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第5章 日本国民に告ぐ | ||
戦前の日本は軍国主義か 東京裁判によって、戦前の日本は軍国主義国家であるという烙印を押された。では、軍国主義とは何か。もし、ありとあらゆる国家の総力を挙げて戦争に集中することが軍国主義であるとすれば、アメリカは完全な軍国主義であった。日本は少しも軍国主義ではなかった。 第二次世界大戦で使用された世界最強の武器を見てみても分かる。アメリカは原爆。ドイツはミサイルとジェット機。イギリスはレーダー。日本は零戦と大和。日本の場合はすでにあった技術を、最高の状態に改良しただけだ。新発見、新発明は何もない。 だが、日本に有能な指導者がいて、もっと早くから準備をすれば、ことによったらレーダーやVT信管(近接信管)、その他の電波兵器やソナーなどの音響兵器については、連合国に負けないような発明、発見がなされたかもしれない。これは可能性があった。実際に、ジェット機の設計、開発も進んでいた。戦前から用意しておけば、あるいは負けなかったかもしれない。 しかしながら、社会科学の分野では、アメリカと日本では、天地の開きがあった。アメリカでは、総力戦に自然科学者だけでなく、社会科学者も動員した。有名な例が、ルース・ベネディクト(社会人類学者)の『菊と刀』。日本人論が書かれているが、もともとは対日戦争のための研究だった。 敵国・日本とはどんな国か、日本人とは何かを、社会人類学的に研究させたのが『菊と刀』。これはほんの一例である。アメリカは厖大な日本人研究を行っていた。 |
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