地球の支配者は
爬虫類人的異星人である
太田龍・著 成甲書房 
4 宗教は異星人による人間支配の道具だった

 聖書中の神を異星人に置き換えてみよ

 デーヴィッド・アイクの説くところによれば、悪魔大王ルシファーと全知全能の造物主たる神(God)の正体は、数十万年前から地球に飛来し、地球を占領しつづけている、そしてまた人類を家畜として飼育し、マインドコントロールしつづけている爬虫類人的異星人であるという。
 このアイクの説は、ゼカリア・シッチンの説と重なり合うところもあるが、両者の立場はまったく異質である。
 ゼカリア・シッチンは1922年生まれのユダヤ人。1976年に『地球年代記』第一巻(『第十二番目の惑星』、邦訳は竹内慧訳『人類(ホモ・サピエンス)を創成した宇宙人』)を出版したあと、『天国への梯子』『失われた王国』『時間が始まったとき(宇宙人はなぜ人類に地球を与えたのか)』『神々と人間たちの戦争(邦題『神と人類の古代核戦争』)』と全五巻、いずれも米国でベストセラーになった。
 さらにそのあと、この全五巻の要約本として『創世記再訪』(1990年)、そして『神聖なる出会い』(1996年)を発表。『天国への梯子』を除く六冊は日本語版が出ている。
 現在、シュメール語文献をある程度自由に読解できる学者は全世界に200人足らず。シッチンはその中のもっとも有力な学者であるという。その200人の中に、日本人は含まれているのであろうか。
 シッチンが扱っている主題は、神話学、シュメール文字解読、聖書、ユダヤ教、キリスト教、考古学、古代史、天文学、分子生物学、人類学、遺伝子学と遺伝子工学、人類文明史、その他にもいろいろ、きわめて広い範囲におよぶ。
 日本には、そのすべての領域に通じている、または少なくとも深い関心を抱いている学者などは存在しない。
 従ってシッチンの著作は、日本の学界からは全く黙殺される。邦訳はされたものの、一体それらを誰が読んでいるのであろう。面白半分、興味本位、娯楽読み物、SFもどき、劇画アニメ作品の一種として“消費”されているのではなかろうか。
 しかし、シッチンはそんな程度の人物ではない。この人はれっきとしたユダヤ人、ロンドン大学でヘブライ語、その他のセム語、ヨーロッパの言語に通じ、旧約聖書と中近東の歴史と考古学を専攻。長年、イスラエルを代表するジャーナリスト。現在はニューヨークに住み、シュメール語を解読できる数少ない学者の一人である。
 私はシッチンの説が、単なるこの人個人のものではなくて、闇の世界秘密結社権力の意向と意志、世界的行動計画を宣伝誘導する、何らかの役割を与えられているのではないか、との疑いを禁じえない。
 日本では、シッチンは限りなく無責任に、安易に、一瞬の退屈しのぎに読まれているとの印象を受けるが、もちろんこの読み方は誤っている。恐らく、現在、生存する世代の日本人の中で、シッチンの提起した学説をもっとも深刻に、そして真剣に受け止めなければならないのはキリスト教会関係者であろう。なぜならシッチンは古代シュメール語の文献(いわゆる粘土板文書)およびエジプトその他の中近東の超古代、古代の考古学的資料にもとづいて、キリスト教の聖典としての旧約聖書の解釈を根底から書き換えてしまっているからである。
「あなたが旧約聖書その他の古代の文献を読む際に、「神(God)」または「神々(the Gods)」と書いてあるところをすべて、「異星人(直訳すれば地球外の惑星人、エクストラテレストリアルextraterrestrial)と書き換えるとせよ、そうすれば万事ことごとく意味が明瞭となり、状況がきわめてはっきりとしてくるであろう」(『真理があなたを自由にする』9頁)と、デーヴィッド・アイクはシッチンと完全に意見を同じくする。
 
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