フツーの人が書いた黙示録 肉食編 B 日本の食糧自給率から見た問題点 |
私は半ば自虐的に「飽食日本」という表現をよく使います。それは、私の家庭でも残飯類はそこそこ生まれていますし、それを生ゴミとして廃棄している実態があるからです。世界中には飢餓線上にいる人たちが何億人もいると言われているのに、世界第3位の経済大国に生まれた私たちは、幸運なことに食べ物に不自由することはありません。「ホームレスの人でも肥満に悩んでいる」と揶揄されるほど食べ物に恵まれているのです。
テレビでは、趣向を凝らしたいろいろなグルメ番組が人気を博しています。「私たち日本人は、こんなにも食べ物をもて遊ぶ国民になってしまったのか」と慨嘆させられると同時に、「いずれ食糧危機がわが国を直撃し、人々は改めて食べ物のありがたさを認識させられることになるのだろう」と予感しています。 日月神示の中に、つぎのような一節があります。 日に日に厳しくなりて来ると申してありた事始まっているのであるぞ。まだまだ激しくなって、どうしたらよいか判らなくなり、あっちへうろうろ、こっちへうろうろ、頼る処も着るものも住む家も食う物もなくなる世が迫って来るのだぞ。 一日一握りの米に泣く時あるぞ。着る物にも泣くことあるぞ。いくら買いだめしても神の許さんもの一つも身には付かんぞ。着ても着ても、食うても食うても何もならん餓鬼の世ざ。 私たちがアメリカの戦略によって、穀物中心の食生活から肉や乳製品を軸とした洋食に切り換えた結果、農業は崩壊し、食料の自給率は先進国の中では最低の30%台(2016年度は38%)という悲惨な状態になっています。しかも、国内で生産されているウシや豚や鶏などの餌となっている飼料は、その99パーセントを外国からの輸入に依存しています。 つまり、わが国の胃袋は穀物メジャーの手に握られているといってもよいのです。アメリカにおける大豆の不作が引き金となって、1973年には豆腐の値段が3倍に跳ね上がり、それがきっかけとなって、スーパーの店内からトイレットペーパーなどの生活必需品が消えるという買い占め騒ぎが起こりました。 その後、冷夏による米の不作では、スーパーには米を求める人たちの長い行列ができ、また農家では倉庫の米が何者かによって盗まれるという事件が相次ぎました。そのころよりも日本の治安は格段に悪くなり、また連日マスコミを賑わせている凶悪な犯罪の発生件数を見ましても、この国の人の心はますます慎みを失っているように見えます。 今や、パニックを引き起こす条件は整い、石油危機や異常気象などが引き金となって、いつ食糧危機に見舞われてもおかしくない段階なのです。 以下は『肉食が地球を滅ぼす』(中村三郎・著/ふたばらいふ新書)の抜粋です。 |
『肉食が地球を滅ぼす』 中村三郎・著 ふたばらいふ新書 |
しのびよる気象パニック
小麦とトウモロコシは、気温が2度上がると収穫量は3分の1に落ちるという。 もし、アメリカの穀倉地帯が過去にない大規模な異常気象(熱波・旱魃)に襲われ、トウモロコシがほとんど全滅状態になったとしよう。三大穀物は、シカゴにある取引所の相場が国際取引価格の目安になっている。その穀物相場が、まず天井知らずの大暴騰を続ける。アメリカ政府は穀物の高値を武器に、世界の食糧支配を強化できるとニンマリすることだろう。一方、発展途上国では食糧の供給が途絶え、飢えた人たちが次々と死んでいく。 日本はどうなるのか。日本は穀物輸入の大部分をアメリカに頼っており、トウモロコシの99パーセントはアメリカからの輸入である。途上国で餓死者がどんどん増えていくのをよそに、日本の商社が金にあかせて、アメリカが備蓄しているトウモロコシの買い漁りに奔走する。しかし、日本だけがアメリカのトウモロコシを独占することは許されない。世界中から非難を浴びることは目に見えているからだ。 アメリカは、穀物の全面輸出禁止、あるいは輸出規制をするかもしれない。