“菜食者”リンダ・マッカートニーの悲劇
これら、スポック博士の懺悔と改心は、日本ではいっさい報道されていない。
邦訳『スポック博士の育児書』(暮しの手帖社、第6版)は、これら博士の後悔と真意をまったく反映してはいない。同社も博士同様に、日本の読者に、心より謝罪すべきである。世界の人々は、牛乳・乳製品の恐ろしい害に、気づきはじめている。
その反映が、ヴィーガン(完全菜食者)の急増である。
まさに、10年に10倍の勢いといっても過言ではない。
これまで、ベジタリアンのあいだでは「乳製品は健康によい」……という、“神話”があった。
とくに、チーズは発酵食品なので、健康食品である……という思い込みがベジタリアンの間でも根強かった。
彼らは、みずからを“ラクト・ベジタリアン”と自称していた。
乳製品を愛好するベジタリアンという意味である。
その代表がリンダ・マッカートニーだ。元ビートルズのメンバー、ポール・マッカートニーの妻としてあまりに有名だ。彼女は著述家でもあり、ベジタリアン料理のレシピ本を何冊も執筆。世界的なファンも多かった。
そのレシピ本には、牛乳やチーズ、ヨーグルトを使った料理が数多く掲載されていた。
そして……リングは56歳の若さで、この世を去った。
死因は乳ガンだった……。
好んで食べた乳製品、チーズなどが、無残にも彼女の命を奪ったのである。
その死を嘆いたポールは、今は、乳製品もいっさい口にしないヴィーガン(完全ベジタリアン)として知られる。
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