地球の支配者は
爬虫類人的異星人である
太田龍・著 成甲書房 
序として
あなたが信じられなくてもこれが真実なのだ

 シッチン説へのアイクの異論と疑義

 ゼカリア・シッチンは、1976年から「地球年代記」シリーズを出版し始めた。これは、発掘されたシュメールの粘土板文書の解読を通じて、異星人の地球植民、そして彼らの地球支配の歴史を再構成した著述であり、1990年代までに、そのほとんどの著作が邦訳されている。しかし、粘土板文書のもっとも重要なものをシッチンが英訳した『失われたエンキの書』は、どういうわけか日本には紹介されていない。
 この「エンキの書」は紀元前2000年ごろと推定される、異星人どうしの権力闘争の頂点で核兵器が使用されたらしく、彼らの中近東エジプト、そしてインダスの文明は壊滅した。戦後の廃墟に立って、異星人の最高首脳の一人、エンキは、書記官に命じて、彼らの歴史、そして最後に未来について口述筆記させたという。その文書が、奇跡的にほぼ完全なかたちで発掘されたのだそうだ。それをシッチンは、シュメール語から英語に翻訳した。この英訳は臨場感に満ちており、とても後世の人の偽造とは考えられない。私の知るかぎり、さすがのアイクもこの「エンキの書」については取り上げていない。
 問題はその後である。つまり、異星人が“内ゲバ”で壊滅して、それからどうなったかということである。
 シッチンの説では、異星人は地球から退散したという。一方、アイクはそう考えていない。異星人の支配は、かたちを変えて今日まで続いているとアイクは主張する。シッチンはこの事実を意図的に隠蔽しているのではないかとさえアイクは疑う。これは、アイクの説を理解する要点である。
 かたちを変えた、とはどういう意味か。私は、それを本書の中の幾つかの図によって示した。それは今のところ仮説であり、推理であるに過ぎない。しかし、この仮説も、実によくこの数千年の、日本列島を除く世界史の真相を説明してくれる。
 日本列島は、この異星人の地球支配の枠組みの外にあり続けた。1549年(天文18年)、フランシスコ・ザビエルの日本侵襲までは……というふうに、世界史と日本史の関連を定義することが出来るし、また、定義しなければならない。
 この問題についてアイクに質問しても解答は得られない。彼には日本についての研究の条件と余裕がないからである。従って、これは当然のことながら、我々日本人自身が解明しなければならない。私は、アイクの著作を研究し始めた1995年以来、とりわけ『ザ・ビッゲスト・シークレット』を読み始めた1999年4月以降ずっと、それを追究してきた。
 
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