「白人スタンダード」という
新たなる侵略
清水馨八郎・著 祥伝社 

 謝罪土下座外交は、こうして始まった

 占領軍による「日本=戦争犯罪国家」という刷り込みの成功を端的に表現してきたものが、謝罪外交である。保守・革新の区別なく、日本の首相や政党の党首は、近隣諸国に謝罪して廻ることが日本国の使命であり、道義と考えている。
 日本では首相に就任するやまず宗主国アメリカの大統領に就任の挨拶に参上し、今様参勤交代を済ませ、次に中国と韓国に謝罪の旅に出る。日本の首相はこれをひととおり済ませて、初めて一人前になったつもりになっている。その異常さにも気づかず、それが「謝罪国家」の宿命だと考えているようである。近隣諸国は、この日本の謝罪外交を対日外交の切り札として、威し、たかりの具としてきた。中韓にとって、その都度援助や経済協力が得られるのだ。これほど旨味のある外交はないのである。彼らは、これは賠償金であるからもらって当然と考え、感謝もせず、逆にふんぞり返って「もっと寄こせ」と言い出す始末である。日本が騙されていることに気がつかない限り、今後永久に彼らを利することになる。
 これこそ、日本を二度と強大国にしまいとしたアメリカの戦後政策の見事な結実である。 余談だが、日本の首相は自己紹介の時に、アイーアム・ソーリ大臣ですと総理を強調して得意になるそうである。首相の取り巻きも、ソーリ、ソーリと呼ぶものだから、これを聞いた外国人は、首相とは謝罪する人のことかと合点してしまうそうだ。首相が対外的にソーリと言ったらおしまいなのである。世界一植民地を持った英国なのに、英国の辞書には謝罪という言葉がないそうである。
 ところで目下日本の政府開発援助ODAは、世界一である。それは日本が豊かだから出しているのでなく、謝罪国家の宿命として、世界中にバラまかされているのだ。G7の会議ごとに「お前は経済大国で戦犯国だから、もっと出せ、もっと出せ」と脅され、おだてられて日本の資金をあてにされているのだ。
 国家財政は大赤字だというのに、毎年1兆円を超すお金をODAに出資している。借金してまで世界中に施して歩く、この異常さ、阿呆さにどうして気がつかないのだろう。これも謝罪国家の宿命なのだろうか。
 中でも軍事大国の中国にはすでに6兆円も出させられ、その金で中国はミサイルを作り、それを敵性国家としての日本に向けているのである。何とも阿呆な国があったものである。
 
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