本書をきっかけに、立ち上がれ若きひとびと
日本国民は、あまりに正直すぎる。つまり、馬鹿正直だ。
かの大戦中でも、新聞、ラジオを心底信じていた。そして、「天皇ヘーカ万歳!」を叫んで敵陣へ突入していった。
今も、まったく変わらない。テレビや新聞が悪質な“洗脳”装置であるとは、夢にも思っていない。これを、極楽トンボという。
しかし、そうしているうちに、目の前のニッポンは、極楽ではなく地獄に墜ちていることに、いやでも気づかされる。
日本は、どんどん貧しくなっていく。
「このままでは、アジア最貧国になってしまう」と本気で心配する向きもある。
日本が地獄に向かって転がり始めたのが平成だ。それから30年間、右肩下がりは止まらない。まさに、失われた30年……。
国際競争力は1位から30位に転落した。マレーシア、タイ、韓国にまで抜かれてしまった。1年で5位も順位を落とし、さらに、日本は墜ちていく。
株価を見れば日本の凋落がはっきりする。平成30年間で、アメリカ9・27倍、英国2・76倍、これに対して日本はなんと0・57倍。ほぼ半値に下落している。
世界トップ50に日本企業が36社も占めていた。それが、今やトヨタ1社のみ(35位)。いまや、日本企業は壊滅状態なのだ。
なのに、日本人の7割は平成を「いい時代だった……」と言う。信じられない呑気さ、鈍感さだ。ただただ、あきれ返る。
これぞ、まさにメディア、政府による愚民化の“成果”である。
日本の「報道自由度」は世界72位。「言えない」「書けない」ことだらけ。今や、それは、アフリカの独裁国家以下……。
大手マスコミは、近年、世論調査もやっていないはずだ。
そう確信するのは、地方紙・中小メディアとの信じがたい“開き”である。
たとえば、安倍政権「支持」「不支持」を問う調査で、大手マスコミは「支持」42〜51%で「依然、高支持率」と公表している。
ところが「日本農業新聞」は「支持」7%、「不支持」93%。圧倒的大差だ。「埼玉新聞」は「支持」16%。地方紙での支持率もせいぜい10〜20%台。大手メディアの2分の1〜3分の1.
同じ国民で、これだけ意見に大差が付くことは絶対にありえない。
結論をいおう。正しいのは地方紙である。律義に調査を集計している。
だから10〜20%台が、正しい「安倍政権の支持率」なのだ。大手は談合して「世論調査」結果を捏造している。この事実を告発する市民団体は「約3年前から、大手マスコミは世論調査そのものをやっていない」と指摘する。
どうせ、大手マスコミは安倍首相のオトモダチ。官邸からの圧力で都合のいい数字を出さざるをえない。なら数百〜数千万円も経費のかかるムダな「世論調査」自体をやる意味がない。
日本は、本当に貧しく、不幸な国になってしまった。
国民の「幸福度」は過去最低の58位。若者の自殺率は世界ワーストワン。かれらの口癖は「死にたい」だ。女性の自殺率も3位。
環境や健康面でも、日本は世界最悪レベルだ。
「単位面積当たりの農薬使用量」と「自閉症・発達障害」は、韓国と日本が共にツートップだ。いずれもアメリカの奴隷国家。そのツケが大量の農薬押し売りであり、その結果としての神経・発達障害なのだ。
かつて、平成維新を日本人に託した経済評論家の大前研一氏は、こう記している。
「……さらば平成、何も変わらないこの国は、ただ沈んでいく」(『週刊ポスト』ビジネス新大陸の歩き方)
彼は平成の終わりにさいして振り返る。
「むなしさを抱えたまま、平成日本が幕を閉じようとしている」
日本は、底無しに貧しく、暗く、沈みつつある。
しかし、そんな日本の苦境を拱手傍観しているわけにはいかない。
山があれば谷もある。谷を越えれば山がある。下りがあれば上りもある。
ピンチはチャンスというではないか!
下りでガツンと底を打てば、あとは反発して上に向かうだけだ。
わたしは、本書で日本の姿を赤裸々に描いた。
これこそが、日本の真の姿である。手にとった方は、ガク然とするだろう。
ここに書いてあることは、どれ一つとっても大手テレビ、新聞では伝えることはできないはずだ。
マスコミ関係者は、本書のページを繰れば、恐怖で戦慄し、顔は引きつるだろう。
メディアで書いてはいけないことが満載されているからだ。
テレビ、新聞を素朴に信じてきたひとにとっても衝撃だろう。
しかし、真実に眼を閉じる者は、未来を見ることもできない。
国民の「幸福度」連続世界1位のフィンランド国民は、34歳の若き女性を新しい首相に選んだ。
かの国の教育を根底から変え、世界トップとしたのは、30歳で就任した若き男性文部大臣だ。
わたしは若者を信頼し、未来を託すフィンランドのひとびとを、心よりうらやましく思う。
わたしは、本書をできるだけ若いひとたちに、手にとっていただきたい。
若さこそ、輝ける財産である。
日本にも未来に向けて瞳を輝かせる若者たちが現れるはずだ。
そこから、かならずや新しい日本が始まるはずだ。
本書がそのための一助になることを願ってやまない。
さあ、日本の真相をしっかりと凝視していただきたい。
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