2020年8月
首都直下・南海トラフ
日本消滅
27
行政の機能停止で救助活動が混乱する
 
 
阪神・淡路大震災で被災した神戸市役所2号館
 
 
 前回に引き続き『巨大地震Xデー』(藤井聡・著/光文社)の中から、政府として確認した「45の起こしてはならない最悪の事態」の内容を見ていきます。
ちなみに、藤井氏は、「45の起こしてはならない最悪の事態」を次の8つに分類しています。

1.国民の生命が失われる
2.救助、救急ができない
3.行政が停止する
4.情報通信ができなくなる
5.経済活動が停止する
6.エネルギー供給、交通が途絶える
7.深刻な二次災害が起こる
8.地域が再建できなくなる

 私はこのどこかに「国家が消滅する」という一項目を入れるべきだと思います。
 決してタブーにする問題ではなく、むしろ「45の起こしてはならない最悪の事態」の筆頭に掲げるべき課題だからです。残念ながら、政府の会議に参加した人たちにも、そのような問題意識はあまりなかったようです。
 中身としては全く触れられていないわけではなく、45の「最悪の事態」を避けるために考えられている「国家プログラム45」の中に「中央政府が被災して機能不全となることを避ける」という1項目があるにはあるのですが。
 私が読んだ感想としましては、「単に重要性が強調されているだけ」のような気がします。はたしてどこまで具体的な対策が実行に移されたのかは不明です。

 それでは、本日は上記8分類の中の「3.行政が停止する」について見ていきます。
「45の起こしてはならない最悪の事態」の7番目です。ポイントとなる部分を私の判断で赤い文字に変えています。

■『巨大地震Xデー』(藤井聡・著/光文社)

F 「行政の停止」がもたらす深刻な事態

 以上は、地震の直接被害が拡大していく過程に関するものであったが、そんな被害の拡大をさらに飛躍的に増大させてしまうのが、「3.行政が停止する」という事態である。
 災害時の「救援」活動の総指揮をとるのが行政である。
 しかし、巨大地震に見舞われた際は、その肝心の
行政そのものが被災してしまい、救援や復旧の指揮をとることそれ自体が不能となり、助ける側ではなく「助けを求める側」に回ってしまう事態も十分にあり得るのだ。
 行政が機能不全に陥ってしまうなら、救援のみならず、その後の復旧や復興に向けた各種の調整や取り組みもまた、遂行できなくなる。
 そうなれば、復旧、復興が著しく阻害され、被災地における被害をさらに拡大してしまうこととなるのは必定だ。
 さらには、信号機の全面停止等による重大交通事故の多発も危惧されるし、刑務所の被災によって刑務所から被収容者が逃亡したり、
警察の被災によって警察機能が大幅に低下したりする事態を招き、治安が著しく悪化してしまうことも危惧される。
 そんな被害の中でも、
とりわけ深刻なものとして危惧されているのが中央官庁の機能不全である
 例えば、国会や首相官邸が倒壊し、首相や主要閣僚、国会議員が大量に死亡するようなことが万が一にでもあれば、我が国は国家の中枢を瞬時に失うこととなり、それに伴う混乱は想像を絶するものとなるだろう。
 第1に、
巨大災害という有事に対してあらゆる指揮系統が乱れるばかりか、最悪の事態としては指揮系統のトップが不在となり、独立しつつ独自の判断で様々なオペレーションを遂行できる(自衛隊などの)一部の部隊を除いて、国家的な救援、復旧が不能となり、被害の拡大は天文学的な水準に達することとなる。
 第2に、被災地への救援、復旧以外の国家機能が喪失してしまうことで、被災地外にも様々な混乱が生じることとなり、深刻な問題が全国各地で発生する。そうした
混乱を察知した一定の「野心」を持った国々をはじめとした諸外国がどのように反応するのかという問題も含めて、国家規模で様々な2次的な危機が生ずる可能性も、否定できない状況となってしまう。

 助ける側にあるはずの行政関係者が、自らも「助けを求める側」になるということです。
 阪神・淡路大震災を経験した一人として、私もそのような事態は十分起こり得ると思います。
 巨大地震で被災するのは行政の施設も同じことですから、それによって建物や施設に被害がおよび、犠牲者が出れば、機能が低下したり停止したりすることは避けられません。救助の陣頭指揮をとることができなくなり、救助活動が混乱するでしょう。
 それが警察であれば、交通事故の防止や治安の維持に支障を来すことになります。
 有事のときこそ指揮系統がきちんと機能することが大切です。行政のトップが不在になること、あるいは判断力が乏しく適切な指揮ができないことにより、混乱に拍車がかかることになっては大変です。現在の小池都知事の手腕に東京都民の命が託されることになるのでしょうか。
 ここで、中央官庁の機能不全のことが述べられています。
 首都直下地震では、国会議事堂のあたりは地盤が弱いため、倒壊する恐れがあるという情報もあります。「主要閣僚や国会議員が大量に死亡する」という事態はないでしょうか。地下道がつくってあったとしても、おそらく地震の影響で通れなくなる可能性が高いでしょう。
 有事に際して指揮系統が乱れれば、というより指揮を執る人間が不在となれば、国家としての救助活動に大きな影響が出るでしょう。藤井氏は「被害の拡大は天文学的な水準に達する」と表現しています。
 第2の項目の中に、「野心をもった国々」という表現が出てきます。この国を乗っ取ろうという「野心」のことでしょうか。すぐに脳裏に浮かぶのは中国や北朝鮮という国でしょう。いずれも世界支配層が手玉として使っている国です。日本人とよく似た顔の黄色人種を使って、日本を混乱させ、国家消滅へと追い込む考えがあると思われますので、この内容は非常に重要です。
 が、もちろん十分な対策がとられているとは思えません。
「諸外国がどのように反応するか」という問題が「国家規模での2次的な危機」を含んでいるという表現には特に注目しておきたいと思います。
 
 
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