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領土問題の深刻化は「アメリカに頼ってはいけない」という警告だ 中丸 昔、織田信長が国を売り渡しそうになったんですよ。キリスト教の宣教師から武器やなんかをもらって、その代わりに日本にキリスト教を広めていいと約束して、日本を売りそうになった。 それを明智光秀の娘のガラシャが――彼女はクリスチャンだったでしょう?――それでそういう情報をクリスチャン人脈から得て、お父さんに伝えたんですよ。それで、「これは大変」ということで、明智光秀は国のために信長を倒した。もちろん、こういうことは歴史の教科書には書かれていないですけどね。 それはともかく、領土問題が深刻化しているという状況は、「日本はもうそろそろ気づく必要がある」という警告だと思うんですね。政治家も国民も気づかなければなりません。 矢追 全部アメリカが仕組んでいるということにね。 中丸 そうです。なぜこのようなことをするのかというと、日本と周辺国が団結しては困るからですね。 世界の支配を続けるために、できるだけ国や地域を分断し、弱体化して、与しやすい状態に しておこうとするんです。領土問題もこの戦略の一環です。何かあればアメリカに頼もうとするなんて、あまりにも甘いというしかありません。 先日、たまたまヘンリー・キッシンジャー米元国務長官(1923~)のメモワールを読んでいましたら、沖縄返還(1972年)のときに、条約調印のためにアメリカを訪問した佐藤栄作首相について、「安全保障も外交も、人の国に全部任せるという国の首相がやってくる」と書いてあったんですね。これって、ずいぶんバカにした言い方ですよね。 矢追 アメリカは日本をいまだに属国扱いしていますからね。 中丸 そうですよ。属国である日本に対して、アメリカが自らの身を切るようなことをしてくれると思いますか。何もやってくれないですよ。口では仲良くしなさいと言いながらも、陰では対立するように仕組んでいるのですから。 アメリカは日本に資金面で頼り、一方の日本はお金だけ提供すれば、日本に降り掛かってくるいろんな問題を全部アメリカが解決してくれるものと思い込んでいるのね。この関係はいまも変わらない。だから尖閣諸島の問題も竹島の問題にしても、いまもってアメリカ頼みでしょ。矢追 アメリカがうまくやってくれるんじゃないかと期待してね。 中丸 日本を困らせている張本人とも言えるアメリカが助けてくれるわけないですよ。少なくとも自国の領土や領海、領空は自分で守るほかありません。その覚悟なしに外交も自衛力もあったものではない。 第一、もし中国軍が尖閣諸島に上陸したとしても、アメリカの若者が中国軍と戦って血を流すようなことを、アメリカ市民が支持するでしょうか。支持するなんてことはありえないと思います。もしそういう事態になったら、自国の力で解決の道を探すしかないんです。 矢追 でもアメリカには、最低でも日本が提供している資金と見合うぐらいの努力をしてもらいたいですね。 中丸 そうですよ。そのために日本がアメリカにどれだけのお金をつぎ込んでいると思っているんですか。だからやっぱりここで、日本人はもっと誇りを持って、自分の国ぐらいは自分で守ろうという気持ちにならないとダメですよ。 国民が意識を変えないと。みんなアメリカ任せでしょう、おんぶに抱っこで。アメリカから本当の意味での自立をしていかないと、日本の将来はないですよね。 |
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