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 魂の伴侶
(ソウルメイト)
ブライアン・L・ワイス=著
山川紘矢・亜希子=訳 PHP
 
 
 超能力と霊的成長の関係

 輪廻転生とは、より大いなる知識と知恵と理解への架け橋なのだ。それは私たちが何を持ち、何を持っていないのか、私たちがなぜここにいるのか、前に進むために何を成し遂げなければならないかを、私たちに思い出されてくれる。そしてまた、私たちを助け導いてくれる存在のあること、愛する人々が私たちと共に歩み、重荷を軽くするために戻ってくることを、思い出させてくれるのである。

 私は有名な超能力者やチャネラー、神父、グル等に会って、彼らから数多くのことを学んだ。非常に才能のある人もあれば、そうでない人もいた。
 超能力と、霊的にどれだけ成長しているかは、直接的な相関関係にはないということが、私には次第にはっきりとわかってきた。有名な天文学者であり、超常現象の研究者としても名高いエドガー・ミッチェルと交わした会話を、私はよく覚えている。エドガーは彼の実験室で、エネルギーに影響を与えることによって、磁石の針を動かしたり、念力によって物体を動かすことができるという有名な超能力者について、研究したことがあった。こうしたすごい超能力にもかかわらず、この超能力者の性格や人格は、高い霊性のレベルのものではないことに、エドガーは気がついた。超能力と霊的な発達は、必ずしも関連を持ってはいないことを初めて私に教えてくれたのは、エドガーであった。
 霊的に成長し、気づきが深くなるにつれて、超常的な能力が増してゆく人もいると、私は信じている。これは、基本的なステップではなく、むしろ付随的に得る性格のものなのだ。超能力が高まったというだけで、偉くなったつもりになってはいけない。ゴールは、愛と思いやりと徳と寛容を学ぶことであって、有名な超能力者になることではないのだ。

 私たちはみんな超能力者であり、みんなグルである。私たちはただそれを忘れているにすぎない。
 ある患者が、私にサイババというインドの聖者について質問した。彼はアバターと呼ばれる、肉体を持って地上に降りてきた神なのだろうか?
 「私はしりません」と私は答えた。「でも、ある意味で、私たちはみんなそうではありませんか?」
 私たちはみんな神なのだ。神は私たちの内に存在する。私たちは超能力にまどわされてはならない。なぜならば、超能力は霊的な成長の道の道標にすぎないからだ。私たちは、自分たちの神性と愛を、良き行ないによって、また人々への奉仕によって、表す必要があるのだ。おそらく、誰も、1カ月か2カ月以上にわたって、誰かのためのグルになるべきではないのだろう。インドへ何回も行く必要はない。真の旅は、私たちの内にあるのだから。
 自分で超常的な体験をすることは、神の存在に心を開き始めるために、あるいは、人生は目に見えるものよりも、ずっと大きく広いということを理解するために、まぎれもなく有効である。人は自分で体験しないと、それを信じないことが多いからだ。
 私たちの道は、内へ向かう旅である。これはより困難で、よりつらい旅である。私たちは自分自身の学びに責任を負っている。この責任を回避し、誰か他人に、またはグルに責任を押しつけることはできない。
 神の王国はあなたの内にあるのだ。
 
 
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