■ 憎しみの銃火を浴びた北国の街!
最後の回線は乙女たちの慟哭を残して切れた・・・
ソ連領サハリンと呼ばれるかつての樺太。終戦時の混乱期に、この地は十万余の同胞を失った。この映画はソ連の侵攻作戦の真只中、最後まで通信連絡をとり、若い生命を投げ打った真岡郵便局電話交換手九人の乙女の悲劇を描いた真実の物語である。
■ キャスト
二木てるみ 鳥居恵子 岡田可愛 野村けい子 今出川西紀 八木孝子 桐生かほる 木内みどり 北原早苗 岡本茉利 大石はるみ 藤田弓子 真木沙織 藤園貴巳子 千秋実 若林豪 島田正吾 丹波哲郎 三上真一郎 藤岡重慶 黒沢年男 佐原健二 今福正雄 赤木春恵 七尾伶子 伊沢一郎 田村高廣 南田洋子 浜田光夫 岡田由紀子 柳川慶子 栗田ひろみ 見明凡太郎 柳谷寛 織本順吉 鳳八千代 久野四郎 城山順子 久米明
戦前は日本の領土だった樺太(からふと)の南半分には、多くの日本人が住み着き、生活していました。そんな中、日本が世界最強国アメリカを相手に無謀な戦争を始めたのです。樺太の北半分はソ連の領土でした。そのソ連はアメリカと同じ連合国側に属する国で、ヨーロッパでドイツを相手に戦っていました。樺太に住む人たちにとっては、相手陣営の国と陸続きで接しているわけですから、不安な気持ちが胸をよぎったことでしょう。
しかし幸いなことに、そのソ連とは、日本は日ソ中立条約によって相互不可侵の約束をしていました。当時の日本の軍部は、戦力を南方のアジア方面に振り向けるべきか、ソ連との戦いに備えるべきか悩んだようですが、ゾルゲというドイツ人になりすましたロシアのスパイの働き等によって、ソ連が望んでいたとおり南進の決定をすることになるのです。
その結果、ソ連はシベリアに配置していた自らの膨大な戦力の大半を、ヨーロッパにおける対ドイツ戦に注力することができ、そのおかげで戦いに勝利することとなりました。そして、ドイツが降伏するや、ただちにその戦力のすべてを再びシベリアに移し、日本との戦いの準備を始めるのです。
そのころ、すでに日本は敗色濃厚で、いつ降伏してもおかしくない状況になっていましたが、残念なことに日本とアメリカの仲介役をしてくれる国はどこにもなかったのです。
2005年8月に放送されたNHKの「その時世界が動いた〜ソ連参戦の衝撃」によりますと、当時日本の軍の中枢は、アメリカとの仲介役をソ連に期待していたようです。当時の軍の情報収集力が、いかにお粗末なものであったかがわかります。
結局、有効な戦争終結の手段が講じられないまま、広島に原爆が投下され、さらに長崎に2つめの原爆が落とされた8月9日に、ソ連は突如日ソ中立条約を破棄して、すでにアメリカとの戦争で戦力の大半を失っている日本に宣戦布告するのです。
まず満州から戦闘の火ぶたが切られました。というより、ソ連の圧倒的な戦力によって、満州にいた日本軍と多くの民間人が次々と蹂躙されていくのです。そのときの状況を、NHKが映像を使ってわかりやすく伝えていました。胸が痛くなる悲しいドキュメントでした。「戦争はしてはならない」という気持ちを、視聴した多くの方が改めて心に刻んだことと思います。
以下はNHKの「その時歴史が動いた」の番組紹介の文章です。
■ソ連参戦の衝撃〜満州開拓民はなぜ取り残された
ソ連軍は日ソ中立条約を破り、戦車5千台・兵員157万人の圧倒的戦力で、当時日本の支配下にあった満州国(現在の中国東北部)に侵攻した。満州を守備していた日本軍は敗退。満州に移住していた100万を超す日本人居留民は戦闘に巻き込まれ、多くの犠牲を強いられた。このことは、戦後、シベリア抑留や中国残留孤児の問題を生むことになる。様々な史料や証言から、ソ連の対日参戦が引きおこした悲劇を描く。
この放送の中で、「中立条約を結んでいたのに、それを一方的に破棄して侵略し、多くの日本人を殺し、婦女子に暴行を働き、また105万人を超える日本兵をシベリアに抑留し、満足な食料も与えずに強制労働をさせ、少なくとも37万人以上を虐殺した」ソ連(現ロシア)に対する批判的な言辞は全くありませんでした。
ロシアへの配慮など政治的な理由や、放送の中立性を意識しての抑制された報道だとしても、はたしてそれが今の一般的な日本国民の感覚なのでしょうか。中国や韓国のテレビ放送で、日本の過去の過ちを厳しくとがめているのとは対照的です。
