効果がないどころか超有害!
ワクチンの罠
船瀬俊介・著 イースト・プレス 
第1章 「子宮頸がんワクチン」の真実

 後遺症の本当の恐ろしさを知ってほしい

「厚労省に、あなたたちは“殺人省”だ! と言ってやりました」
 悔しそうに語るのは、Tさん(57歳)。娘のM子さん(21歳)は、子宮頸がんワクチンの後遺症にいまも苦しんでいる。
 ワクチンは2年前、内科で都合3回、接種された。費用はおよそ5万円。英国の巨大製薬会社、グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」という薬剤だった。なぜ接種を思い立ったのか?
「仁科亜季子さんのテレビCMを見たからですね」
 皮肉なことに、ひとり娘のことを思う愛情が仇になった。
 接種後、すぐに異様な症状がM子さんを襲った。
「腕は刃物で刺されるよう、頭は金槌で殴られるよう――といっていました」
 初めは原因がわからず整形外科を訪ねた。しかし異常は見つからず、症状はどんどん重くなっていく。次に脳の病気を疑い、脳外科を訪ねた。MRIなど精密検査も行った。それでもやはり異常なし。どの医師も「わからない」とくり返す。訪れた病院の数は12にもおよんだ。
 腕の痛み、激しい頭痛、高熱、鼻血、めまい、座っているのもつらいほどのだるさが襲う。M子さんは衰弱し、仕事をやめざるをえなかった。
 一家のお住まいは宮城県だ。東日本大震災で被災している。
「放射能を浴びたから、白血病にでもなったのではと思いました」
 ある日、Tさんは、偶然手にとった雑誌に眼が釘づけになった。『女性自身』2013年7月9日号の「子宮頸がんワクチンで寝たきりに」という記事。そこには、被害少女がつづった慟哭の手記が掲載されていた。
 Tさんは、震えが止まらなくなるほど驚いた。手記につづられていた症状とM子さんの症状はまったく同じだった。
 たとえばM子さんも、ワクチンを接種してから、食事をしただけで体に痛みが走るようになった。これも子宮頸がんワクチンの副作用のひとつ。あらゆる食べものにアレルギーが出るのだ。
「痛みもかゆみも、ものすごい。米、パン、めん類……すべて食べられなくなりました。いまはジャガイモを茹でて食べさせています」
 M子さんは「このまま寝たきりの一生になるのでは……」と、おびえる毎日だという。
「クスリというより“毒”ですね。友人の娘さんも被害にあっています。日本でこんなことが起こるとは……。悔しくて安倍総理に手紙を書きました。でも、なしのつぶてです」
 原因が判明してから、TさんはM子さんと方々の病院を訪ね歩いた。そこで二人が直面したのは、医師たちの対応の異様さだった。ある内科では「子宮頸がんワクチンで……」と口にしたとたん医師の顔色が変わり、態度が急変した。
「顔もまともに見ず、言葉をにごすのです。そして『またこの日に来てください』といわれ、家に帰されました。きっと、その間に製薬会社に連絡したのでしょう。再び訪ねると『私には3人の娘がいて、全員ワクチンを打っていますが、副作用もなく元気ですよ』という。違和感ばかりが募りました」
 困りはてた二人は、子宮頸がんワクチン「被害者連絡会」に相談した。
「みなさんも、お医者さんがまともに診てくれない、と悩んでいました。厚労省が裏で動いているのでしょうか? 副作用を認めると、製薬会社は賠償金を払わなければなりませんから。57年間生きてきて、ずっとこの国は先進国だと信じてきました。でも、後進国ですよ。きれいな顔をしているけど、心はお金で腐った人間しかいません」
 Tさんの、やりきれなさと怒りが伝わる。
「あまりに腹が立ったので、厚労省に電話して、『あなたたちは人の命を救う仕事をしていると思っているだろうけど、人殺しの共犯者ですよ』といいました。“殺人省”だと。しかし、なんの返答もありません。そのとき「パチ、パチ……」と音がしたので、『録音でもしているのですか?』と尋ねました。言葉をにごしていましたが、おそらく録音して、製薬会社に聞かせていると思います。さすがに気味が悪くなって電話を切りました」
 最後に、Tさんは溜め息まじりでこうつぶやいた。
「悔しいです。まさか日本が“毒薬”を子どもたちに打つなんて、想像もしていなかったですからね……」
 
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