人生の法則
「人は、自分が蒔いたものを、また刈り取ることになる」この言葉の意味は、自分の発した言葉や行ないが、そのまま自分に返って来るということです。つまり、自分が与えたものを受け取るのです。
もし憎しみを与えるなら、その人は憎しみを受け取るでしょう。愛を与えるなら、愛を受け取るでしょう。批判をするなら批判されることになり、うそをつけばうそをつかれることになります。人を騙せば騙されることになるのです。
さらに人生というゲームにおいては、イメージする力が主要な役割を果たすことを教えられます。心の中でイメージすることは、遅かれ早かれ、その人の人生の外的側面にあらわれて来るということです。
この想像力を首尾良く訓練するためには、マインドの働きというものを知らなければなりません。
マインドには、3つあります。それは潜在意識、顕在意識、そして超意識です。
潜在意識とは、方向性を持たない単なる力で、蒸気とか電気のように、指し示されたことのみを行ない、自ら何かを誘導する力はありません。人が深く感じたこと、あるいははっきりと思い浮かべたことは何でも潜在意識に刻みこまれ、詳細に現実化されます。
顕在意識のマインドは、この世のマインド、あるいは現世のマインドと呼ばれています。それは人間のマインドで、人生というものを目に映ったとおりのものだと思います。死、災害、病気、貧困をはじめとするあらゆる類の限界を見て、それらを潜在意識に刻みこみます。
超意識のマインドは、一人ひとりの内にある神のマインドで、完璧な考えの領域です。そこにはプラトンが語った「完璧なひな型(イデア)」、つまり「神の計画」があります。というのも、みな一人ひとりに「神の計画」があるからです。
イエス・キリストは、「人の語る言葉が人生のゲームにおいて主要な役割を果たしている」と教えました。「あなたは、自分の言葉によって正しいとされ、また自分の言葉によって罪ありとされる」と。多くの人々は、自分の言った何気ない言葉で、人生に災難を作り出しています。
誰の進む道にも、真の豊かさは用意されています。でもそれは、望むこと、信じる心、あるいは声に出して語られた言葉によってのみ、実際にもたらされるのです。
人と、その人の持つ最も高い理想や心からの望みとの間に立ちはだかるものは、「疑い」と「恐れ」以外にありません。「心配せずに望む」ことができるなら、どのような望みも瞬時に叶えられることでしょう。
欠乏、失敗、病、失うことといった様々な「恐れ」、漠然と感じる不安感などの「恐れ」は、人間の唯一の敵なのです。「恐れ」は信じる心の裏返しに過ぎないからです。つまり、良いことを信じる代わりに、悪いことを信じているからです。
人生というゲームの目標は、善を明確に見て、心の中に思い描かれる悪しきものをすべて消し去ることにあります。これを実行するには、善に気づき、それを潜在意識に刻みこまなければなりません。
潜在意識というのは人間の忠実な僕であり、それに正しい命令をくだすよう、注意しなくてはなりません。潜在意識はその人の傍らで、いつも静かに耳を傾けているのです。
どの思考も、どの言葉も、すべて潜在意識に刻み込まれ、それらが驚くほど詳細にわたって実現していきます。それはまるで、歌手が音に敏感なレコード盤に歌声を録音しているようなものです。歌い手の声のどの音も、どんな抑揚も、すべて刻み込まれます。ですから、これまで潜在意識に録音されてきた「良くないもの」をすべて壊してしまいましょう。保存しておきたくない人生のレコードを壊し、新しく美しいものを作るのです。
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