原爆を落とした国が反省の言葉を述べることもないまま、その後も大量の核兵器を製造して保有し、逆に原爆を落とされた国が、「二度と同じ過ちは繰り返しません」と原爆記念碑に刻むことにも違和感を感じますが、それでもアメリカにすれば「最初に戦争を仕掛けたのは日本だから、原爆を落とされても仕方があるまい」という理屈が通るかもしれません。
しかし、ソ連と日本はそれまで不可侵の条約を結んでいて、全く戦闘を交えたことがなかったのです。そのソ連が、日本からの仲介の依頼については門前払いをして、中立条約を一方的に破棄し、圧倒的な戦力で日本の支配地に攻め込んできたのです。その戦闘の中で、満州に移住していた100万を超える日本の民間人が暮らしを破壊され、財産を略奪され、家族と別れ別れになる悲惨な状況に追い込まれたのです。
もし日本にわずかでも非があるとすれば、それはソ連と直接戦闘を交えたドイツと、日本が同盟を結んでいたということだけです。しかし、そのことはわかった上で、日本とソ連は中立条約を結んでいたのですから、侵攻の理由にはなりません。
「氷雪の門」が上映されなかった理由
ここで話を「氷雪の門」に戻します。
あの映画は、ソ連が満州と同じ形で、わが国固有の領土だった樺太に侵攻してきた様子が生々しく描かれています。映画の中で、ソ連の飛行機が、逃げまどう一般市民に空から機銃掃射を浴びせる光景がありますが、それは明らかに人を殺すことを目的としたもので、大変な憤りを覚えたものです。同じような光景は、今はロシアの領土とされ日本が返還を求めている北方領土でも見られたことでしょう。
☆ ★ ☆
映画の方は、あれだけの豪華キャストをそろえて作られた名作なのに、なぜ日本の映画館で上映することができなかったのでしょうか。それは上映直前にソ連から直接圧力がかかり、政府が日ソ関係の悪化を避けるため、映画会社に働きかけて上映を断念させたからということです。このあたりの事情は私も詳しくは知りません。
ただ、完成した映画が外国の横やりで上映できなくなるというようなことは、他の国では考えられないでしょう。そういう日本の弱腰の姿勢は、ソ連(現ロシア)以外の国もよく知っていますので、中国や韓国がわが国の教科書の内容にまで口出しをする結果になっているのです。首相の靖国神社参拝の問題もまったく同じ淵源から来ています。
しかも、残念なことに、わが国にはそのような情報を外国の政府にご注進に及ぶスパイもどきの人物が多数いるのです。有力な政治家や結構著名なマスコミ関係者の中に、そのような許し難い人物を見かけます。このあたりのことは、また稿を改めてご説明したいと思います。
そういう事情があって一般の映画館での上映ができなくなった「氷雪の門」は、どちらかといえば「右寄り」と見られていた市民団体や同盟系の労働組合の有志の手によって、市民の集会や組合役員を対象とした研修の中で細々と自主上映が続けられたのです。
平和を望むだけでは戦争はなくならない
さて、先の戦争で敗戦国となった我が国では、戦勝国側の一方的なプロパガンダによる洗脳によって、「日本が戦争を始めたから悪いんだ。戦争さえしなければ、空襲や原爆投下などの悲惨な体験もしなくてすんだのだ」といわんばかりの発言をする人を見かけます。「とにかく、平和が一番。平和が大好き!」といった感じの人たちです。
この場合の「平和」とは、たぶん「武器を使った戦闘のない状態」のことを意味していると思われますが、そういう意味の「平和」であったとしても、「戦争と平和のどちらを選ぶか」と問われて、「戦争」と答える人はいないでしょう。少なくとも、自分や自分の愛する家族を巻き込んでもいいという意味で「戦争」を選ぶ人はいないと思います。それは日本人に限らず、世界中のすべての人に言えることです。誰もが平和な暮らしを願っているはずだからです。
しかしながら、現実には日本の戦後60年の間にも、世界中で非常にたくさんの「戦争」が起こっています。誰もが「平和」を望んでいるのに戦争が起こるのはなぜでしょうか。そのことを考えることもなく、ただ情緒的に「戦争はきらいです。みなさん平和がいいですよ。戦争はやめなさい」と呼びかけても、たとえばアフガニスタンやイラクの人々の共感は得られないでしょう。「私たちだって戦争が好きなわけではありません!」と反発されるに違いありません。
