「白人スタンダード」という
新たなる侵略
清水馨八郎・著 祥伝社 

 ルーズベルトの奸計を知ったアメリカ人たちの驚き

 国際法の権威佐藤和男教授監修による『世界がさばく東京裁判』(ジュピター出版刊)という本は、85人の世界の識者が語る連合国批判、東京裁判批判の集大成である。これこそ世界から見た真の大東亜戦争史である。
 この本によると東京裁判の判事の中で日本無罪論を主張したのはインドのパール博士だけではなかったことが分かる。仏のベルナール判事も蘭のレーリック判事も同じ考えだったことが明らかにされている。帰国してから当のマッカーサーも、ウェッブ裁判長も、キーナン検事もあの裁判は誤りだった、行き過ぎだったと深く反省している。
 米の歴史学の権威チャールズ・ビアード博士は戦後、米の日米戦争関係資料を分析して、この戦いはルーズベルトの仕掛けた無謀な戦争であることを実証した『ルーズベルト大統領と日米戦争』という著書を残した。
 米の青年詩人コーエン氏は、ビアード博士の本を大学図書館で読んで、その記述が従来の常識的事実と全く逆であることに仰天。ルーズベルトは米国人を騙し、謀略によって日本に戦争を仕掛け、罪なき日本軍人を多数処刑したとして、その罪を償うため来日し、巣鴨の刑場跡の記念碑の前で次の詩を残していった。
 “ああアメリカよ、汝は法を曲げ、正義を踏みにじった。ジョージ・ワシントン、アブ ラハム・リンカーン、今黄泉にて汝の非道に涙す”
 日本を東京裁判で犯罪国にした米国側であるが、内心悪いことをしたとの密かな謝罪の事実が沢山あるのである。
 その第一は、戦勝国である米英仏蘭華の五力国はなぜ賠償金を1円も要求しなかったかである。それはこの戦争が白人らの仕組んだ侵略戦争であることを知っていたからである。広島、長崎の原爆投下、日本の113の都市の焼土作戦などすべて戦争犯罪行為であることを自覚していたのであろうか。米進駐軍が食糧放出などして、意外に寛大な占領政策を一方で取っていたことなどにも、それは見られる。
 それなのに日本と戦いもしない韓国や中国が、なんだかんだと補償を要求するのはナンセンスである。日本側が勝手に謝るからつけ上がるのであろう。今の中国は終戦後、数年経って生まれた国だから、明らかに日本は中国と戦っていないのである。
 終戦直後、米上院議員のフルブライトの発案で実施された留学制度で、彼は、これは明らかに日本に対する米国民の謝罪の証しだと明言している。これは当時の米国の多くの識者の偽らざる心情だと考えてよい。この制度で竹村健一氏ら多くの人材が育てられたのも事実だ。
 第一次世界大戦の終結後、連合軍は敗戦国ドイツに対して天文学的な賠償を課したのに、第二次大戦の後、サンフランシスコ講和条約で日本に対して全く賠償金の要求をしなかったのはなぜか、直接被害を受けたはずの支那の蒋介石は進んで賠償を放棄している。それどころか、精鋭な日本軍と残留邦人210万人を急いで無傷で日本に送り返してくれた。もし南京虐殺万が事実なら、大将の蒋介石が日本人を返すと言っても被害を受けた民衆のウラミが暴発して暴動が起こったはずだが、中国からの引き揚げは無事にすんでいる。
 直接日本軍と戦ったはずの蒋介石が賠償を取らずに日本軍を返し、天皇の戦争責任にも反対したのはなぜか。蒋は真のアジアの敵は、共産主義のソ連とその手先の中共軍であることを知っていたからだ。蒋介石は強い日本軍と台湾で、中共の勢力を喰い止める最後の防波堤とする戦略だったのだ。それは結果的に見事に達成された。戦った相手の蒋介石が賠償を取らないのに、戦わない中共が日本から賠償を取ろうとしていることはナンセンスである。英米など連合国が日本に賠償を要求しなかったのは。自分たち白人こそアジアの侵略者であることを密かに認めていたからである。ここでもまたわれわれは、パール博士の「日本無罪論」を忘れてはならない。
 
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