幕府が勝っても薩長土肥が勝っても儲かる「仕組み」
世界金融支配体制の利益徴収が巧妙なのは、「薩長土肥」にはロンドン支店のロッジが支援し、「幕府」にはパリ支店のロッジがついた点だった。
表の国家レベルでは、英国とフランスがあたかも競争・対立しているように見えたし、多くの歴史書もそのように残している。
しかしながら彼らの真の目的であるお金は、両方から彼らの元へと流れてくるようになっている。さすがに欧州王家から「徴税」を任された民族だけあり、これは見事な仕掛けというほかない。英国、フランスの名前が表に出ても、裏で真に利益を上げている彼らの存在は一切出ることなく、歴史を隠れ蓑としながら、今も最大限に繁栄している。これこそ究極のマインドコントロールだろう。
さらにこの仕掛けは、戦いが激しく長いほど、新式の武器や弾薬の購入費などの戦費がかさみ、どちらの勢力からも「あがり」が多くなる仕組みである。日本人同士の内戦なので、いずれが勝者となっても、新政府は双方の「戦争債」という莫大な借金を戦後支払わなければならない。そう見てくると、本来不必要だった戊辰戦争が起きた本当の理由は、世界金融支配体制の「利潤」にあったことがはっきりとわかる。
新勢力を作ることは、インド等の体験によって彼らには充分なノウハウがあった。目先が利き、かつ現状不満の若者などに「新文明」の素晴らしさを直接体験させればいいだけの話だ。幕末の志士のほとんどが下級の武士たちであった理由もここにある。
志士たちに勝たせるのも実に簡単だった。借金を形に最新兵器を売り、彼らの派遣した軍事教官をもって教育し、最新武装の洋式軍隊を作ればいいだけだ。
ただし、これまで支配下に収めてきたインド、東南アジア、中国と違い、日本は究極のヤマトごころである武士道を体現する「武士団」が統治していた。彼らは「個の利」では動かず、己の信ずるもののためには死をも辞さない。しかも戦争時以外でも帯刀している、いつでも武力行使ができる存在だ。植民地化統治という点では、極めてやっかいな存在だった。
精神的にも物理的にも、このサムライたちを「武装解除」しない限り、金融侵略者たちは自由な活動ができない。つまり彼らの個の利益を最優先する生き方と対極にある、ヤマトごころの究極の武士道精神をいかに滅ぼすかが、彼らの日本における経済活動成功のポイントでもあった。
裏の金融支配体制の確立のために葬られた坂本龍馬
こうして渡航を禁止していた幕府の御法度を無視して、いわゆる幕末の志士たちを、彼らの力と富と文明の象徴である「黒船(軍艦)」に乗船させ、上海の高層ビル街へと「体験ツアー」させた。これは、インドの若者をロンドンの大学等で体験させ、中間統治者として育てることと同じ構造である。
ただし日本の若者、いわゆる志士たちへの工作の最大のポイントは、近代巨大物質文明の前には、武士道精神の無力・無意昧さを認識させ、彼らと同じような行動基準、つまり「個の経済的利益」を行動の規範とする新勢力を作ることにあった。
特に彼らが目を付けて、バックから支えたのが坂本龍馬だった。坂本龍馬を基軸にして、それまで犬猿の仲だった薩摩と長州を同盟させ、彼らの望み通りの新旧対立、つまり薩長土肥軍と幕府軍が戦える状況まで作った。
ところが、である。
武士道の心を持つ坂本龍馬は、彼らの意図を超えて「船中八策」という大政奉還、国会の創立、有意な全国民層の参政、新憲法の発布などを提唱した。
龍馬は、わざわざ日本人同士で内輪揉め=内戦する必要性がない、和を以て尊しの精神で日本人が一致団結して新生日本を作ればいい、と説いたのだ。
もし坂本龍馬の提案通りに日本が近代化すると、世界金融体制にとってとんでもないことになる。戦争による莫大な直接的利益は得られず、これまでの投資も水の泡。新政府の中での彼らの金融支配の確立も危ぶまれる。その結論として、彼らの意図を超えてしまった坂本龍馬を「葬る」必要があったのだと思われる。
★なわ・ふみひとのコメント★(2011年記)
既に当サイトでたびたびご紹介してきた内容です。日本を支配下に置くために、坂本龍馬をはじめとする幕末・維新の志士たちを操った勢力のことを、ここでは「金融支配体制」という一般の人にも受け入れやすい表現にしてあります。その頭に「ユダヤ――」とつける人もいますし、別名で「フリーメイソン」と呼ぶ人もいます。が、いずれにしても、古くからこの地球を支配下に置いている強大な世界地下政府とみるべきでしょう。その勢力の前では一国の運命といえども風前の灯なのです。そして、いまもなお、日本はもちろん、その日本を属国化していると見られているアメリカという世界最強国家さえも、すでに彼らの掌中にあるということが見て取れます。もちろん、そのカウンターパワーとして旧ソ連(現ロシア)に代わって育成されつつある中国にしても、彼らのコントロール下にあるのは言うまでもありません。
