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 木村さんのリンゴ奇跡のひみつ
植物と会話し、宇宙人と語る不思議な男の物語 
小原田泰久・著  Gakken
 
 
 UFOの中で見た地球のカレンダー

 木村さんに「どうしてUFOやあの世のことを本にする気になったのですか?」と聞いた。答えはすぐに返ってきた。
 「もう、あんまり時間がないから」
 何の時間だろう?
 「人類に残された時間かもしれないし、私の寿命かもしれないし。よくわからないけど、急がないといけないという気がしてならないのな」
 木村さんがそう思うのには理由がある。
 「これも、夢か幻想かもしれないけど」
 と前置きして、話を進めてくれた。
 畑でふたりの宇宙人に遭遇したしばらく後のことである。リンゴが実らず、極貧の中で苦しんでいた時期だ。木村さんは、幻想とも思える不思議な感覚の中で、ソクラテスを思わせるような老人と出あった。体に白い布を巻きつけ、あごに髭をたくわえていた。
 「待っていたよ。手伝ってもらいたいことがある」
 と、ソクラテスのような男性は木村さんにいった。何を手伝うのだろうと思っていたら、鉄パイプのような棒に何枚もの畳1畳ほどの板が吊るされていて、それを手前から奥までパイプを滑らせるようにして移動させてほしいというのだ。板は重くてなかなか動かせなかったことを覚えているという。
 「終わった後、『これは何ですか?』って聞いたのな。そしたら、『地球のカレンダーです』っていうのな」
 木村さんは、これは地球の終わるまでのカレンダーだと思って、「これで全部終わりですが、あとはないのですか?」と聞いたそうだ。そしたら、「ありません!」という答えが返ってきた。ああ、これだけの年数で地球は終わるんだと思ったときに、木村さんは目を覚ましたという。
 「マヤ暦が2012年で終わっているといわれているけど、あれよりは長かったな。でも、地球は永遠に続くと思っていたから、意外に早く終末が訪れるんだなと驚いたことは覚えている。その枚数はだれにもいってはいけないといわれているので、どんなことがあってもしゃべらないけどな」
 その後、UFOに連れ去られるという大事件があるわけだが、そのときにも、木村さんは地球のカレンダーを見せられている。ソクラテスのような人に見せられたのと同じ年数だったという。 数年後ということはないけれども、決して遠い未来でもない。その数字は木村さんの胸に秘められ続けるのだろうが、もし、木村さんが見せられたのが地球の終わりの日で、それが確定していることだとすれば、木村さんは、なぜこんなにも忙しい思いをして日本や海外を走り回るのだろうかと、私は思ってしまう。どうせ滅びてしまうのに、木村さんは何をしようとしているのだろう。私には、木村さんには、何かが変われば未来も変わるという希望があるのではないのだろうかと思いたい。未来が決まっているかどうかはわからないけれども、私は、今をどう生きるかによって未来は暗にもなれば明にもなると信じたいのだ。今のままでいけば暗闇へと向かう未来であっても、生き方が変われば光が差し込んでくる。もちろん、 未来が木村さんの肩にかかっているということではない。すべての人が、その責任を負って生きているのである。だから、私たちは今を大切に生きなければならないのである。
 では、「暗」かもしれない未来を「明」にするにはどんな生き方が必要なのか。20年近く前になるが、私はアメリカでもっとも古い先住民といわれているホピ族の長老を訪ねたことがある。ホピ族には人類の過去・現在・未来を語る予言が残されている。長老から長老へと口伝えに伝えられてきたもので、一部は岩絵として今もホピ族の村に残されている。有名なのが、広島、長崎への原爆投下を予言したものだ。灰のびっしりと詰まったひょうたんが太陽をシンボルとする国に空から降るというものだった。灰の詰まったひょうたんというと原子爆弾を連想させる。そして、太陽をシンボルとする国といえば、日本であるに違いない。この出来事が、世界を破滅させる序曲になると、長老から長老へと伝えられてきたのだった。
 戦争が終わって数年後、ホピの人たちは日本に原爆が落とされたことを知った。いよいよ世界破滅への鐘が鳴らされたのである。長老は、何人かのメッセンジャーを選び、彼らを世界各国へ派遣した。世界の危機を訴えさせるためだった。国連でもスピーチする機会があった。しかし、彼らの言葉に真剣に耳を傾ける人は少なかった。
 予言の岩絵には、人類は、ホピの人々がマーサウと呼んでいる創造主の教えに背いて生きることで、自ら滅亡への道を歩んでいくという意味の絵が描き刻まれている。
 長老は、次のような言葉を残した。
 「人々はどんどんと物質的になってゆき、ひたすら自分のものを増やすだけのために、実にたくさんのものを発明して、いつしかもう昔のようにいろんなものをみんなで分け合ったりしなくなっていた。やがてこのことは大きな分裂を生むことになる」
 ホピの人たちは、現代人の生きざまを「物質を神様とする道」と表現している。そして、一刻も早くマーサウが示した精神的なものを大切にする道に戻らなければいけないと警鐘を鳴らしているのだ。物質的な豊かさだけを求めて生き続ければ、人類は滅びの道をひた走りに走り続けることになるのだろう。
 長老は、こうもいい残している。
 「わしらのうちの多くの者は、いつしか物質的な世界を求めるようになり、その結果、自らの手で自らの命を破滅させてしまわないうちに、手に入る限りのありとあらゆる良いことを楽しもうとし始める。そして、ほとんどの人間がとてつもない混乱のうちに破滅していく。たいていの人が、何か異常なことが起こっているのだということに、あるとき気がつくようになるだろう。そのときには彼らの指導者たちですら、うろたえて、混乱のうちに自らを破滅させていくに違いない」
 そして、彼らは、今という時代が、その大きな転機になっているといっている。最近、物質を神様として生きるのは間違っていて、もっと「心」や「魂」といった目に見えない世界を大切にして生きなければならないと気づく人が増えてきた。しかし、それでも、まだまだそういう人たちは少数派である。
 もっと多くの人が、物質ばかりでなく、心や魂の大切さに目覚めなければいけない。そうしないと、人類は滅びの道を突き進んでいくことになるのだ。今こそ、私たちが意識を変えて、明るい未来をつくり出す大きなチャンスなのである。
 まさに、そんなとても重要な時代の真っただ中に、私たちはいるのではないだろうか。
 木村さんは、想像を絶する苦労を経て成功させた無農薬でのリンゴ栽培から、さまざまな教訓や知恵を得た。そして、さらには、UFOや宇宙人、あの世という神秘的な世界にも触れて、世の中が物質だけでできているのではないということを、身をもって知らされた。そんな木村さんが、農業や食という人間が生きるうえでの基本となる分野の革命家として、重要なメッセージを発している。私は木村さんの言葉に耳を傾けたいと思う。そして、ひとりでも多くの人が、自分の身のまわりで起こっていることを真剣に見つめて、これでいいのだろうかと、考えてみてほしい。そうすれば、本当に大切なものは何なのかが見えてくるはずである。

