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 運命は6年周期で転換する
石原加受子・著  たま出版
 
 
 地球があなたを選別する

 経済の停滞や悪化があるとはいえ、我々はまだ、高い生活レベルを保っている。そんなあなたが、旅先で遭難してジャングルで生きていかなければならなくなったとする。
 もしあなたが、現代の快適な生活ばかりに恋焦がれ、文化的な生活とジャングルとの生活を比較して、ジャングル生活での惨めな点ばかりを拾っていると、「いつまでこんな惨めな生活をしなければならないのだろう。一生このジャングルで生活して誰にも気づかれずに死んでしまうのか。もう一生、自分の家に戻ることはできないかもしれない」
 と、あなたは絶望して死にたくなってしまうだろう。
 川の水を飲みながら、水道の蛇口から出る水を懐かしがり、木の葉にくるまりながら、暖かいベッドを恋しいと思い、乏しい食事をとりながら、高級レストランの食事を渇望しながら生活すればするほど、あなたはジャングルでの生活が地獄のように感じていくだろう。
 しかし、あなたが、文化的な生活とジャングルとの生活を比較するのをやめて、ジャングルの生活に埋没する。つまりジャングルの生活を「いまの自分の生活だ」と受け止めて、「いまを生きる」決心ができるなら、あなたはジャングルでの生活に絶望して死にたくなることはないだろう。
 ジャングルで生活しなければならないなら、ジャングルの生活を自分の人生だと受け入れて、その中に埋没して生きる。
 ジャングルでの生活を自分の生活と思うことができるなら、ジャングルでの生活を力強く生きはじめるだろう。自然や植物、生物とともに生きるのを受け入れることができて、その生活をすべてだと思うことができるなら、同じジャングルでの生活も、生き方が違ってくる。
 つまり、「環境の中で、どう生きるか」で、あなたは生きることが辛くもなり、楽にもなるのだ。
 私が言いたいのは、もしかしたら、あなたを取り巻く環境が、このジャングルのような生活になるかもしれないということである。
 もちろんジャングルのような原始的な生活になるというのではなく、あなたの環境や人間関係が、とても生き辛い環境になるということである。
 そんな環境の中で、人間関係の劣悪さばかりに目を向けていると、あなたの生活は当然苦しいものとなっていく。多くの人が、恐怖心で満たされた環境の中でも、あなたは「楽に生きる」ことを目指さなければ、あなた自身の人生は辛いものとなる。
 恐怖心に満たされた人々やいきり立っている人たちの行為ばかりを拾い集めていたら、あなたは批判したり、指図したり、強引に相手を変えようとしたりして、あなたはいつも腹を立てたり絶望していなければならなくなる。
 劣悪な環境で生きているなら、劣悪な環境のなかで「楽に生きる」方法を見つけていかなければ、あなたはたちまちにパニックになってしまうだろう。
 あなたにとって、いまの環境が生きづらい環境であっても、それがいまのあなたの環境なのだ。だったら、それを認めるしかない。そんな生きづらい環境を前提に生きていくしかない。そして、そんな環境の中で、「楽に生きる方法」を探さなければならない。
 もし世の中を変える方法があるとしたら、それは恐らく、そんな劣悪な環境の中にあっても、一人でも多くの人が「平和でいられる自分を創る」ことであるだろう。悪感情に悪感情をもって対抗しても平穏は訪れない。不当な行為に不当な行為をもって争えば、ますます不当な行為がはびこる。
 どんな環境にあっても、あなたの心が平和であることが、世の中を変える唯一の方法なのだ。相手の決断なしに、相手を変えることはできない。あなた自身が、生きづらい環境のなかで、平穏な気持ちでありさえすればいいのだ。あなたが平和でありさえすれば、あなたの運命は好転するし、そんなあなたの生き方が、周囲に好ましい影響を与えるのだ。地球規模での変革に、あなたが歩調を合わせて進化していくには、あなたは、テレパシーで語り合えるような自分になっていく必要がある。
 これは、テレパシーが発達して交信し合えるという意味ではない(進化としては当然、そうなっていくし、エネルギーレベルでは、すでにそういう交換を互いにしているが)。
 テレパシーであなたの想念がそのまま相手に伝わっても、理解し合える人間になっていかなければならないという意味である。つまり、本音と建前のギャップがなくて、丸裸のあなたがあらわになっても恥ずかしくない人間になる必要があるという意味である。
 そして多分、地球が選ぶのは、そういう人間であるだろう。
 
 
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