昨年、NHKの大河ドラマが坂本龍馬を採り上げましたが、あれなどは幕末〜維新の真実を覆い隠すために巧妙な仕掛けがしてあったと見るべきでしょう。私は時間がもったいないので一度も見ませんでしたが……(ドラマであっても、NHKの歴史物は「百の真理に猛毒一滴」となっています。見たら必ず嘘を信じ込まされてしまいます)。おそらく、当の龍馬は草葉の陰で「この国は堕ちてしまったのぉ」と涙を流し嘆息をつくような内容だったに違いありません。
この本の著者の続刊『マインド・コントロール2〜今そこにある情報汚染』(ビジネス社)では、第三章で「日本に世界一の原発が存在する理由」として、原発問題について詳しく述べられています。「どこにある原発が暴走しても、日本は国家として壊滅する」という表現がありますが、まさにいまその事態に直面しているといえるのではないでしょうか。日本は亡国民主党政権のもとで壊滅の道を歩まされているのです。それをコントロールしているのが「世界地下政府」だということです。
★なわ・ふみひとのコメント★(2012年記)
著者の最新刊『超マインドコントロール』(マガジンハウス)も購入しました。その中に「いまだにテレビや新聞を正義の味方と勘違いしている人がいる!」という一文があります。まったく同感です。たとえば福島の原発事故に関しての報道で、テレビや新聞が正しい情報を伝えていると思っている人は「洗脳されている人」と思って間違いないでしょう。
ところが、実際に世の中を動かしているのはこのようなテレビや新聞などによって提供される情報なのです。ですから、大衆は見事に操られています。そもそも、今日の異常なまでのスポーツブームも、支配しやすい“家畜人間”をつくるために世界支配層の綿密な洗脳戦略によって作り出された世の中の風潮なのです。
その洗脳戦略は俗に「3S」と呼ばれ「スポーツ」「スクリーン(かつての「映画」いまは「テレビ」と「ネットのゲーム」)」そして「セックス」の3つです。英語の頭文字が「S」で始まるためにそのように呼ばれています。オリンピックやサッカーのワールドカップなどはそのために利用されている最大のショーと言うことができます。
結論としまして、テレビ(特にニュースやドラマ)は見ないこと、新聞の見出しの拾い読みはしないことです。これで十分とは言えませんが、この2点はマインドコントロールを防ぐために欠かせません。
★なわ・ふみひとのコメント★(2013年記)
著者の池田整治氏は元自衛官です。それだけに、一般の人には見えないこの国の裏舞台をのぞくことができたのでしょう。その池田氏は「世界の現実を見るポイント」として、その人物が以下のどのグループに属しているかを見ることが大切だと指摘しています。
1 決して表に出ることなく、世界を裏から動かしている支配者グループ。
2 真の支配者グループから直接指示を受け、表の世界で実際に動く権力者グループ。
3 真の支配者を知らず、表の権力者のために働く(または働かされる)グループ。
4 前記の構造など一切知らない普通の人々(いわゆる働き蜂・世論を形成)。
5 前記の構造を熟知した上で意識向上し、世界をよくするために活動する人たち。
現在の日本では、2の権力者グループが政府の中枢(高級官僚)を占め、タレント的な政治家を操っていると考えられます。政治家の大半は3のグループでしょう。それでも、首相を務めるような政治家は2に属していると見ておく必要があります。再登板した自民党の安倍首相も、今回は2のグループの人物たちにコントロールされているのがよくわかります。前回の首相時に病気にさせられた苦い経験に基づき、今回は支配層の意に反するような行動はしない(できない)でしょう。ということは、今回の「アベノミクス」は支配層の計画の一部ということになります。
日本経済に第二のバブルを起こさせ、最終的にはそのバブルを破裂させて日本の富を根こそぎ収奪する計画ではないかと見ています。そのことを警告する識者もいますが、単にお金の問題としてしかとらえていないのが惜しいところです。いま求められるのは5のグループ、すなわち意識の面で世界のために行動するグループです。しかしながら、日本人全体が洗脳されてしまっている現状では、そのような人物の出番があるのはバブルの崩壊後ということになるのかもしれません。
|