フルベッキは明治政府の陰のプロデューサー
特に、フルベッキは幕末から明治にかけて、日本を擽った最大の黒幕と断言する。
彼が教導したのは幕府側、勤王側さらに公家、公卿など、数多くの重要人物たちであった。その多くは、明治政府の重職に就いている。
彼こそが明治政府の総合プロデューサーであった。それを証明するのが岩倉使節団の「計画書」作成だ。この使節団は、岩倉具視を正使として総勢107人が1871年から約2年間、欧米に派遣された、大掛かりな国家プロジェクトであった。
その一切の計画立案を行なったのがフルベッキなのだ。
それには、木戸孝允、伊藤博文、大久保利通など、明治新政府の偉勲が錚々たる顔触れを連ねている。
この使節団の表向きの目標は、“文明開化”した欧米諸国の視察である。
しかし、裏の目的もあった。
それが、使節団をフリーメイソン秘密ロッジに案内することであった。
おそらく、入会の秘儀を受けた団員も、相当数にのぼるだろう。
このフルベッキは、サトウ、グラバー同様に、伊藤博文による孝明天皇暗殺、さらに、明治天皇すり替えという、政治政府の二大醜聞を知悉していたことは、間違いない。
それは、明治政府にとっては二大恥部であり弱点であった。
支配の要諦は――弱みを握り、脅す――ことなのだ。
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