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 ステルス・ウォー
 日本の闇を浸食する5つの戦争
ベンジャミン・フルフォード・著  講談社
 
 
 1000円札が「野口英世」になった本当の理由

 2006年ごろ、いわゆる「都市伝説」が流行した。
 その定番ネタの一つに「紙幣」がある。
 たとえばジョージ・ワシントンが絵柄のアメリカ1ドル札は、その裏側に、ピラミッドに目のついたシンボルマークが描かれている。
 このマークは「プロビデンスの目」と呼ばれる。神がすべてを見通している、という意味だ。これは、お札だけでなく、アメリカの「国章」でもあり、ワシントンDCでは、当たり前のように掲げられている。
 この「プロビデンスの目」は、フリーメイソンのシンボルマークでもある。
 フリーメイソンは、14世紀、イギリスの石工たちのギルド(組合)として誕生した。石工たちにとって、今も昔も、最高の建築物の一つは「ピラミッド」であり、それを人類の叡智の結晶とする。その一方で、その叡智を与えたのは神であるから、そこに、何でも見通す神の目として「目」を表す。だからこそ、このシンボルはフリーメイソンの象徴となったのだ。
 この「プロビデンスの目」をアメリカの国章にするほど、アメリカは建国以来、フリーメイソンと深い関係にあった。そして都市伝説で定番ネタとなるのが、これと同じマーク「プロビデンスの目」が日本のお札にあることなのだ。
 手元に1000円札があれば、試しにやってみてほしい。
 1000円札の図柄は、2004年から野口英世の図柄になった。裏面は、逆さ富士がある。それを裏面から透かすと、ちょうど野口英世の左目の部分と、富士山が重なり合う。富士山は均等な二等辺三角形をしているために、まるでピラミッドに「目」があるように見える。
 まさに「プロビデンスの目」だ。
 日本の紙幣に、どうして「アメリカの国章」が描かれるのかと、都市伝説はいう。

 陰謀史観論者たちは、日本のお札にこのシンボルマークがあるのは、日本もフリーメイソンの支配下になった証拠だといってきた。
 なるはど、まったくその通りだ。
 だが、私の見方は、もっと辛辣である。
 そして、ここまで文章を読んだ読者も、同じ思いを抱くことだろう。
 アメリカのお札に「プロビデンスの目」があるのは、むしろ、「あって当然なのだ」。逆にないほうがおかしいであろう。なぜならドルは、彼らが作った彼らの「所有物」なのだから。当然、彼らの「サイン」があって当たり前である、と。

 では、どうして日本のお札にまで「サイン」があるのか。
 日本の1000円札は、野ロ英世の前は夏目漱石だった。それが、小泉政権下の2004年、なぜか、野口英世に変更になった。一万円札が福沢諭吉で継続されたように、1000円札も、国民的作家である夏目漱石のままで構わなかったはずだ。事実、夏目の1000円札の評判はとてもよかったのだから。
 なぜ、野口英世を無理やりに入れたのか――。
 確かに野口英世は明治から大正期にかけて活躍した優れたドクターの一人だ。実際、3度もノーベル賞候補になった。しかし、同世代の医学博士という意味では、世界的にも医学界的にも「血清療法」を生み出した北里柴三郎のほうが格段に上なのである。
 その北里ではなく、あえて野口を選んだ。しかも小泉純一郎が、である。
 理由を知るには彼の経歴を見ればすぐにわかる。
 野口英世はロックフェラー財団の医者(医学博士)なのだ――。
 日本ではスポイルされて、アメリカに渡り、初代ロックフェラー、ジョン・ロックフェラーにより見出され、世界的なドクターとなったのが野口英世だった。
 この野口の活躍でロックフェラー財団は世界的な名声を得る。野口はロックフェラーに尽くした初のアジア人でもあるのだ。

 2004年、日本で最も流通している1000円札がロックフェラー財団のスター、野口英世となり、その目が「プロビデンスの目」になったとき、間違いなく、日本、正確には小泉政権は「闇の支配者」の軍門に下った。その翌年の「9・11」に、小泉は「郵政選挙」を行ない、歴史的大勝を収め、郵政を民営化した。
 野口英世の1000円札は、すべての日本の「富」を差し出すと誓った小泉純一郎の「証」だった。だからこそ、小泉はアメリカ(闇の支配者)に愛されたのである。

★なわ・ふみひとのコメント★
 この本の中で、フルフォード氏は「パパ・ブッシュ(ジョージ・ブッシュ=ブッシュ前大統領の父親)こそが世界支配層の中枢にいる人物で“超大物”なのだと力説しています。「9・11(アメリカの同時多発テロ)」の仕掛け人もそのブッシュ一族だろうと述べています。私は、この点はフルフォード氏の説に疑問を持っています。真相を暴露するように見せながら、世界の真の支配層を巧妙にぼかしていると思えてなりません。フルフォード氏がさまざまな裏社会の真相暴露を続けていながら、命を狙われることもなく、著名な出版社から次々と著書を世に出すことが許されている理由はそのあたりにあると思われます。
  真にこの世界を支配している層は、その奥の院にさえ触れてこなければ、自分たちの手口を暴露されても痛くもかゆくもないのです。すでに世界一極支配の下地は完成しているからでしょう。世界最強国家といわれるアメリカも、いまや完全に彼らの掌中に収まっているとみるべきです。
そのアメリカを手玉に使って、たとえば小泉純一郎元首相を彼らの傀儡として働かせたように、いま世界支配層が日本を徹底的に蹂躙しつつあるという生々しい現実は認識しておくべきだと思います。
 
 
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