闇の権力はわざと紛争の種をまいて、武器を売りつけようとする

中丸　とにかく日本とまわりの国に仲良くされるとアメリカは困るから、わざと紛争の種をまいておいて戦わせようとしているのね。いま問題になっている日中の尖閣諸島の問題だって同じですよ。
矢追　それは日本と韓国にしろ、日本と中国にしろ、日本とロシアにしろ、全部そうですよ。北方領土の問題でも、紛争の原因はすべてアメリカがつくっていると言っても間違いないですね。
中丸　日本が周辺諸国と仲良くできないようにと、対中国には尖閣諸島を、対韓国には竹島を、対ロシアには北方領土というように、くさびを打ち込んでいるんですね。アメリカにとっては仲違いしていてもらった方が、武器を買ってもらえるし、いろいろ都合がいいのね。
　口では仲良くしなきや困ると言いながら、陰ではひどいことをしています。なのに日韓にしても、日中にしても、自分たちで仲が悪くしているというふうに思っていて、まさかアメリカが洗脳でコントロールしているとは思っていませんね、一般の人は。
矢追　普通の人は、そういう裏の実態は知らないでしょうからね。
中丸　尖閣諸島の問題なんて、石原慎太郎前都知事が火をつけたようなものじゃないですか。いきなり「東京都が尖閣諸島を買い取る」なんて言い出して、持ち主とかいう沖縄の人のところに行ったりして。
矢追　尖閣諸島ははじめから日本のものなんだから、何をいまさらと。
中丸　そうですよ。日本の領土であることは歴史的にも証明されているし、つい戦前まで日本人がそこで生活していたんですものね。読者の方々のために、ここで少しそのあたりのことをお話しさせていだたきますね。
　1895年、日本政府は尖閣諸島がどの国にも属さないことを10年かけて調査し、正式に国土に編入しました。このとき、当時の中国を支配していた「清」からの反論はなかったんですね。
　その後30年間、島には工場も建てられ、200人以上の日本人が暮らしていました。1920年に尖閣沖で中国船が難破した際、船員を救助したのも彼らでした。これに対して、後に中華民国から感謝状が送られてきましたが、そこにも「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」とはっきり書かれているのです。
　その後、第２次世界大戦後の1951年、サンフランシスコ講和条約により、尖閣と沖縄はアメリカの統治下となりました。1958年に中華人民共和国が発行した地図にも、「尖閣」という日本名とともに日本領とされているんですね。
　しかし1968年、国連が尖閣沖に石油を発見したときから、中国はそれまで以上に領有権を主張し始めるようになります。中国は、尖閣は「本来中国の領土であり、日清戦争で奪われた」と主張しますが、それ以前から実効支配もなく、76年間も沈黙した後の主張では説得力がありません。
矢追　そもそも「本来」なんて言葉を使うんなら、チベットやウイグルは「本来」中国の領土ではないですからね。いま中国は、本来ベトナム領だった２島をベトナムから奪い、フィリピンとも激しく争っていますからね。
中丸　でも、新たな光も差し始めているんです。3・11以降、中国や韓国でも、自国の政府や歴史への見識が見直されつつあるようです。
　昨年（2012年）9月、中国の大手民間企業の幹部が、実名でツイッターの発言をし、その文面に当時の地図と1953年の人民日報を表示して、「琉球群島は尖閣諸島からなると書いてある。これでも釣魚島はわれわれの領土だと言えるのか？」と疑問を投げかけたんですね。そうしたら当局がこのツイートを消すまで、何千もの賛同意見が寄せられ、話題を呼んだといいます。
　また韓国でも、「竹島は日本の領土」「韓国の経済発展は日本が支えた」と、個人がブログで発言をして検挙されるという事件があって、書いた人が13歳の韓国人少年だったんですが、それでさらに話題となったのです。いまはもう削除されてますが、これらを見た心ある人たちは、もう後戻りできないでしょう。
　いったん湖面に投じられた真実の波紋は、心を揺らしながら広がっていくと思いますよ。