 ★なわ・ふみひとのコメント★(2022年に修正しました)
 
1949年生まれの木村さんが、夢か幻想かわからない状態でソクラテスのような老人から教えられた地球の寿命──それは、自分の寿命と間違えるほどの短さだったそうです。ソクラテスのような老人が神様の代わりに木村さんを通じて地球の寿命を教えてくださったのでしょうか。
 私はこの点に関して、当初は多少“眉に唾”をして見ていました。低級霊のいたずらの可能性もあるからです。人は、霊道が開けると霊界の様々な存在から干渉を受けることになりますので、“媒体”となったその人の心の状態によって、憑かってくる霊が変わるのです。人や世の中に不満を持つような心理状態の時には、その粗い波長に共鳴する霊が干渉してくることになります。その霊がパワーの強い霊であれば、一時的に仕事がうまくいって世間の脚光を浴びる場合もありますが、謙虚さを失って“天狗”になりますと、その“天狗”の波長に同調する霊たちに憑依されることになります。
 ですから、宇宙人を名乗る存在や霊界の住人とのコンタクトが始まった人は、ある種の“危険ゾーン”に入ったと見て、心の調律に特段の注意をする必要があります。
 しかし、木村さんに関しては、ことあともずっとその言動に注目してきましたが、そのような懸念を抱く必要のない立派なかたであることに確信がもてるようになりました。ということは、木村さんが受け取った地球の寿命についても信じていることを意味します。今日の世界の状況を見ていますと、まもなく地球の寿命がくるという考えは、いまでは確信に近いものになっています。

 
 
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