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 超心霊世界の神秘
 仁宮武夫・編著  日本文芸社
 
 
 他界の天体的構造はどうなっているか

 ものごとを常識的に考える人達は、まず第一に、他界ってどこにあるんだろう、たくさんの人が死んでいって、いったい住む所があるんだろうか、こう考える。「いったいぼく達は死んだらどこへいくんだろう」と行き場所をまず考える人達のために、この問題に関する他界からの通信を紹介しておく。
 まずこの点に関しては、二つの考え方がある、ということを述べておきたい。
 第一は、他界の界層というのは、波動の違った世界であると言われている。
 いちばん下の界層は波動がいちばん遅く、上へ入っていくに従って振動が速くなる。波動の遅い世界に住むものには、速い波動の世界はわからない。
 ちょうど肉眼に紫外光線が映らないのと同じだ。
 この一般的な理論から、物質の世界の中にも物質界と並存して、他界は存在し得るわけである。それは、ちょうど肉体の中にもエーテル体や魂や霊が存在しているのと同じ理屈であり、また、幽霊が、壁やドアを平気でスースーとつき抜けるのと同じ理屈である。
 次元(波動)が違えば、二つも三つもの世界が、同じ空間に並存できるわけである。だから、他界は、地上にも、また大地の中にも存在できる。日本神話に出てくる根の国と同じように、他界の最下層は地球の内部(地下にある)という他界通信もある。

 他界は地球を取り巻いている

 第二は、他界は地球のまわりを幾重にも層をなして取り巻いている、と言う通信であって、この種のものはたくさんある。それはちょうど、地球の周囲を成層圏が取り巻いているように、いろいろな界層が何重にも取り巻いていると言う。
 そして地球に近い界層は、そのふんい気が濃厚で、下級の霊が住んでおり、地球から遠く、高い層にいくに従って、その世界をつくっている準物質は、ますます精妙になり、より高級な霊が住んでいる。
 私達自身が、物質世界とはなんぞやということを、やっとこの頃知りはじめ、他界とはなんぞやということはぜんぜん知らないように、神秘世界の住人といえども、自分の住んでいる世界以外は、ほとんどなんにもわかっていないようだ。だから、見えない世界の通信だからといって、一概に信用することはできない。
 わけても、前述の理論から言っても、波動の遅い下層の住人にとっては、波動の速い上層は存在しないのと同じである。こうしてなんにもわかっていないくせに、人間から神様扱いされて、“お伺い”をたてられると、「わしゃ知らん」とは言えなくなる。「わしは○○の神じゃ」などと自己紹介して、愚にもつかない宇宙創造の“啓示”などを出まかせにしゃべりまくる。私の知っている霊能者の中にも、こうしたでたらめをそのまま信じ込んでいる気の毒なグループがある。こうした他界者は、多くは〈地縛の霊〉と言われるもので、これを拝んでいる、いかにも善良な人間様よりはるかに下等な存在である。
 こうした下級の霊は、単にでたらめを語るだけでなく、人間に害を及ぼすものもある。
 
 
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