ユングは
知っていた
コンノケンイチ・著 徳間書店 
第4章
なぜユングはUFOの奥深き謎に挑んだのか?

 続発する人間アブダクション(誘拐)

 UFOによる人間誘拐はマスコミを通して日本でも知られているが、多くの場合は科学的な調査が行なわれることもなく、興味本位の揶揄(やゆ)的な紹介をされてきた。あまりにも現実の認識とかけ離れているという世間一般の通念を考えると、UFOによる人間誘拐というセンセーショナルな出来事には、強い疑いの目と不快な感情が注がれるのも無理のないことかもしれない。
 UFOによる「人間誘拐」の問題に対して、アメリカでは著名な学者による真剣な研究が行なわれており、多くの本が出版され、全米に一大センセーションを巻き起こしている。
 代表的なものは、ハーバード大学医学部・精神医学科教授ジョン・マック著『アブダクション』(1994年刊)と、テンプル大学歴史学教授デイヴィッド・ジェイコブス著『未知の生命体―アブダクションの直接記録』(1992年刊。日本では講談社から1994年訳刊)である。
 J・マック教授は、次のように警告している。

 われわれ人類は、はるか以前から宇宙人によって監視されてきたI。そればかりか、今も多くの人々が彼らに誘拐され、さまざまな医学的処置を施されたうえ、人類と彼らの混血ベビーがつくられている――

 テンプル大学のD・ジェイコブス博士も、この驚くべき問題に科学者として真摯な姿勢で4年間にわたって取り組み、大勢の証人たちに会い、綿密な科学的方法で調査・分析して結果を公表している。
 博士の調査では、誘拐事件の被害者は人口総数の5.5ハーセントにおよぶ可能性があるという。全米で一千百万人、日本におきかえれば六百六十万人もの人が宇宙人による誘拐の経験があるという。ちょっと信じられない数だが、その1割と考えても膨大な人数である。
 実は私のところにも、UFO内部に連れこまれて、身体のなかに異物を埋め込まれた、という相談が多くきている。みなに共通するのは、どうこうしてくれ、というわけではなく、誰にも言うことができないので話だけでも聞いてほしい、というものである。ある高校生は親にも話せず、受験勉強もできないと悩みぬき、担任の先生に話して、一緒に私を訪ねてきた。そうした人が日本にも増えつつあるのは尋常なことではない。
 
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