あなたも超能力者になれる?
2005年8月掲載文を再編集しました。 
 

 高橋克彦氏の『未来からのメッセージ』(サンマーク出版)というエッセイ集の中に興味深い内容があります。そのうちの一つをご紹介しましょう。
 著者の高橋克彦氏はNHKの大河ドラマ『炎(ほむら)立つ』の作者として知られていますが、主としてSF小説を書いている作家です。高橋氏は作品の中に必ず「銀河」「龍」「洞窟」「宇宙船(UFO)」を登場させることにしているほど、不思議現象に関心を持っている人物ということで、私も以前から注目していました。

■誰かに書かされている
 NHKの大河ドラマになった『炎立つ』の原作を書いているときのことだ。
 盛岡市内で、あるパーティーに出席したことがあった。このとき、ある霊能者から「高橋さんの周囲には三人の鎧(よろい)を着た人が憑いている」といわれたことがあった。
 容貌を聞いてみると、どうも『炎立つ』の登場人物である藤原経清、安部貞任、源義家のようなのだ。この三人は、作者として大いに困った登場人物たちなのだ。どんな台詞を書けばいいか、頭を悩ましつづけた面々だからである。
 彼らは作者の僕ですら考えてもいないことを語りだし、僕がその言葉を慌ててワープロに打つということすらあった。それを見て、「あぁ、そうか。こいつ、こんなことを考えてたのか」などと作者のほうが感心してしまうくらいだったのだ。
 どうもこれは僕が書いているのではなく、誰かが後ろに立って誘導しているような気がしてならない。
 他の小説の場合は、ある程度、自分でコントロールがきいたが、この『炎立つ』と『竜の柩』という小説だけは特別だった。この二つは自分が書いたのではないという意識すらしている。それほど、自分では想像もできない台詞を登場人物たちが語り出すということが数多くあったのだ。
 そんなことが起こるのは、僕がトランス状態だったからだろうと、自分を納得させてはみても、なんでもないたった一行の台詞を書いているときに、急に涙が止まらなくなったりすると、やはり何かが違うと考えざるをえない。
 物語を作るとき、読者に涙を流させるテクニックがある。僕もプロだから泣かせるコツをマスターしているつもりだ。ところが、そのつもりで書いたのではないところで、作者自身が泣いてしまうとはどうしても納得できない。
 『炎立つ』の場合、それは経清の妻の台詞だったのだが、おそらく僕が流した涙は、彼女の無念の涙だったのではないだろうか。
 また『炎立つ』の最終場面でもっとも描写に苦慮したのが北条政子だった。
 もともと自分には女を描くことが苦手だという意識もあった。また北条政子にスポットを当てると話がずれる危険もあった。しかし政子ほどの大きな存在に触れないわけにはいかない。
 そんなジレンマの中、僕は名前だけ出して表には登場しないように描こうと決めた。たとえば、「政子は今、身重で動けぬ」という感じといったらいいだろうか。
 ところが、「高橋さんにもう一人、霊が憑いていますよ。北条政子さんが本当の私を描いてもらいたいといってます」と、先ほどの霊能者にいわれてしまった。これには思わず背筋がゾッとしてしまった。 
 ―― 『未来からのメッセージ』(高橋克彦・著/サンマーク出版)


 作家や俳優に霊が憑く話はよく聞きます。かの沢田研二さんが映画「魔界転生」で天草四郎の役を演じたとき、撮影中に天草四郎と思われる霊に憑依されて困ったという話を聞いたことがあります。
 また、自衛隊の市ヶ谷駐屯地に乗り込んで自決した作家の三島由紀夫さんは、生前『英霊の声』を執筆中に、「自分は眠くて朦朧としているのに筆だけは闊達に動いて、小説を書き上げたことがあった」と述べています。しかも、内容を後で読んでみると、自分でも納得できなかったのだとか。
 そのとき憑依していたのが、二・二六事件の青年将校の一人で、事件後死刑となった磯部浅一だったそうです。当サイト、美輪明宏さんの話として載せています。
 生長の家の創始者の谷口雅春さんも、執筆中の姿を霊能者が霊視すると、白衣を着て長い髭を伸ばした老人が背後から覆い被さり、谷口さんの腕に自分の腕を重ねるようにして執筆している姿が見えたと、著書の中に書いておられました。
 異次元の存在は、いろいろな形でこの三次元世界の人間に干渉しているということです。その中には、高級神霊もいれば、まだこの世界に未練を持つ未成仏の霊、あるいは動物霊やそれ以下の意識を持つ魑魅魍魎まで、さまざまな存在がいるということです。そのことは多くの霊界通信が伝えているところですが、その中でも日月神示の内容がもっとも体系的に述べられていて、またレベルの高い通信であると思っています。
 その日月神示に、以下のような内容があります。これは拙著『2012年の黙示録』(たま出版)から拾ったものです。

 食物、食べ過ぎるから病になるのぢゃ。不運となるのぢゃ。
 腹十分食べてはこぼれる、運はつまってひらけん。この判りきったこと、何故に判らんのぢゃ。ツキモノがたらふく食べていることに気づかんのか。食べ物節すればツキモノ改心するぞ。


