[戻る] 
Browse  
 
 般若心経の宇宙論
コンノケンイチ・著  学研
 
 
 大霊界を構成する法則

 王仁三郎は大霊界の法則を次のように述べている。

法則@ すでに私たちは霊界にも生きているし、だれでも霊界と通じている。

 われわれはあの世の記憶を消去されているので、自分がどこから来て、どこに帰るのかわからないでいる。ゆえに外部世界(霊界)と密接に通じ合っていることなど知る由もない。いつも私たちは霊界から監視され、その影響下にあることを忘れてはならない。

法則A 霊界で起こることが、時をおいて現界に移写される。

 人間は絶えず霊界と通じ合い、そこからの干渉を受けつつ生きている。したがって、この世に現象として現れるすべては、霊界からの投影だといえる。ただし霊界での動きが先で、霊界で起こらないことは地上でも起こらない。また霊界で起こったことがそっくり地上に移るのでない。この世は、天国界と地獄界を総括した、三千世界(大霊界)の一大縮図といえるのだ。
 この世で起こることも反射的に霊界にフィードバックされるが、あくまでも主体は霊界というのも同じ意味である。この世は大霊界と従属する関係にあり、仏教でいう「霊主体従」と呼ばれる法則は宇宙の大きな真理なのである。

法則B 霊界とは、個々人の意思と想念の生みだす世界である。

 霊界は波動の世界で、個々人のもっている想念がストレートに現象化する世界である(これが量子物理学の波束の収縮である)。
 霊位の高い善良な精神の持ち主なら想念どおりの善の世界が展開するが、悪い想念をもつ霊位の低い人は悲惨で残酷な世界が展開することになる。この世でも、自分自身の意識や行動が徐々に現象化され、周りに現実化されてくることはだれも否定できないだろう。
 「メグリ(巡り)と申すのは、自分のしたことが自分にめぐって来ることであるぞ。メグリは自分でつくることぞ。他を恨んではならん」と王仁三郎はいう。

法則C 個人の想念(霊質)に応じて、無数の霊域が存在する

 この世の人間は、自分の霊質に応じた霊界と無意識下で交流している。その違いは十人十色、千差万別であるから、霊界には無限とも思える多種多様な霊層や霊域が存在すると考えればいい(これが仏教でいう三千世界である)。何ごとも霊界に本源があって、そこでの思念がこの世の人間や物質に反映され、それがまた反射的に霊界にフィードバックされていく、というものである。

法則D 霊界では似たもの同志が相交わり、集団を形成している。

 霊界では個々人の本性によって、定まったひとつ境域を形成している。それがまた無数の段階に分かれており、したがって同じ境域に住む者たちは、同じ質のバイブレーションを有していることになる。
 霊質の高いもの同志が集まった天国的な霊域、一般的な想念が結集した精霊界、下層には餓鬼、修羅、畜生界の者たちの想念が形成する地獄界、それぞれが無数の段階に分かれて万華鏡のように多彩に存在することになる。
 この状態に入ると、悪的なものはますます悪的なものを発揮し、善的なものはより善的な力を発揮するから、霊界では同一の環境に住むことはできない。その縮図が、この世という特殊な霊界だったのである。
 
 
[TOP]