白い人が仕掛けた黒い罠
高山正之・著 WAC
 
第8章 奴隷のいた国、いない国 

 日本人難民を襲う

 しかし、『ヨーコ物語』は真実を伝えている傍証がある。当時、朝鮮半島から潭多湾に引き揚げてきた女性の中で、不法妊娠、つまり強姦による妊娠をしてしまった女性の実態が、上坪隆『水子の譜(うた)』(社会思想社)に描かれている。その統計によると、ある特定の時期に不法妊娠をした女性が47人いた。その加害者の内訳をみると、鮮人(朝鮮人)によるものが28、ソ連人によるものが8、支那人によるものが6、米人によるものが3、台湾人・比島人によるものが各1とある。
 この数値によって、日本人避難民をおそった暴漢の内訳もわかるというものだろう。多くの日本人が、日本人への加害者の主体が「ソ連人」だという思い込みがある。しかし実際は、過半が朝鮮人だった。それが、『ヨーコ物語』を読むとよくわかる。日本の敗戦後、朝鮮人は手のひらを返して、ソ連軍よりひどいことを日本人に対して行ったのだ。日本人は終戦時に、はじめて朝鮮人の残忍さを知ることになった。
 戦後、韓国は、日本との戦後処理交渉において、「謝罪」と(日本を破産させてしまうほどの巨額な賠償支払い(15億ドルから100億ドル)を要求してきた。統治時代、日本が行った植林、鉄道敷設、港湾設備、水田開発をはじめとした「開発」、そして「公的財産」および「私的財産」を没収した上に、だ。
 オランダは4百年もの問、インドネシアから搾取し続けた上に、インドネシアから撤退するときには「俺たちが町を作って、運河をつくってやったんだ」と、植民地だったインドネシアに60億ドルを請求している。
 韓国は、日本からの「請求権」を認めないばかりか、公的・私的財産を不当に没収した上に、「巨額な賠償支払い」までを要求した。現代に生きる我々は、つい50年前にそういう出来事があっとことを忘れてはいけない。
 
← [BACK]          [NEXT]→
 [TOP]