誰もが平和を望んでいるのに、戦争が起こるのはなぜか――いまアメリカ(を裏から支配する勢力)によって仕掛けられた戦争で大変悲惨な状況に陥っているアフガニスタンやイラクの人たちと、戦後60年間、曲がりなりにも平和な時間を過ごしてきた私たち日本人の間に、何か違いがあったでしょうか。あの国の人たちは、戦争に巻き込まれるだけの問題があったのでしょうか――。そうではないと思います。戦争は、少なくとも今日では、国民の側に問題があって起こるのではないのです。
ひとくちに言いますと、戦争が起こらないと困る勢力、戦争を起こすことによって利益を得る勢力が、この世界の中に存在しているために起こるのです。というより、計画的に戦争状態が作り出されているのです。
それが第1次世界大戦であり、日本も巻き込まれることになった第2次世界大戦なのです。そのことを理解しないと、国民が平和を望みさえすれば平和が維持されるという、戦後の日本人の大半が陥っている「一国平和主義(自分の国さえ平和であればそれでいいという考え)」の落とし穴にはまってしまいます。世界の平和に貢献するようなことには手を汚さず、ただ自分の国の平和を願っているだけの人を、世界の人々は決して「平和を愛する人」とは呼んでくれないでしょう。そして、今日の世界情勢のなかでは、一つの国だけが平和を保証されるということはあり得ないのです。
ということで、戦争を起こしたがっている勢力とは何なのか、どこにいるのか、ということについて、私の考えを明らかにしていきたいと思います。
戦争を作り出そうとしている超国家勢力の存在
「人類の歴史の半分は争いの歴史だ」という人もいるほど、歴史を紐解きますと、大昔から人類は争いを繰り返しています。日本人同士でも、幾多の争いで血を流しているのはご存じの通りです。
いま我が国を侵略国呼ばわりしている中国は、国の形が定まるまでにも、さらにスケールの大きい争いの歴史を積み重ねています。決して「平和を愛する国」とはいえないのです。有名な『三国志』などにも描かれているように、さまざまな民族が争いを繰り返し、おびただしい人の命が失われてきたのです。
現代になってからの60年の間にも、朝鮮戦争やベトナム戦争、カンボジア内戦への干渉をはじめ、チベットへの侵攻など、たくさんの戦争と関わりを持ってきたのが現実です。
さらに中国は、国内において思想犯(犯罪を犯したというわけではなく、共産党政権に対する反対意見を持つ人)の弾圧などを繰り返し、文化大革命や天安門事件では多くの同胞が血を流したといわれています。非公式ではありますが、文化大革命時に命を失った人の数は3000万人を下らないという報告もあるのです。
このように、人類は領土や主権、そして食料をはじめとする資源を巡っての利害の調整のため、あるいは思想や考え方の対立を解消する目的で、「戦争」という残酷な手段に訴えてきたことがわかります。
しかしながら、私がここで問題にしようとしているのは、そのような国と国、あるいは民族と民族が対立するようにし向け、戦争状態を作り出そうという超国家勢力が存在するという事実です。そこに目を向けないと、日本が無謀な戦争に巻き込まれて悲惨な結末を迎えることになった真の原因も理解できないからです。
そして、終わった戦争の体験を大切にすることと同じくらい、あるいはそれ以上に強い関心を持って、これから起ころうとしている(起こそうとされている)出来事を予測し、それに備える必要があると思っています。
「いま人類は終末の時代を迎えている」という認識に立つ私の最大の関心は、「これから人類は(というより私たち日本人は)再びあのような悲惨な戦争状態を体験することになるのだろうか?」という一点にあります。そして、その問いかけに対する私自身の結論は、「これから間違いなく、世界は、そしてわが日本は、さらに悲惨な戦争の渦の中に巻き込まれていくだろう」というものです。
日本侵攻の決定をした責任者は誰か
