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第5章 日本国民に告ぐ | ||
祖国愛をむしりとる唯一の国――日本 学校教育で教えるべきは、自国への忠誠と敬愛である。つまり愛国心である。「愛国」教育はアメリカに限らず、世界中の学校教育に共通のものである(沖原豊編『世 界の学校』東信堂、二宮皓編著『世界の学校』福村出版、唐沢富太郎著『世界の道徳教育』中央公論社などが詳しい)。 オーストラリアの学校では、生徒は機会あるごとに、「私は神とわが祖国とを愛する。私はわが国の国旗を尊ぶ。私は女王(エリザベス二世)に仕え、また喜んで両親、先生、そして国の法律に従う」と誓う。 イタリアの教科書(小学2年生用)には「偉大なる国旗のもとに、われわれはみな兄弟である。風にはためく美しい色。白は祈り、赤は愛、緑は希望。三色旗よ永遠なれ」と国旗を称える文章が載っている。 インドネシアの学校では、毎週月曜日の一時限目は国旗掲揚式である。校庭に集合し、国旗掲揚、国歌斉唱の後、建国五原則(パンチャシラ)が朗唱される。その第一原則は「唯一なる神への信仰」である。教室には正副大統領の写真が掲示されており、その中央にはインドネシアの国章ガルーダ・パンチャシラが掲げられている。 タイの学校でも毎朝、朝礼が行なわれ、かならず国旗が掲揚される。国旗掲揚時には子どもたちが国旗に敬礼し、国歌を斉唱し、国家に対する忠誠の誓いを立てる。 フランスは道徳教育が充実しており、「祖国や人類」「社会的義務」などの授業が行なわれている。象徴的な例として、フランスの道徳教科書の一節を抜粋して紹介する。 「わが子よ、私は祖国を愛します。それは私のお母さんがそこで生まれたからです。私の血管を流れている血は、まったくそこに属しているからです。おお、お前はまだ完全にはそれを理解できないだろう、この愛国心を。お前は大人になったときそれを感じるだろう。もし異邦人がお前の国を侮辱するのを聞くとき、より烈しくより気高くそれを感じるだろう」 いわゆる民族国家や社会主義国家は紹介するまでもないだろう。日本の教育を世界の教育と比較してみれば、彼我の格差に愕然となるではないか。戦後の日本の学校だけが愛国心を教育していないのである。 |
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