ユングは
知っていた
コンノケンイチ・著 徳間書店 
第4章
なぜユングはUFOの奥深き謎に挑んだのか?

 「グレイ」は人間の無意識の中に入ってくる

■人間誘拐を行なって各種の実験をしている宇宙種族は、通称『グレイ』と呼ばれる宇宙人で、発進母星はレチクル座ゼーター星系の惑星である。ひと口に『グレイ』と称しても『純正種』、『変性種』、『混血種』の三種類いる。
『レチクル』という語はラテン語の『Reticulum』を語源とし、『細胞や人体組織の原形質からなる細胞の集まり』という意味をもつ。このことは『グレイ』による人間誘拐を理解するうえで重要な鍵になる。つまりゼーター・レチクル星人は『一つの集合意識体』であり、個々の生命体は種全体を構成するネットワークの一部になっているのだ。
 彼らは人類のように、個々の肉体や精神を通して現実を体験していない。このことは、蜂や蟻にみられる昆虫社会のような団体行動をとるグレイ種族を理解するうえで、非常に重要な鍵となる。
 人間アブダクションで地球人が理解すべきことは、『グレイは、地球人に招待された客人』ということである。しかし人類の大半は『グレイなど招待した憶えはない』と言うだろうし、少なくとも顕在意識のレベルではそう思っている(筆者註・ユングは『人類は心の内底に元型として潜む原始心像の恐怖心との対決を避けるために、本来の意識構造を分裂させるようになった。そのため遊園地の歪んだ鏡のように、人間の精神構造はあらゆる真実を歪めて映す鏡のようになった』と述べている)。
 こうした精神構造をもつ人間の顕在意識に、グレイたちは直接には入れない。だがグレイはやってくる。人間が『非現実』とみなしている幻覚、夢、想像などの元型・深層無意識の世界へ。そこはグレイたちにとって、きわめてリアルな世界なのである。夢の中、天井、地下室など、人間の思いもよらぬところから、彼らは人間の『宇宙人観』を反映させるようなかたちでやってくることを、私たちは止めることができない。私たちは無意識の世界を『現実』とみなしていないからである。


 あなたがUFOを目撃したり、夢の中にUFOやグレイが出現したら、すでに誘拐されているか、その対象下にあると思ってよい。心理学や量子力学の原則を学んだ人ならわかるように、私たちが体験している現実世界も一種の「夢」で、本当の自分は深層無意識のなかに存在している。グレイと人間との最初の接触は、まずこうしたレベルから行なわれる。
 
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