人生のいやな出来事に
お礼を言いましょう
2020年6月22日(月) 
 
 
 今回も拙著『日本沈没最終シナリオ』(たま出版)のなかの「覚醒編」の内容をご紹介します。
 前回に続き、過去の「悪想念」の在庫を一掃する方法を述べていきます。

 思い出したくない嫌な出来事を思い浮かべて、お礼を言いましょう。

 失敗したり、恥ずかしい思いをしたり、願いが叶わないといった、もう思い出したくもない出来事はありませんか。悲しかったこと、辛かったこと、苦しかったこと、残念で後悔するような過去の出来事があれば、もう一度思い出のテーブルの上に登場させて、再点検してみましょう。
 その嫌な出来事の原因はあなたですか、それとも避けがたい状況だったのでしょうか。誰のせいにもできなくて、自分を責めたり、自分の不運を嘆きたくなるような過去の出来事があるならば、間違いなく天の蔵に善くないカルマを積み上げています。
 もしそれが仕事上の失敗であれば、そのカルマは場所や立場は変わっても、似たような仕事の失敗という形であなたの人生にたびたび登場しているはずです。例えば職場の人間関係がうまくいかなくて仕事を変わっても、新しい職場でまた同じような人間関係で悩む人が多いのは、善くないカルマを引きずっているからです。職場を変わるごとに人間関係の悩みを引き寄せ、そのたびに天の蔵にカルマを積み上げていくということを繰り返すのです。この悪循環を断ち切る方法も前項と同じです。人を赦すのと同じように、過去の嬉しくない出来事を赦し、お礼を言うのです。
 お礼を言う理由は、その出来事はあなたの身魂の弱点を気づかせ、努力の方向を示唆しているからです。人間関係のもつれや仕事上のトラブルは、必ずあなた自身のカルマすなわち「心の癖」が作用しています。不満癖、批判癖、自慢癖、いらだち癖、人を見下す癖、得をしようとする癖、自分の手を汚したがらない性格、などの弱点がないかどうか、じっくり点検してみてください。人や環境はそれに気づくようにと教えてくれているのです。


「思い出したくない過去の出来事を思い出のテーブルに載せろ」とは、なんとひどいことを言うんだと思われたかも知れません。
 苦い思い出はできるだけ思い出のスクリーンには映さずにそっとしておきたいのが人情でしょう。でも、それは知らない場所で病原菌を密かに育てているようなものなのです。つまり、善くないカルマが奥の心(無意識)で増殖しているということです。
 私たちは他人を裁くのと同じように自分の過去も裁いています。つまり、善い過去と悪い過去に判別し、悪い過去については「失敗」「敗北」「屈辱」といったレッテルを貼って記憶の奥底に葬ろうとします。思い出すたびに気持ちが沈んでしまうからです。
 成功体験だけを思い出して自分を元気づけるのがプラス思考だと考え、マイナスとなる思い出は忘れ去るのが正しいと思っています。
 カルマの法則からすると、それは間違いなのです。自分がマイナスと判定した過去をそのままの評価で忘れ去ることはよくないのです。「その出来事は自分にとってマイナスではなかった」と判定しなおして、その上で忘れることが大切なのです。
 マイナスのレッテルを貼ったまま記憶の奥底に閉じこめておくと、それはマイナスの芽を出し、実をつけていくことになり、やがていつの日かこの世でマイナスの出来事として現象化することになるのです。
 プラス思考というのは、失敗をマイナスと考えず、自分に気づきを与えるために必要なことだったと肯定することなのです。エジソンが「失敗は成功のもと」と言えるような教訓を残していますが、まさにその失敗があるから人間は成長するのだ、と考える必要があります。
 ところが、すでに過去において失敗というレッテルを貼った出来事は、その判定のまま奥の心(無意識)に貯蔵されていますので、それを思い出のテーブルに引き出してきて、レッテルをはがし、逆に「私の成長の糧となるよい教訓をくれたことに感謝します」とお礼を言いなさいということです。過去においてマイナスの判決をした出来事に対して、「実はプラスだった。ありがとう」と、新しい裁決を下すことが大切なのです。
 自分が嫌な思いをした体験には必ず人生の教訓が含まれています。自分に起こること、降りかかる運命はカルマの法則からみて不要なものは何もないのです。ただ、その時点の気づきのレベルで、その出来事をマイナスと判断し、苦い思い出として葬ろうとするのは誰にでもあることです。そのようなマイナスの思い出の在庫は、次々とこの世界で現象化し、過去に感じたのと同じようなうれしくない出来事として降りかかってきます。そうならないために、過去に誤った判決を下してしまった出来事をもう一度「思い出裁判所」に登壇させ、判決しなおしてください。そうすることによって、善くないカルマを先取りして償却することができるというわけです。

 次回のタイトルは「逆境(不運な出来事)を楽しみましょう」とする予定です。
 
 
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