地球の支配者は
爬虫類人的異星人である
太田龍・著 成甲書房 
2 日本人だけがなぜ、これほど純情でウブか

 西洋文明の洪水で日本は崩壊寸前

 にもかかわらず、西洋オリエント文明は誤謬を自己反省するのではなく、むしろ逆に、自分たちの行為を正当化する虚妄の理屈を作りだす道を選んだ。
 西洋がこの4、5000年の間に生み出したすべての哲学、宗教、道徳倫理、科学技術、魔術と魔法、オカルト、芸術その他一切の文化価値は、一言で要約すれば、自己正当化の「言いわけ」であり、責任逃れであり、責任転嫁であり、言い逃れであり、自他への欺瞞である。つまり、気枯れを修復するのでなくてその逆、気枯れの増長である。
 20世紀はフロイトの時代である、などと西洋人は公言する。フロイトは心と精神を自然科学の研究対象にする「精神科学」を創出して、それをもって心と魂とを人間人工の操作可能な対象たらしめた、との趣旨であろう。
 かくして西洋文明は、物質を支配するシステムを構築したのみならず、心をも支配可能な材料とすることに成功した、西洋は20世紀に、心と物質の両方を管理統制するテクノロジーを確立し、かくしてこの地球の、いな、全宇宙に君臨する皇帝の座に近づこうとしている、などというのである。

 そのフロイトはかつて人類の歴史を、

(1)呪術の時代=未開野蛮人(数百万年前)
     ↓
(2)宗教の時代り文明前期(過去数千年)
     ↓
(3)科学の時代=真の意味での文明の始まり(近代西洋がその扉を開き、18〜19世紀に序曲、そしてそのあと本格化する)


 という三つの時代に区分した。
 つまり、フロイトの説によれば――人類史はいまだ始まっていない。真の人類史はこれから始まる。そしてこの時代が確立されたならば、そこでは呪術も宗教も迷信として消滅し、科学万能のシステムが出現する。人類は科学とその技術的応用によって、この宇宙の主人となる。
 これはフロイト一個人の説というにとどまらない。それは欧米社会の主流の確固たる信念であり、そしてこの種の世界観は我々の祖国日本にも深く浸透し、今では問答無用の心理的言論的情報的暴力によって、社会の隅々にまで定着してしまっている。
 けれども、この歴史像は、U型自然征服文明、V型自然破壊文明のものであって、我々の祖国日本にはあてはめることは出来ない。
 旧西ドイツ・キリスト教民主同盟国会議員にして、1970年代、西ドイツ・エコロジー運動の指導者となったヘルベルト・グルールは、「人類は200年前にヨーロッパで第二の堕罪を犯した」(『収奪された地球』300頁)と記した。
 200年前とは、18世紀末の英国産業革命と1789年のフランス革命のこと。これをグルールは人類の「第二の堕罪」とする。第一の堕罪とは言うまでもなく、ユダヤ教、キリスト教の聖書創世記、アダムとイヴの堕罪のこと。
 グルールは、D・ランデスの『プロメテウス・プロジェクト』(1973年、ケルン、ドイツ語)から、「これは大昔からの異端の問題、人間の自己偶像化にかかわる。これは西欧の思想界と神話に繰り返し現われるモチーフをなすヒュブリス(傲慢の罪)であり、失楽園の物語や、ギリシヤにおけるプロメテウスとダイダロスの伝説にまで遡る」との部分を引用している(『収奪された地球』301頁)。
「西欧の思想界と神話」という。しかしこれは正確に表現すれば、西洋地中海オリエント一帯、としなければならない。この地域において、この数千年の間に人間は二度、神に反逆する罪を犯した。
 一度目は6000年ほど前。二度目は200年前。
 しかし、20世紀に入って西洋は三度目の堕罪を犯した、また現に犯しつつある、とも見える。仏の顔も三度、とか。

 人類は自然法則を打ち破り、自然法則はもはや人類には妥当しない、と信じ込んだ。ところがいまや(人類は)悲惨な挫折に瀕している。(略)
 人類はこの軽率を厳しい自然法則に従って償わねばならない。だが、この領分で通用する唯一の正貨、自然法則への違反事件で支払に使用し得る唯一の正貨は死である。死は地球上にはびこりすぎた一切の生命を再び切りつめて、地球に平衡をもたらす。
  (『収奪された地球』182〜3頁)


 これは現代西洋人には珍しい、正気の人の言だ。
 西洋オリエント世界は、ヒュブリス(傲慢の罪)というある種の風土病を生み出した。それは全知全能遍在の唯一絶対神(ないしは唯一絶対悪魔神)という幻想、仮想現実を作り出し(=宗教の時代)、そして次に、自分自身を全知全能遍在の唯一絶対宇宙の主人公として宣言公布した(=科学の時代)。
 しかしこれは純然たる虚妄である。従ってこのバブルは間もなく破裂する。そしてすべての幻想が消滅する。人類全体が西洋のこの極悪主義世界権力に取り憑かれるようなことがあれば、人類は絶滅するしかない。神の裁きであろうと、自然法則の貫徹であろうと、結果は同じである。日本型I型万類共尊型天寿学的文明は、決してその巻き添えにされてはならない。
 けれども、現代日本人の国家民族社会各界のエリート指導者階級の全員、ほとんどただ一人の例外もなく、欧米ユダヤイルミナティ悪魔主義に魂を売り渡し、日本を欧米に売り渡し、日本を欧米悪魔主義の全的没落と道連れ心中、全面的瓦解と死滅への道に引きずり込みつつある。
 これが、日本2500年の歴史の総決算である。別な言い方をすれば、U型自然征服、V型自然破壊文明が、ついにI型日本型万類共尊天寿学的文明体を破壊抹殺しつくし、人類の全体没落のための決定的一歩を踏み出そうとする、そのような状況なのだ。
 
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