはじまり」のはじまりなのである。地球がアストラル進化(次元進化)する時、地球はアストラル存在にそぐわない物質的な部分を代謝・放出する。
 その時、地球のアストラル進化についていけない人々(その周波数に共鳴できない人々)はどうなるのだろうか?
 空蝉――。
 物質の残滓のような地球に取り残されることになるのか?
 それとも、原子に還元されたまま悠久の時を宇宙空間で漂うことになるのだろうか?次の宇宙の創造のはじまる時まで‥‥。
 消滅――。
 熱を持たない光球の中で‥‥。
 クォークと呼ばれるエネルギーに還元されるといわれる。
 進化を拒否し、物質の中に固執する者たちは、“生滅”――物質の精製と消滅の中に取り残されることになるだろう。
 しかし、「終末」は終わりではない。それは、より高次の世界に向けての「変化」であり、新しい「はじまり」なのである。
 この度の大転換によって、地球は進化の螺旋を上昇し、アストラル的存在になる。
 さらに地球の霊的進化はその後も進み、やがて最終的には完全な霊的な惑星へと羽化していく‥‥。
 進化は螺旋的なプロセスを辿っていき、次第に収束しながらある一点を目指していく。 やがて、私たちは透明な意識に覚醒し、自らが光を放つ存在となるだろう。

 新しいコスモス、新しい人類

 人類の精神こそが地球進化の目的であり、極である。
 宇宙が誕生し、存在し、進化を続けているのは、物質から生命へ、生命から精神へ――その進化の極に出現した人類が完全に成熟するところにその目的がある。
 すれば「終末」とは人の精神がより高い次元の完成へと向かうために通過する産みの苦しみではあれ、決して破局や、ましてや破滅ではない。
 人類の誕生と進化こそが宇宙意識の目的であり、宇宙の意思そのものだからである。
 物質から生命へ、生命から精神へ、地球進化の頂点に立ち、さらなる高次元への進化と完成へ向かう――それが人類の存在理由である。
 私たちは今、新しい意識の覚醒の臨界へと向かっている。
 
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