 私たちは食べ物から波動をとり入れることになりますので、農薬や添加物などで汚された今日の食べ物はとりすぎないほうがよいのです。また、健康上の問題とは別に、小食は運命をよくするという考え方もあります。しかしながら、美食と飽食に慣らされた現代人にはちょっと難しい注文かも知れません。ですから、「獣側に行ってもいいから、今の食生活はやめたくない」という方は、今の食生活をお続けになったらいいと思います。ただし、近い将来に食糧危機が来て、空腹の苦しさという形でカルマの清算をさせられる可能性は高いと思います。
 そのとき、満腹に慣れた胃袋は、なかなか辛抱してくれないのではないでしょうか。
 ツキモノというのは、別次元(幽界)の低級霊という意味です。肉体を失ったあともこの世の食べ物に未練のある未成仏霊が、自分と同じような食欲旺盛な人間に憑依(ひょうい)して、その人間を通じて食べ物(の波動)を口にするのです。本人が食べているようにみえますが、実は低級霊の口に入っている場合が多いということです。ですから、大食漢と言われる人、どうしても間食癖が抜けない人、甘い物に眼がない人、アルコール依存度の高い人などは注意が必要だということです。
 食べる量をコントロールすることによって、人間に憑かっている霊を改心させることができると述べられています。これも終末の時代には大変重要なことでしょう。
 ―― 『2012年の黙示録』(なわ・ふみひと・著/たま出版)


 私たちがお酒を飲んだり、美味しいご馳走を食べたりしているとき、ひょっとしたら憑依した低級霊が口に入れているかも知れないということです。ご馳走を食べたがる霊たちは霊格が低いと思って間違いありませんから、自分が食べているように思っても、実は憑依した霊に促されて食べている場合もあるということです。
 もちろん、食欲も、空腹感も、味覚も、すべて自分の感覚として感じられますので、憑依されていても、まったくそのことの自覚はないのです。前に紹介した谷口雅春さんは、若い頃から油揚げが大好物だったそうですが、それは狐の霊に憑依されていたためだったということでした。
 こうしてみますと、俗に「口が卑しい」と言われる人は要注意です。大食漢の人、甘い物を食べるのが癖になっている人、お肉が大好物という人などは、低級霊に憑依されている可能性が高いかもしれません。少し用心された方がよいと思います。食べたい衝動を抑えることによって、憑依した霊が反省したり、また波長が合わなくなって離れていったりするわけです。
 もちろん、甘い物や肉を食べないでおこうと決心する気持ち起こすと、それは憑依している霊には筒抜けでわかるわけですから、それをさせないように、あの手この手で誘惑してきます。
 それを『2012年の黙示録』の中では「1本の誘惑」として説明しています。これは、身魂磨きの中でも最も重要なポイントなのです。ここでの結論としまして、「身魂磨きとは、欲望をコントロールすること」としておきましょう。

あなたも超能力者になれる?

 同じ高橋克彦氏の『書斎からの空飛ぶ円盤』(高橋克彦・著/マガジンハウス/1993年刊)の中に「あなたもいますぐ超能力者になれる?」という面白い話が収録されています。
 この本もエッセイ集ですが、目次の一部をご紹介しますと、「巨石信仰とUFOの関係」「ストーンサークルの秘密」「来世への願望」「私の前世」「幽体離脱」「宇宙人からのメッセージ」「カーター大統領が見たUFO」「共時性の不思議」「国常立尊は反逆者?」‥‥などとなっていて、当サイトの話題ともピッタリなのです。
 ここでは「あなたもいますぐ超能力者になれる?」の中から「掌から疳の虫を出す方法」を抜粋してみました。著者は横尾忠則氏から教わったとのことで、私もこの本を買ったころ(1993年)にやってみて、ちゃんと成功(?)しています。みなさんもぜひ試してみてください。    
 やり方はすこぶる簡単である。
 まず丁寧に水で手を洗い、いったん拭いた後に、スプーン1杯ほどの塩を手に取り、掌や指、手の甲と丹念に擦りつける。そうしてまた水で塩を洗い流し、布で拭いて終いだ。
 あとはリラックスして疳の虫が出てくるのを待てばよい。どういう格好でもかまわない。
 私たちは半信半疑で横尾さんの掌を見詰めていたが、3分も経たないうちに本当に横尾さんの中指の脇から髪の毛よりも細い白い糸が生えてきた。最初は3ミリぐらい。それがたちまち2センチほどの長さになった。その頃には他の指からも白い糸が何本も出ている。「皆にもできるはずですよ」との横尾さんの声に促されて、私も手を洗い、塩を擦りつけて試みた。他の皆も争うようにはじめた。
 出てくる、出てくる。
 私の指からも確かに出現した。私の場合は穏やかな性質のせいか、そもそも疳の虫が少なかったらしく、数本だったが、それでも紛れもなく現れた。地元の演劇会では過激な演技で知られる女優の福地千恵子さんなど、大方の予想通り何十本となくひゅるひゅると生えて皆を笑わせた。皆、興奮状態だった。
 自分の体から得体の知れない糸が生えてくる。これが驚愕せずにいられようか。
 超能力って、本当にあったんだ。

 ―― 『書斎からの空飛ぶ円盤』(高橋克彦・著/マガジンハウス)

 これが超能力と言えるかどうかはわかりませんが、確かに不思議な現象ではあります。
 横尾さんは「自然現象だろうね」と言っています。彼は子供の頃、誰かに教えられて始めたらしく、「体の調子が悪くて苛々するときにこれをすると、なんだか気分がよくなるような気がしてね」とも語っています。一種のストレス解消法になるかもしれませんね。お試しあれ。
 
 
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