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 チャネリング・フォー・ユー
秋月菜央・著  二見書房
 
 
湯川れい子氏(音楽評論家・作詞家)からの提言

 湯川れい子氏 ―― シャーリー・マクレーン氏、ケビン・ライアーソン氏らと交流をもち、その不思議ないきさつを『幸福へのパラダイム』(海竜社刊)に記す。ケビン氏を日本へ招き、セミナーを行なうなど、ニューエイジの分野でも幅広く活躍中。

 
受け手のセンサーもピュアに磨かれていなければならない

 ‥‥だけど、チャネリングというものに絶対の信頼を置いて、なんでもチャネラーに訊くかっていうと、私はそれはしない。たしかにエドガー・ケイシーのような人もいるし、ケビンもケイシーについて勉強した人だから、医薬的に極端に間違った御託宣をするとは思わないけれど、チャネラーといっても、あくまでも肉体をもった人間でしょ。極端な話、お腹をこわしている日もあるだろうし、風邪をひいている日もあるだろうし、朝ものすごい夫婦喧嘩をした日もありうるわけです。
 そういう状態では、チャネラーのセンサーも曇っていると思います。でも、それが仕事であれば答えを出さなきやいけない。そうすると、常に100パーセントの信頼を置くわけにはいかないんじゃないか、と思います。ツールはあくまでも人間なのですから。調子の悪いときだってある。もしかしたら、とんでもないことをいわれてるかもしれない。
 聞くほうも同様に、自分のセンサーが磨かれていなかったら、とんでもない情報に迷わされてしまう。受け手のセンサーも、ものすごく大切なのです。ピュアでいるためには、考える時間、自分自身に集中してみる時間、無我夢中で仕事をする時間、そういうもののバランスがとれていなければいけない。そうでないと、そのセンサーは決して磨かれない。曇ったセンサーで受けとめると、とんでもないことになってしまう。
 私の知り合いで、前世はロシアのキャサリン大帝だったっていわれた人がいるの。頭のいい人なんですけれど、すっかりその気になっちゃって、態度も何もすべて変わってしまったの。そして、ヨーロッパから入ってくる古い貴金属を自分のものだといいはじめたんです。ちょうど彼女の親友が、そういう骨董屋さんをやっていたものですから。
 とうとう、ある日、その骨董屋さんから、貴金属を黙ってもっていってしまったの。本人は私のものだからあたりまえ、と思ったらしいんですけれど、お店の人は困りはてて、どうやって説得しようかと悩んでいました。そんな話も、実際にあるんですよ。
 それから、あっちのチャネラーにいわれた前世が気にくわないから、こっちのチャネラーに行ったりする人もいますよね。意味がないという気がします。

 
過去生にとらわれず、自分自身への問いかけを忘れないこと

 過去生を聞いたからって、「だからなんなの?」って私は思います。知って「じゃあ、今生ではどこまで行けるか、それが重要なんだ」ということに気がつくのだったらすばらしいことですけれど。
 この精神世界において、私が本当に大事だな、と思うのは、常に「だからなんなの?」って質問しつづけることだと思うの。これはシャーリーとも話したんですけれど、この精神世界が心地よいためにヒッピーみたいにそのなかにとどまって、そのなかであっち向いたり、こっち向いたりする人って、たくさんいますね。東によく当たる占い師がいれば行き、西にいい御託宣をくれるチャネラーがいると聞けば、そこに行き、どこそこの神様が御利益があると聞けば、そこに行く。神様世界のおっかけをやってる人が、たくさんいるわけです。結局、現実世界からの逃避なんですよね。
 いまの生活の場でがんばる、そこで向上するっていうことを、忘れてしまっているんです。神様はそんなことおっしゃっていないの。「あなたに与えられた状況に全力を尽くしなさい。それで光のあるほうへ進みなさい」、そうおっしゃってるの。現世利益を求めてあっちこっち走りまわったって救われないと、私は思います。
 そういう意味で「だからなんなの? そういわれたからなんなの? じゃ、過去生がそうだったなら、どうだというの?」という問いかけがとても大切になってくるのです。常にそう自分自身に問いかけていないと、本当の答えは見つからない。幸せにもなれない。
 チャネリングで聞くことは、すごくいいヒントにはなるけれど、あくまでも、ひとつの情報としてとらえるべきでしょう。「なるほどね、そういうこともあるかもね」という具合に。私自身、いろいろな体験をしましたが「だからなんなの」というのはいまでもあります。