ソ連が日本との中立条約を破棄して満州や樺太などに侵攻を始める時点では、日本はすでにアメリカとの戦いで戦力の大半を失っていました。軍の中枢も、戦争を終わらせるためにアメリカとの仲介役をソ連に期待していたことは、前にも述べたとおりです。
その日本に侵攻し、軍人だけでなく多くの民間人の殺戮を命令した張本人は、当時のソ連の最高権力者スターリンだったのです。ソ連兵は、国の方針に従って(多少のエスカレートはあったとしても)、残虐な行為を働いたと見なければなりません。それが戦争というものでしょう。一個人としては、女性や子供、老人などを中心とした当時の日本人を殺したり、財産を奪ったりすることに抵抗のあるソ連兵もいたに違いありません。しかし、ひとたび国の方針が決まると、一兵士ではそれに逆らうことはできなくなるのです。
当時のソ連は共産党の一党支配の国でしたので、共産党の最高の実力者が国の方針を決めていたのです。反対する野党や報道機関はありませんから、一つの政党の考えで国を動かすことができたのです。
もちろん、党の中にもいろんな考えをする人がいて、いろいろと意見の対立はあったことでしょう。違った考えを持つ人もいたはずです。そういう反対意見の持ち主、最高権力者の考えに同調しない人物を、次々に党や政府、軍の中枢からはずしていったのが、スターリンだったのです。しかも、そのはずし方が非常に残忍で、かつ大規模なものであったことが明らかになっています。
かつてのロシアがレーニン等による革命によって、ソ連という共和国になった経過と、レーニンの死後に権力を握ったスターリンが行なった大虐殺の内容を、コンノケンイチ氏の『世界はここまで騙された』(徳間書店)の中から拾って紹介します。
■ロシアが「災いの核」になる?
ファティマに出現した聖母は、ルシアに「ロシアが災いの核になる」と警告している。
ファティマ奇跡から1カ月にも満たない11月7日、レーニンとトロッキー率いるユダヤ・ボルシェビキが、ネバ川に停泊中の巡洋艦オーロラ号の砲声を合図に武装蜂起して、ロシア大革命が勃発した。
そこでは、まずロマノフ一家が陰惨に殺害され、富と財宝の多くがイギリス王家に略奪された。革命後のロシア政府が真っ先に行なったのは、ロシア正教(キリスト教)への弾圧だった。多くの教会が破壊され、数十万ものキリスト教徒が行方不明になり、虐殺されたのである。
レーニンは首都ペテログラード(現サンクトペテルブルク)の冬宮に立てこもっていたロシア臨時政府(ケレンスキー首相)を打倒し、翌26日、ただちにソビエト政権樹立を宣言した。これが歴史に残る「ロシア10月革命」である。
ロシア革命の主役レーニンは、本名をウリヤーノフといい、ユダヤ人の母を持つ。1940年8月に暗殺されたトロッキーは、本名をブロンスタインといい、同じくユダヤ人だ、。 革命の主な指導者ジノビエフ、カーメネフ、ラディックは、堂々とユダヤ人の本名を名乗っていたし、革命後に発足した人民委員会の総メンバー22名のうち17名がユダヤ人だった。さらに軍事委員会43名中33名、外務委員会16名中13名、財務委員会30名中24名、司法委員会にいたっては、21名のうち20名までがユダヤ人である。
このように、ロシア革命は名実共にユダヤ革命で、ユダヤ人によって全権力を掌握されたユダヤ政府以外の何ものでもなかった。
ファティマの聖母が語った「災いの核」となるサタンとは、ロシア革命の主役「ユダヤ超国家勢力」を指していたのである。
1924年に死亡したレーニンの後継者スターリンも、ユダヤ人とのハーフ(混血児)で、妻はユダヤ人である。彼は権力を握ると直ちに「一国社会主義論」を提唱して、後の秘密警察KGBの前身となる「国家保安委員会」を創設。その長官に任命されたベリアも、スターリンと同じユダヤ人のハーフだった。
ユダヤ超国家勢力は第2次世界大戦の勃発前、シナリオの第2段階に着手した。いわゆる「スターリン大粛清」である。
この大粛正の目的は、ロシア頭脳集団の消滅で、共産党、軍、知識人、一般市民、農民までが対象にされ、犠牲者は少なくとも350万人。1000万人以上と推定している歴史学者もいる。とくにスラブ魂の権化である政治局員や、ロシア軍幹部に対する粛清は凄まじいものだった。
