新装版
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第1章 魂の生活を | ||
2.死者は生きている | ||
どうして苦しみばかりが 人間死んでしまったら全くの無になってしまうと考えている人が意外に多いので驚きます。 「私が死んだら、遺骨なんぞ海へばら撒いてしまってくれ」 などと一見格好のいい広言をする人に時々出会います。肉体はまさにこの世でのかりの乗り舟ですから、死んでしまったら、そんなものに未練を残さず、いち早く浄化された魂となって成佛するのが一番です。ですから、その意味での発言ならまことにみごとなのですが、ところが大抵は違います。 「死んだら何も無い。零である。今生きてこうしている自分だけがすべてだ。だから、思う存分好き勝手に生きるぞ」 せいぜいこんな意味に過ぎません。 死んだら、本当に人間はどうなるのでしょう。 この人類永遠の疑問のテーマについて昔からたくさんの人がいろいろなことを言っております。一旦死の世界に足を踏み入れたけれども再びこの世に生還した人の証言というのから、古今の偉人賢人の書までさまざまな解釈や解説が入り乱れていますが、私は何とも有難いことに、はっきりと毎日視せていただいております。 死んでも人間は生きております。 肉体は亡びて土に還るというか、地球上の同じ質量の物質に転換されてしまいますが、意識とか想いとかいったものは、肉体から離脱して生存し続けます。その生存の形態は、俗に魂と呼ばれるものですが、私はそれを特に「意識体」と名付けています。 私は御佛(かみ)から頂戴した霊視という力によって、直接死者の姿を見ることのほかに、時折、私にとっては実にタイムリーに御佛から直接、教えのお言葉をいただくことがあるのですが、そこでも、死者が生きていることを明快にお示しいただきました。 この世に発生する大小さまざまな事件のうち、私が必要とすることだけを予知的にお知らせ下さる時とか、また佛道の上での真理を示して私をお導きになる時に、映像だけではなく音声ではっきりと申されて御教示下さいます。 「すべて肉体を離れた死者は霊魂となり意識体となる。その意識の想いが、悪い想いであれば、その意識で人々に憑依するのである」 昭和62年11月から、繰り返し聞こえた教えを、まとめのようにして、翌年1月に上記のお言葉で頂戴しました。 一つ一つ私に理解させて行って私がしっかり把握できるのを待って下さるようです。 私は、私の力で精一杯その教えを受けとめて、それを世の人にお伝えするのが役目なのだと思っておりますが、この御佛(かみ)からの確かな教えには二つのことが説かれています。 一つは「すべて肉体を離れた死者は霊魂となり、意識体となる」 つまり人間は、死ぬと何も彼もが無くなって消滅してしまうのではない。思うということが形となった魂、別の呼び方をするならば意識体というものになって、永遠に生き続けているのだ――ということです。 肉体の方は、生物であることを終了して、化学分子構造で示すことのできる単なる物質に姿を変えてしまいますが、その肉体を脱け出た意識体なるものは、永遠の生命をもって生き続けているのです。 そしてもう一つは「……その意識の想いが、悪い想いであれば、その意識で人々に憑依するのである」 もっと後の章で詳述する機会もあると思いますが、意識体の「作用」を知ることで、死者の魂が生きていることを証明できると考え、若干の説明をさせていただきます。 意識体が持っている想いというものが、恨み・怒り・妬み・痛み・悲しみ・苦しみといった悪い想いだとしますと、その同じ悪い想いのままで、この世に今生きている人たちに憑くのだ――といっているのです。 憑依されて、肉体を占領されてしまった人間は、悪い想いそのままの苦しみを具現することになります。たとえば、病苦に悩み抜いた意識体が、肉体の消滅後も生き残って、別の人間の肉体に入ると、その入られてしまった人間は、死んだ人が最後まで抱いていた病苦そのままに苦しむことになるわけです。 なるほど、病院へ行って最新科学技術を駆使した設備で検査しても、さっぱり原因がわからないが、それでも痛いし苦しいという時があります。 また、勤勉努力にも拘わらず、逆運続きで人生灰色だと嘆いている人も私達の周囲にたくさんいます。 人間の知恵では解明できないこれらの原因が何であるか――それを御佛(かみ)が先ずご教示下さったものに違いありません。 このメカニズムというか仕組みというか、これだけでも知っているのと知らずにいるのとでは大違いではありませんか。 では、どういう死者の、どういう想いが、何故、どんな風にして憑依して来るのでしょうか。また、何故悪い想いだけで、喜びや楽しみを運んで来てはくれないのでしょう。 この答えもまた、連日私に視せて下さる死者たちの自己表現や、切々たる想いの訴えかけの中に、はっきりと示されているものです。 |
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