 
神は、自分という小宇宙のなかに存在する

 誰でもチャネラーになれるんじゃないか、って思っています。そういうのをいちばん身近に感じるのが、コンサート。観客の意識とか、エネルギーは、プレイヤーに如実に入っていくし、プレイヤーの側からも、おなじです。お互いの意識の交換なのです。ミュージシャン自身、完全にノッているときには、自分の指がどう動いているかなんて、意識していない。こういうのは、まさしく、チャネリングしてる状態だと思うの。絵を描くのも、原稿を書くのも、おなじだと思う。たとえ、その意識がなんであっても……。
 さらに、この潜在意識より深いところにある純粋意識というのが、いわゆる「内在する神」だと思います。神でもなんでも、どういういい方をしてもいいんですけれど、大いなる自己っていうのがいちばんわかりやすいかもしれない。でも、「内在する神」でもあると思う。
 つまり内在する神──宇宙意識、宇宙にみなぎっているそういうエネルギーと、自分という小宇宙のなかにある純粋意識としてのエネルギーって、同一のものだと思うのです。つながっていると思う。みんなは、神という姿をしたものを求めるけど、実は神は自分の心のなかにある。
 だから、人に対してはどんな嘘だってつけますよね。天に神がいると思っても、平気で嘘をついたり、人を騙したりもできる。でも、自分の心には嘘をつけない、自分の心は知っているわけですから。自分が悪い。でもしようがないじゃないか、生きていくためだもん、しかたないじゃないか、このくらいやらなきゃ……、というふうに。
 どんな人間でも、大人でも子供でも、どんな悪いことする人でも、自分の心のなかに聞いたときには、嘘をつけない。わかっているはずなんです、本人は。
 みんなそうだと思います。自分の心の奥にあるものに問いかけたとき、私は、そこに神がいるのだと思う。なにも空に向かって「神はどこにいるんだ」なんて聞かなくても、自分のなかに問いかけていくとき、ちゃんと答えは出ていると思う。
 内在する神、大いなる自己というものがあるっていうことは、空にある神、求めつづけている神とおなじものが、自分のなかにあるってことです。そうやって自分の心に問い合わせていったとき、本当に必要な答えは出てくると思います。それも、チャネリングだと思うのです。

 ★なわ・ふみひとのコメント★
 
チャネリング(異次元との交信)に関しての私の結論は、「自らそれを求めないこと」という一言に尽きます。単なる好奇心で深入りすることも避けるべきですが、まして「霊的能力を身につけて現世で役に立てよう(=有名になろう、お金儲けにしよう)」といった魂胆を持って異次元と接触することは大変危険です。自分の持つ様々な心の波動に同調する世界とつながってしまうからです。心に一点の曇りもない神様のような心境の人は別として、一般の人は、他人や世の中に対する多少の不満や批判、場合によっては憎しみや恐怖心などを心の隅(=潜在意識)に蓄積していることが考えられます。その心の波長が異次元の同種の波長と共鳴し、好ましくない霊的存在たちを引き寄せることになるのです。
  ここで湯川れい子さんも述べているように、「受け手のセンサー」に自信のない人がチャネリングなどに興味を持ちすぎるのは要注意だということです。終末を迎えて異次元との壁はますます薄くなりつつあるのを感じます。私たちは、まずは自らの身魂磨きに精を出し、常に心のバランスを保つように努力することが大切です。
 
 
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