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死せるマッカーサー、生ける日本を動かす 以上挙げてきた戦後日本の異常な体制は、すべて自らを戦争犯罪国家と認識し、謝罪を国是とする共通の理念から発しているのである。したがって教科書問題、憲法改正問題、靖国問題といった個々の問題だけを取り出して、いかに論じても解決できないのである。そのためにまず、その根底にある共通の原因を分析して、それがマッカーサーの占領政策による洗脳に由来するものだということを知ることである。それには“東京裁判史観”とは何かというタブーにも、挑戦せねばならない。 さらに重要なことは“東京裁判史観”を正しく知るためには、その原因をなした「大東亜戦争」とは何かの正しい認識が必要である。そして大束亜戦争が日本の侵略戦争ではなかったということを、500年の世界史の中に位置づけて、はっきり見定めることである。私かかねてから進めている侵略の世界史、破約の世界史、白禍の世界史など、ヨーロッパ白人がこの500年、1,000,年の間に世界でしてきたことを分析すると、世界史における大東亜戦争の人類解放的な意義が、鮮やかに浮かび上がるのである。この視点は戦後マッカーサーにより禁止され、日本の学界でもタブーとされたものである。 通常、戦争が終結すれば、10年程度で戦争後遺症は解消されるのが普通の国の姿である。ところが大東亜戦争は、終戦から60年近く経っても、いまだ暗い影を引きずっているのはどうしたことであろう。それは繰り返し述べるように、勝者米国の国益のためにしたマッカーサーの巧妙な占領政策にあった。 大東亜戦争の戦闘は3年半で終わったが、追撃戦としての占領政策は、2倍の7年も続いたのである。アメリカは力の侵略から精神(文化)侵略に、2倍もの時間をかけたのである。 マッカーサーは国際法違反の東京裁判で国民を震え上がらせておいて、日本の政治、制度、教育、意識を有無を言わさず大転換させたのである。日本が再び米国の脅威にならぬよう無力化、抜魂化、愚民化して、再起不能になるよう策を講じたのである。 日本精神の根にある忠君愛国の大和魂を抜いただけでは気が済まず、その穴埋めに強烈な“戦争犯罪贖罪意識”(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)を注入しつづけたのである。その犯罪とは「侵略戦争」「植民地支配」「残虐性」の三悪で、これを日本人の心に「原罪」として刷り込んでしまったのだ。 この原罪は欧米白人らが300年もアジアその他で行なってきたことを、負けた日本にすべて責任転嫁し、それを歴史的事実として定着させようとして打った芝居が東京裁判であった。歴史事実がすべて米側に有利なようにすり替えられ、全くアベコベの歴史認識にして日本人に強要した。マッカーサーによる30項目に及ぶ厳重な言論統制指令(前出)の下に、“マッカーサー大本営発表”を7年間も続けたのである。 日本にとってマッカーサーは300万余の国民を惨殺した「鬼畜米英」の敵の大将である。それなのに日本人は、彼こそは日本を封建社会、軍国主義から救ってくれた救世主と称えるまでに、彼を尊敬し感謝した。そのマインド・コントロールの巧妙さは、オウムの麻原教祖の比ではない。日本は戦争に負けて、さらに思想戦でも完全に敗北したのである。 戦後日本が現在の不甲斐ない国に陥ったのは、単に戦争に負けたからではなく、占領政策によって戦争犯罪国としての烙印を押され、その償いをしなければならない贖罪国家に貶められたからだ。日本は無期懲役の戦犯国にされたのである。終戦後、半世紀以上経っているのに、日本は今も「戦後」なのである。「死せるマッカーサー、生ける日本を今も動かす」である。 戦後日本の国民が原罪を刷り込まれて、その償いに生きようとする姿は、キリスト教徒の原罪と償いの人生に酷似している。聖書によれば、人間の始祖アダムとイブが禁断の実を食べ、神の怒りにふれて楽園から追い出されたのだが、キリスト教徒は人間の原罪を償うのが、この世での人の道だと教えられる。原罪は生きている限りつきまとう。原罪とは恐ろしいものだ。 戦後日本もマッカーサーによって、戦争犯罪人としての三悪の原罪を刷り込まれてしまった。憲法も教育基本法もその原罪を刷り込んだバイブルなのだ。バイブルを疑えないように、ここから脱することは容易ではない。 この作為された原罪から目覚めるためには、アメリカ国益中心のマッカーサー占領政策が、日本人に対してすべての歴史事実をアベコベに認識させた偽りと騙しの歴史観であることを実証し、これを破棄することである。 大東亜戦争とは、世界史的にみると、アメリカの世界制覇の野望の下、仮想敵国としての日本を打倒するために練り上げた「オレンジ計画」(日露戦争直後にセオドア・ルーズベルト大統領が日本打倒のために立てた計画)という策略を忠実に実行した、アメリカによる侵略戦争だったのだ。それを東京裁判で負けた日本のほうが侵略者に仕立て上げられ、善悪が逆転された。このボタンの掛け違いのまま、今日に及ぶことになったのだ。 |
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