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 水は答えを知っている
江本勝・著  サンマーク出版
 
 
 人間も振動しています。人それぞれが固有の振動をもっているのです。そういう振動を感じとるセンサーを、誰しもがもちあわせているのです。
 人生に深い悲しみをいだいている人は、悲しみの周波数を発しています。自分に起こってくるすべての出来事を喜び、楽しんでいる人であれば、明るい光の振動数をもっているでしょう。他人を愛する人には愛の波動が、悪いことをする人からは真っ黒で邪悪な波動が発信されています。
 同様のことが人だけではなく、物や場所にもあてはまります。たとえば、なぜか交通事故の起こりやすい場所がありますし、そこに店を出せば必ず商売繁盛という、福をよびやすい場所もあります。そうかと思えば、持ち主を不幸にする宝石といったような話もよく聞きます。
 物だけではなく、この世界に起こるさまざまな現象も、それぞれが固有の周波数をもっています。大気のエネルギーの変化が、雷や台風を巻き起こします。それは強烈なエネルギーで、私たちに多くの災害をもたらしますが、考えようによっては、それらもけっして悪いものではありません。地上にたまった悪いエネルギーをすさまじい勢いで吹き飛ばしてしまうと考えれば、雷や台風だって、むしろ感謝すべきものだともいえます。
 人が昔からお祭り好きだというのも、こう考えればよくわかります。たくさんの人が集まり、きれいに着飾って踊ったり歌ったりして楽しんでいるところには、明るくよい波動が渦巻いています。その勢いで、よどんでいたよくないエネルギーなどは吹き飛んでしまいます。
 すべてのものは振動し、かつ固有の波動をもっている。そういうことがわかったら、この世界についての理解をより深めることができると思います。いままで気づかなかったこと、意識の奥底に押しこめていたことに目を向けることにもなり、新たな発見と感動が人生に新たな彩りを加えてくれるのです。

 自然界の多くのものは、だいたい一つに固定された周波数しか出せません。スズメの鳴き声はみんな同じに聞こえますし(スズメにしてみたら少しずつ違うのかもしれませんが)、犬や猫でも、鳴き声にはそれほどバリエーションがあるわけではありません。
 それに対して、人間だけがドレミファソラシドを自由に歌え、メロディーをつくり出すことができます。これは、すごいことだとは思いませんか?
 自然にあるすべてのものと共鳴できるのは人間だけです。人間は宇宙のすべてのものと会話をすることができ、エネルギーを与え、反対にエネルギーをもらうことができるのです。
 しかしこのことは、考えようによっては諸刃の剣だともいえます。人間が自分たちの欲のためだけを考えて行動すれば、それは自然の調和を乱すエネルギーを世界にまきちらしていることになるからです。
 
地球をこれほどに汚してしまったのは、私たち人間が産業革命以来、一貫して生活の便利さと、自分たちのぜいたくさを追求してきたからです。そういう人間の意識が、大量消費社会というライフスタイルをつくり出し、地球環境をおびやかしてきました。
 いま、新しい世紀を迎えて、人類は意識を転換しなければならない瀬戸際にきていると思います。どんな波動とも共鳴できるのが人間なのですから、自然と共生し、地球をこれ以上汚さない意識をもつことも不可能ではないはずです。いかなる波動を世界に発信し、地球をどんな星にするかは、私たち一人ひとりにかかっています。
 あなたはどんな生き方を選びますか?
 心を愛と感謝で満たせば、愛すべきこと、感謝しなくてはならないようなすばらしいことが次々と訪れ、健康で幸せな生活を送ることができるでしょう。恨みや不満、悲しみという波動を発したらどうなるでしょうか。おそらく、もっと恨まなくてはならない状況、悲しみに満ちた世界を引き寄せることになるでしょう。
 どんな世界を選び、どんな人生を送るかは、あなたの心次第なのです。
 
 
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