1973年にアメリカは、大豆が不作だったことから大豆の輸出を禁じ、日本でパニックが起きた。豆腐1丁50円だったのが150円にはねあがり、そのパニックが石油へと波及し、さらにトイレットペーパー騒ぎにまで発展したことはまだ記憶に新しい。いずれにせよ、日本は今までに経験したことのない大パニックにおちいることは間違いない。 トウモロコシが供給されないということは、輸入トウモロコシを飼料にしている日本の畜産業が崩壊することである。それは同時に食肉の輸入もストップすることでもある、という覚悟をしておかなれければならない。異常気象が日常化した状況からいって、こうした危機に明日にでも直面する可能性は十分に考えられる。 ゼロに等しい日本の穀物自給率 日本の穀物自給率は著しく低い。1999年現在、24パーセントである。1960年の82パーセントから、信じがたいスピードで落ち込んできている。 日本の自給率24パーセントというのは、世界178カ国中130番目という位置である。穀物自給率が日本より低い国をあげると、コスタリカ(21パーセント)、フィジー(10パーセント)、パプアニューギニア(2パーセント)などがあるが、日本はこうした途上国並みの水準にしかない。いわゆる先進国の中で最低の位置にあると言っていいだろう。 家畜のエサである飼料穀物となると、自給率はゼロに等しい。国内消費のほぼ全量がアメリカから輸入される。その飼料用穀物の増大もまた、米食から小麦食に転換されたことによってもたらされた。60年の飼料用穀物の国内消費量は590万トンだったのが、98年には1,600万トンと約3倍になっている。 パンや麺類のおかずには、米食にそえていた魚や味噌汁が合わず、必然的に肉や乳製品を食べるようになる。そして、その肉類を生産するために、飼料用穀物の需要が増え、大量に輸入されるようになったわけである。 小麦食が日常化した65年からの30年間に、肉の消費量は12倍にのぼっている。したがって、小麦消費量の増大は肉の消費量の増大を促し、それがさらに飼料用穀物の需要を増やすという仕組みを生み出しているのである。 食糧自給率の向上はその国の義務であり、世界の常識である。そこからはずれてしまっている国は、先進国では日本しかない。アメリカの策略にうまくはめられた日本は、そのままズルズルと食糧輸入国に甘んじてきた。そして食糧の自給などまったくかえりみず、さらには、古来から伝わる日本独自の食文化と伝統をも捨て去ってきたのである。 |
食糧危機到来の予感がします
この文章からもわかりますように、もし穀物の輸入が止まったら、日本では牛も豚も鳥も飼育することができなくなるということです。米を軸とした日本古来の食生活を、肉や小麦に依存した食生活に切り換えたことのツケは大変大きなものがあるのです。 お隣の中国が日本と同じように、牛肉をふだんに食べる食生活を目指していることで、家畜用の穀物市場はますます売り手側が有利になっています。最近では石油の高騰によるエネルギー危機の匂いもし始めましたが、異常気象の中でアメリカやロシアの穀倉地帯が大きな被害を受けることになれば、たちまち穀物市場は大波乱に見舞われることでしょう。 私が「ここ数年以内に必ず食糧危機が訪れる」と考える根拠は、そういうところにもあるのです。もちろん、食べ物に感謝することなく、大変粗末に扱うようになっている今日の日本人は、間違いなくそのしっぺ返しとも言える事態を迎え、乏しい食べ物を奪い合ったり、涙ながらに口に運ぶ事態を経験するのではないかと気になっています。日月神示にそのような記述があります。 最近のテレビを見ていますと、食べ物を使ったゲームまがいの番組が増えているのを感じます。私はこれこそ日本人が食べ物に対する感謝の念を失った姿だと思うのですが‥‥。 |
← [BACK] [NEXT]→ |
[TOP] |