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 国際銀行家たちの
地球支配/管理のしくみ
安部芳裕・著  徳間書店
 
 
 日本人は人民元ブロックの一員になってしまう!?

  1995年、当時の中国の李鵬首相は、オーストラリアの自由党党首で後に首相も務めたジョン・ハワードとの会談で「今の日本の繁栄は一時的なもので、あだ花です。その繁栄をつくってきた日本人がもうすぐこの世からいなくなりますから。20年もしたら国として存在していないのではないでしょうか。中国かあるいは韓国ないしは朝鮮の属国にでもなっているかもしれません」と発言しました。
  1997年のビルダーバーグ会議では、クリントン政権時の国家安全保障問題担当補佐官であり、左派ユダヤ・ロビーの統帥者でもあるサミュエル・バーガーが「中国を強大な軍事国として新世界秩序に組み込むことは可能である。中国の軍事力が強くなれば、世界政府を構成する主要三地域の1つとして、欧州連合と北米連合と並んで成立する要件を満たし得る。中国への貿易最恵国待遇の目的は、軍事的に強大な中国の存在である。これにより、太平洋地域における米国の軍事的プレゼンスを正当化することができ、国際金融機関は米国と中国双方の軍備増強から利益を得ることができる」と語りました。そして実際、米国は2000年に中国へ最恵国待遇を恒久的に供与しました。
  2008年1月5日、経済分野ではトップクラスのジャパン・ハンドラーであり、クリントン元大統領の有カブレーンとして日米包括協議のシナリオを書いた国際経済研究所の所長フレッド・バーグステンが日経新聞で「将来の世界の通貨体制はドル・ユーロ・元の三極通貨システムだ。日本は人民元ブロックの一員となる」と語っています。
  2009年1月には、オバマ大統領のブレーン、ズビグニュー・ブレジンスキーが「米中が協力して国際金融危機、地球温暖化問題に対処し、大量破壊兵器の拡散を制限する」、いわゆる米中(G2)による世界統治構想を中国に呼びかけました。
  私が警戒感を強めているのは、中国による東アジア統治が、決して中国だけの意向ではなく、米国の意向でもあり、世界を動かすエスタブリッシュメントたちの意向でもあるという点です。
  そして、2009年9月16日、政権を奪取した鳩山由紀夫総理大臣は「東アジア共同体」の実現を打ち出し、国連総会、日中韓首脳会議、ASEAN(東南アジア諸国連合)+3サミット、東アジア・サミット、国会所信表明演説など機会あるごとにその構想を訴えています。

 「東アジア共同体」幻想に騙されるな

  「東アジア共同体」の具体的な内容はいまだ不明ですか、通常、共同体をつくるということは、人・モノ・金の流れを自由にするということです。2008年IMFのデータでは、日本の一人当たりのGDPは3万8559ドルで世界23位。韓国は1万9504ドルで世界36位。中国は3315ドルで世界104位。ASEANは平均すると2635ドル。中国と日本では約1111倍、ASEANと日本では約15倍違うのです。
  当然、中国や東南アジアの人々は日本に稼ぎに来たいと思うでしょう。中国人や東南アジアの人々は日本人よりも安い賃金でも喜んで働きます。日本人なら20万円の仕事を、彼らなら15万円でも十分雇えるでしょう。同じ仕事をしてくれるなら、企業は当然、安い賃金の方を選択します。そうなると、賃金は低い方で固定化されてしまうので、これまでのように雇ってもらいたければ、日本人も20万円ではなく15万円で我慢しなければならなくなるでしょう。そのうち中国や東南アジアの人々の失業率はゼロで、日本人の失業率は20%なんてことになりかねません。これは移民を受け入れている欧米では実際に起きていることです。
  東アジア共同体と移民の大量受け入れは、産業界の意向を受けた政策ではありますが、その結果は日本人労働者を窮地に追い込みます。
  また、逆に日本の企業が移転する可能性も高まります。移転するだけで人件費のコストは10分の1以下にできるのですから、経営者であればより安い労働力を求めての海外移転は当然の選択となるでしょう。そうなれば日本の製造業は激減し、失業率は激増します。
  さらに、民主党は日米の自由貿易協定(FTA)の推進をマニフェストに掲げていますが、このFTAを締結した場合、日本の自給率は12%に低下するに農水省が試算しています。それに加えて東アジア共同体ができ、共同体内では関税ゼロとなった場合、安い食糧が大量に入ってきて、日本の農業は壊滅状態になるでしょう。食糧自給は国家の安全保障の要でもあります。将来は世界的な食糧不足が懸念されていますし、実際、2008年からロシア、ウクライナ、ベトナム、アルゼンチン、中国、インド、カザフスタンなど大生産国で穀物の輸出規制が相次いでいる状況です。自国の食糧が不足した時に、自国民を犠牲にしてまで日本に食糧を輸出してくれる国があるのでしょうか? 日本の農業が壊滅した後に禁輸措置を取られたらどうにもならないのです。