いわゆる3大粛正と呼ばれるものは、レーニン時代からの古参政治局員を対象にしたもので、合同本部事件では、ジノビエフ、カーメネフら16人を処刑。併行本部事件でラディックら13人、右翼トロッキスト・ブロック事件ではブハーリン、ルイコフら18人を処刑している。1937年〜1938年には、当時138人いた党中央委員のうち、98人までが銃殺刑に処せられている。
軍部に対しては、元帥3人の処刑を皮切りに、海軍大臣10人の全員を銃殺刑、陸軍政治委員全員をはじめ3万人の将軍と将校、大佐クラスの軍人が処刑された。第2次世界大戦中でも、これほど多数の軍幹部が命を落とすことはなかった。
ハーバード大学のマーク・クレイマーは「スターリン大粛清で有能な指揮官が一掃されたため、ソ連は対独戦の初期段階で敗北寸前まで追い込まれるという、破滅的な代価を払った」と述べている。
ロシア・ドキュメンタリー映画の巨匠、スタニスラフ・ゴウォルーヒン監督の『我々が失ったロシア』は、次のナレーションで始まる。
■フランスの経済学者は20世紀初め、ロシアは20世紀の半ばに人口が3億4300万に達し、政治的にも経済的にも世界に君臨するだろうと予想した。しかし、1950年の時点で、ソ連の人口は1億7000万にすぎない。人口が予想を下回った原因の一つは、第2次世界大戦の結果もあるが、それ以上にソ連共産党が1917年に自国民に対して仕掛けた戦争、内戦、粛清、飢餓、収容集団化が、6600万人もの犠牲者を出したからだった。
1997年10月6日のモスクワ放送は、ロシア10月革命を前にして、欧米の学者が推定した「ソビエト共産主義の偉大なる思想」による犠牲者の数を紹介している。それによると「10月革命が起きた1917年から、ソ連邦崩壊の1987年までに6200万人が殺害され、うち4000万人が収容所で死んだ。レーニンは社会主義建設のために国内で400万人の命を奪い、スターリンは4260万人の命を奪った」。
ソルジェニツィン著『収容所列島』でも述べられているように、スターリン時代のソ連秘密警察KGBによる国家反逆の名目で行なわれた大粛清は、同胞への凄まじい拷問と殺戮だった。国家そのものが自国民を、これほど大量に抹殺した例はない。6600万人というのは、日本でいえば、男性全員がキレイさっぱり抹殺されたに等しい。
しかも、高級軍人や思想犯の多くが抹殺されたため、第2次大戦後のロシアはユダヤ超国家勢力の「人間ゴイム(家畜)化」の実験場と化し、まさに脳が欠落した国家になったのである。
ちなみに、ユダヤ人ホロコーストを行なったヒトラーの祖父もオーストリア系ユダヤ人で、ヒトラー自身もユダヤの血を受け継いでいる。しかも彼は、ロスチャイルド家から資金援助を受けていたという。ロスチャイルドは、ヨーロッパ・ユダヤの大財閥で、「超国家勢力」の奥の院でもある。
―― 『世界はここまで騙された』(コンノケンイチ・著/徳間書店)
時代の波は意図的・計画的につくられている
時代の波に翻弄されるのは、いつも一般民衆ということになっています。
人がより豊かな人生を送るために、どうすればうまく世の中の荒波を乗りこなし、成功を収めることができるかということに知恵を絞るのは大切なことです。
しかし時代の波は、そういう個人の努力によって得られた成果を、あっという間に押し流してしまうことがあります。新天地での成功を夢見て満州の開拓事業に参加した人たちの中には、現地で成功し、多くの財産を蓄えた人もあったことでしょう。しかし、ソ連軍の突然の侵攻という予期せぬ出来事によって、それまでの努力は、家族との幸せな暮らしとともに一瞬にして水の泡と消えてしまったのです。
そういう意味では、目の前の課題にまじめに取り組む姿勢と同時に、時代を変えていく大きな波の流れを見通し、備えていくことがとても大切になってきます。しかも、今私たち人類は、聖書などに書かれている「終末の時代」を迎えていると思われますので、これから押し寄せる波はとてつもなく大きく、従来の備え方ではとても乗り切ることはできないものになるでしょう。
そのことを『2012年の黙示録』の中に書き尽くしたつもりですが、まだ半信半疑の方が多いのではないかと思います。ということで、これからしばらくは、あの本の内容を更に噛み砕いて、私の考えを解説的に述べていくことにいたします。