★なわ・ふみひとのコメント★(2013年記)
 この本の著者・安部氏は世界支配層を「国際銀行家たち」と呼んで、彼らがこれから世界を三極に分割して統治しようとしている構想を紹介しています。その分析は私が多くの書籍を通じて得ている知識とほぼ一致しています。特に、世界支配層の手先となって「亡国民主党政権」の成立に貢献した小沢一郎氏と、その小沢氏と協力して表舞台の役回り(首相)を勤めた民主党の鳩山由紀夫元首相についての分析は、まったく同感です。
  しかしながら、国民を辟易させた民主党に代わって再登場した自民党の安倍政権が、世界支配層から独立した「愛国政権」と考えるのはあまりにも読みが甘すぎると言えるでしょう。もはや日本の政治もマスコミも財界など主な国家の機能は完全に“彼ら”の手の内に入っていると見なければなりません。「アベノミクス」ともてはやされ円安、株高を演出して景気の回復が実現しつつあるように見えますが、大半の普通の国民が幸せになる道ではありません。貧富の格差はますます広がり、多くの国民は窮乏の淵に追い込まれていくことになると思われます。
  かつて、世界支配層のコントロール下に置かれているマスコミを総動員して、ある時期から計画的に作られてきた韓流ブームの流れをみますと、この国を実質支配する民族として抜擢されているのがどの民族であるかが理解できます。この間、民主党政権を使って日本の政治を支配し、次々と悪法を成立させてきた政治家や官僚たちを動かしているのはこの民族に縁のある人間たちです。小沢一郎氏を筆頭に、元首相の小泉純一郎氏(自民党)や菅直人氏、そして野田佳彦元首相から現在の安倍首相に至るまで、出自(先祖)は同系統の人間とみてよいでしょう。日本の政治や主要マスコミは、もはや完全に彼らの手に落ちているということです。
  政治家と違って表には出てきませんが、政治を実質的に動かしている官僚や、マスコミ、警察権力等の中枢にも、同じ勢力の手が伸びていると見て間違いありません。日本という国に対して祖国としての愛着を感じていない人間たちの手によって、この国は巧妙に崩落させられつつあるということです。残念ですが、もはやこの流れを止めることはできないでしょう。
  その勢力が自民党時代から成立を画策してきた言論統制のための人権擁護法案(民主党の法案名は「人権侵害救済法案」)も、政治家やマスコミ関係者の中に強力な反対勢力が失われたいま、自民党・公明党と民主党の手によってやがて成立することになるでしょう。この法案の成立こそが、この国の終わりを告げる晩鐘となるものです。主要マスコミはそれほど大きく取り上げることはないでしょうが、ネット等では大きな話題になると思われますので、しっかり見守っておきたいと思います。なお、「国民総背番号制度」ともいえる「マイナンバー」法案は、前記3党の合意によってあっさりと閣議決定し、国会に送られました。いよいよ国民一人ひとりを番号で管理する時代が始まるということです。このように、終末のカウントダウンは確実にエンディングへと近づいているのがわかります。
 
 
 
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