世界を動かしている超国家勢力の正体とは
コンノケンイチ氏のさきほどの文章の末尾に「ロスチャイルド」という固有名詞が出てきました。アメリカを陰から支配しているといわれるロックフェラーと並べられ、陰の世界政府の頂点に近い位置にいると思われる存在です。おそらく現在の日本の権力層のなかにも、その影響力は及んでいることでしょう。
しかし、「黒幕」はいつも表面には出てこないのです。お金で解決できることであれば、その莫大な資金力によって自由に世界を動かすことができるからです。テロリストを雇うことも、時の権力者に命じて、自分たちに都合の悪い団体や組織、場合によっては国そのものを破壊や破滅に導くことも簡単なことなのです。かの有名なケネディ暗殺事件も、結局は真犯人が明らかにされないまま捜査活動が打ち切られ、真実が封印されました。アメリカ政府の力をもってしても、自国の大統領を殺害した犯人に関する真実を明らかにすることができないのです。
「9.11」事件も全く同じ経過をたどっています。世界中の人が注目する形で、あのような大胆な事件を仕組み、どう見ても真犯人とは思えないダミーの犯人に罪をかぶせて、事件の真相を封印させる力がいかに強大なものであるかが分かると思います。
フランス革命もロシア革命も、その裏には「超国家勢力」の姿が見え隠れしています。コンノケンイチ氏はロシア革命の背景と、その後のスターリンによる自国民の大虐殺の経過を明らかにしてくれました。これを単なるスターリンという特殊な人物の狂気がなせる業だと思う方は、スターリンが死んだ今はもうそんな問題は起こらないと思っておられるかも知れません。それは歴史の裏舞台を知らないためで、今後も第2、第3のスターリンやヒトラーは計画的に作りだされる可能性が高いのです。
アメリカのブッシュ元大統領も、ある意味では現代のスターリンと言えるかもしれません。報道はされていませんが、イラクやアフガニスタンで殺された民間人の数は万単位だと言われています。
イラクでテロ等により戦死したアメリカ兵の数も、実際には1万人を超えているという情報もあります。一般のアメリカ人も、本当は犠牲者なのです。アメリカ人がイラクやアフガニスタンの人に恨みを持っているのでなく、そのように仕組まれ、有無を言わさず戦争をさせられているのが実状です。日本の自衛隊が、国の決定によって、テロの不安が消えないイラクに派遣されたのと同じことです。
このように、アメリカの大統領をも陰で動かす勢力によって戦争の舞台が作られ、多くの人が自分の意志とは関係なく人を殺したり、自ら殺される状況に追い込まれているのです。ですから、これは大統領の首をすげ替えれば解決する問題ではないのです。世界を動かしている「黒幕」が、戦争を望んでいるからです。
私たちは、マスメディアから与えられる情報を鵜呑みにするのでなく、その裏にいる「黒幕」の意図を見抜く目を育てなくてはいけません。そのことによって、いま私たちを翻弄しつつある時代の波が何処で起こされ、今後どのような影響を及ぼしてくるのかを知ることができるのです。
氷山に近づいているタイタニック号の中の「日本」という船室で、船がどこに向かっているのかということには無関心のまま、自分の持ち物の量や質を他の人と比べて自慢し合ったり、ゲーム(プロ野球やゴルフ、サッカーなどのスポーツ)に興じてはしゃいでいる場合ではないはずです。今日のこの国の姿は、まさに「銃口に首を突っ込んで笑っている」姿に見えてなりません。
満州や樺太で起こったことは、ある意味では雛型現象と見ることができます。これから数年のうちに日本を襲うと思われる事態は、まさに満州や樺太で起こった内容を拡大したものになるのではないかと思うからです。
満州で日本人の身に起こったことが雛型となって、これから日本の中で同じようなことが起こるのではないかと気になります。なぜなら、あの満州でソ連兵によって引き起こされたことが、そっくりそのまま日月神示に述べられているからです。「北からに気をつけよ」という警告の「北」はロシアのことであろうというのが、多くの予言研究者の意見の一致するところなのです。
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